プロローグ② 再会
またまた天才が出てきます!
何の分野の天才かも想像しながら読んで頂ければと思います!
「お前達は入隊日早々に問題を起こす問題児だな」
今は午前7時過ぎ。僕達『5人』は教室の前で立たされていた。
怒っているのは勿論教官だ。但し、竹刀も持っていなければ、いかついおっさんでもない。
銀髪碧眼の美女がそこには居た。シルヴィア・タイムと先程名乗っていた。
「俺は巻き込まれただけなんだが?」
そう言って両頬を腫らしながら不貞腐れているのは、伊集院雅くん(18)
つい先程この教室で再会した親友であり、河野さんと同じ孤児院で育った境遇の持ち主だ。
彼は、今日この場で再会するまで3年間行方不明だったのだ。
「巻き込まれた? 私には寧ろお前を中心に騒ぎが起こっていたように見えたがな?」
その通りである。
彼に気付いた河野さんが泣きながら激怒。今まで何処にいたのか、なんで連絡をよこさなかったのか、などと詰問しながら、往復ビンタをかましまくっていた。
周りの生徒達はドン引きしながら距離を取り、僕達はなんとか伊集院君から河野さんを引き剥がし、宥めていた所に、教官が来てしまったというわけだ。
そして、今に至る。
「全く貴様らは、まだまだ学生気分が抜けていないと見えるな? いいか! 貴様らは今日から学生ではなく、軍人として扱われる! 厳しい規律を守ってもらう! 分かったか!」
教室は静まりかえっていた。
「返事はどうした!」
「「「は、はい!」」」
思わず教室の全員が背を正して返事をした━━かに見えた。
「うわ、かったりぃ」
一人だけ空気を読めない人が居た。それもすぐ隣に居た。伊集院君だった。
「貴様ぁ! なんだ、その態度は!」
当たり前のようだが、教官は激怒した。
うん。間違いない。問題児は彼一人だ。寧ろ僕達は巻き込まれた方だ。クラス全員硬直してしまっている。
昔は、こんな感じでは無かったのだけれど、この3年間彼に何があったのだろう。
「.......今は時間が無いから、お前らの処分は後ほど決める。全員これから大ホールに移動して入隊式を行う! 事前に渡された地図を確認して大ホールに移動! 今日は到着順に前から詰めて座るように! 行け!」
全員未だに硬直から解けていないようで、誰も動けなかった。
「駆け足!」
教官の再度の掛け声に慌てて、全員教室を出て行く。勿論、僕達もだ。
ここでも一人を除いて。
「貴様ぁ!」
教官の怒号を尻目に僕達は大ホールを目指した。
入隊式は、主に軍隊とは、という話がメインだった。明日から2年間、僕達は軍隊の基礎を学ぶ事になる。5時起床に始まり、座学や実技の授業、銃器の扱い、実機の動かし方などを学び、21時就寝。電子機器の持ち込みは禁止で、スマホも休みの日以外は没収される。代わりに校内の連絡手段として、腕時計型の通信機が渡された。ハイテクだ。
ちなみに伊集院君は式の開始直前に現れた。タイム教官によって無理矢理引き摺られて。
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