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平凡な僕と天才の君達  作者: 勇気堂悠那
プロローグ
5/17

プロローグ⑤ とある休日

すいません、やはり⑤で終わりませんでした!

次でプロローグ終わらせます!

月日が経つのは早いもので、軍学校卒業間近にした、とある休日。

この日、僕はとんでもないものを見てしまった。

それは久しぶりの外出許可日で、ジャンキーなフードを食べたくなった僕は1人で街に繰り出していた。伊集院君を誘おうとしたが、不在だった為、もしかしたら街で会うかなぁ? くらいの気持ちでブラブラしていた。

「あ」

意外とあっさり目的の人物は見つかった。

『あ』

伊集院君もこちらに気付いた。しかし、彼は1人では無かった。

なんと、ゆるふわパーマの金髪美女と腕を組んで歩いていたのだ?!

「あ、あぁ、ミスターじゃないか、ど、どうしたんだい?」

明らかに挙動不審だった。因みにミスターとは、僕の事らしい。中学で出会って以来、ずっとミスターと呼ばれている。

「……んー??」

「な、なにかな?」

お相手の女性になんだか見覚えがある気がするんだけど、何故か顔を下に向けてこちらを見ない。

「ミスター! 彼女が恥ずかしがってるみたいだから、これで失礼していいかな?」

あからさまに怪しかった。

「うん、あぁ、邪魔してごめんね。おめでとう」

「あ、あぁ」

そして、2人で頭を下げて立ち去っていく。

チラリと見えた伊集院君の彼女の瞳は緑だった。



その日の夜、僕はたまたま食堂の片付け当番で伊集院君と二人きりだった。

「ねぇ」

「んー? 終わったかい? ミスター」

昼の事は無かったかのように平然としている伊集院君。

最初(・・)からお芝居だったの?」

「えっ?」

伊集院君がこちらを振り向く。

「伊集院君が、あんなに反抗的に教官に楯突くのっておかしいとは思ってたんだけど、さ」

「な、何を……?」

「僕の知らない3年で変わってしまったのかとも思ってたんだけど、教官への態度以外は僕の知ってる伊集院君のままだったんだよ」

伊集院君は汗を垂らしてこちらを見る。

そして、全寮制の学校で男女が怪しまれずに二人きりになれる場所があった事に考えが至る。

「そう言えば伊集院君はよく教官に呼び出されて指導室で二人きりになってたよね」

「そ、それは……」

「美木多の言う通りだ」

背後の扉から女性の声が聞こえた。そこには昼とは違い、きちんと髪を束ねて軍服に着替えた伊集院君の彼女が立っていた。

「教官」

「シルヴィー」

教官は、伊集院君の傍まで歩いて行き、自然な感じで、その腕を取った。

「まぁ気付かれるとは思ってけど、まさかそこまで見抜くなんてね」

「いや、ミスター、実はずっと気付いてたんじゃないのか?」

「え?」

伊集院君が言うと教官が驚いた。

「うん、まぁ、正直違和感を感じたのは入隊式の日」

「早っ!?」

はぁ、やれやれと前髪をかきあげながら、伊集院君は近くの席に腰を降ろした。教官も黙ったまま、その隣に腰掛けた。

「ミスターには気付かれるとは思っていたが、まさか初日からか」

「まぁはっきり気付いたのは実機に乗り始めてからだけど」

「流石、ミスター」

「それは買い被りだよ」

伊集院君は出会った頃からずっと僕を過剰評価して、流石流石と繰り返す。

「ちなみに、もう1人気付いてると思うよ?」

「……やっぱそうかな?」

「まぁね、彼女(・・)は僕より伊集院君の事を知っているからね、僕が気付いて、彼女が気付かないわけがないんじゃない?」

「卒業したら話すつもりではいたんだよ、一応な」

「まぁ別に禁止されてるわけでもないしね」

軍学校では18歳以上同士なら校内恋愛を禁止していない。もう分別ある大人に、そんな規則必要無いってわけだ。(愛華ちゃんは一応禁止年齢なんだけど、黙認されているようだった)

「一応シルヴィーの指導に贔屓が入ってないかとか疑われる可能性あるからな」

「あぁ、まぁそれは確かに」

どちらかというと逆贔屓していたイメージすらあるが。

「じゃあ、まぁ、僕は知らなかったことにしておけばいいのかな?」

「頼むわ」

さて、反抗期伊集院君の謎が解けた所で、もう1つ謎が生まれたな。

「馴れ初めは伊集院君の空白の3年に関係あると考えていいのかな?」

中学まで伊集院君に彼女が居た気配は全く無かった。そして、再会した、その日には既に芝居を打ってる。つまり教官とは既に繋がっていたわけだ。と、なると、2人の馴れ初めは伊集院君の空白の3年間にしかありえないのだ。

「私達が出会ったのは━━━━IRCよ」

教官が語り始めたのは、驚きの内容だった。


あともうちょっとお付き合い下さい!

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