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平凡な僕と天才の君達  作者: 勇気堂悠那
プロローグ
1/17

プロローグ① 入隊式

初投稿です!読んで頂きありがとうございます!

プロローグは主に細かい設定と天才達の紹介になります!

「みんな、早く来なさいよ!」

そう言って僕らの前をぴょんぴょんと跳ねながら先に進んでいくのは初芝(はつしば)愛華(あいか)ちゃん(16)

新しく行く学校が、そんなに楽しみなんだろうか? 僕は憂鬱でしかないのに。


「おい、愛華、はしゃぎすぎだぞ。ここはそんなに気楽な場所じゃないんだぞ?」

そんな愛華ちゃんを微笑ましく見守るメガネの彼は橋本(はしもと)祐介(ゆうすけ)君(18)

この2人は、幼馴染の恋人同士で、いつも一緒に居る。


「全く。そんな事言いながら一番はしゃいでるのは橋本じゃない?」

「な、なんだよ?」

「憎まれ口叩いてるけど、愛華と一緒に授業を受けるのが楽しみなんでしょ?」

「うっさいなぁ.......」

照れる橋本君をからかっているのは河野(こうの)絵美(えみ)さん(18)

目鼻立ちの整った美人で、今も周りの人が男女問わず振り返っている。何を着てもばっちり決まっているので、『軍服』ですらカッコイイ。見た目的に欧米の血の入ったハーフだと思われるのだが、孤児で両親不明の為、そこら辺は本人もわからないらしい。


ニコニコしている愛華ちゃんに、照れてる橋本君、その2人を見ながらニヤニヤしている河野さん。みんな楽しそうにしているが、僕は全くそんな気持ちになれなかった。


あ、申し遅れました。僕の名前は美木多(みきた)健次(けんじ)(18)

勉強もスポーツも何をやらせても普通な、超凡人で、特徴と言う特徴を挙げるならメガネを掛けているくらいだが、それすら橋本君と被る。本当に特徴が無いのが特徴としか.......。


そんな凡人の僕は『軍学校の入隊式』に不安と恐怖しか感じない。周りの人達も僕と同じような顔をしているので、僕の方が普通で、この3人がおかしいんだろう。目立ってるし、他人のフリでもしとこうか?


「おい、美木多、何で微妙に離れようとしてんだよ?」

気付かれてしまった。微妙に距離を開けて離れようとしてたのに。


「なんで軍学校の入隊式で、そんなに楽しそうに出来るのか、僕にはわからないよ」

肩を組んで来た橋本君に、憂鬱な気持ちをぶつけてしまう。ちなみに僕より橋本君の方が背が高いので、僕の方がグイグイ引っ張られている。


「なんでってお前、遂に実機(じっき)に乗れんだぞ! あれこそまさに、男の憧れ! 男の浪漫!」

大興奮して語り出した橋本君の手からそっと抜け出し、置いてけぼりにして先に進む。あれが始まると恋人の愛華ちゃんですら、知らない人のフリをする。


実機━━━

正式名称「対テロ対災害時用人型実験駆動機」を略して実機。ほんの数年前に開発されたロボットだ。


体長約2~2.5メートル。どんな地形にも対応できる大きな脚部と、救助者を傷付けないように細かい動きが可能な腕部。

中に乗り込んで直接動かすのだが、実機の耐久性耐熱性耐寒性がかなり高く、小型の物なら火事の現場でさえ使用する事が可能である。


実機が世界に普及するまで、1年もかからなかった。『表向き』は日本の無名メーカーが作った事になっているのに、気が付けば世界の強国は万単位の実機を保有していた。


実機の保有数が、そのまま各国の上下関係に繋がるとさえ言われており、現在では自国で実機の生産が可能な日本、アメリカ、ドイツの三国が世界の覇権を握っている。


橋本君は、そんな実機の大ファンで、というか元々ロボットアニメやらが好きで、現実に現れた人型ロボットに興奮しっぱなしなのだ。


「何がそんなに楽しみなんでしょうね?」

「そういう愛華も、さっきまで嬉しそうにぴょんぴょん跳ねてたじゃないの」

「跳ねてないし! 人を子供かなんかと勘違いしてない?」

「そうね、愛華は大人なのよね」

「完全にからかってるわね?」

「そんな事無いわよ?」

実際、愛華ちゃんは僕達より2つ年下であり、河野さんはよくこうやって愛華ちゃんをからかっている。

軍学校は最終学歴修了後二年間の強制教育である。人によっては中卒、高卒、大卒と様々だと思うが、愛華ちゃんは高校中退である。


僕達が高校三年生の時に、橋本君を追って同じ学校に入学してきたのだが、軍学校が完全寮制であり、橋本君と2年間完全に連絡が絶たれてしまう事を知った愛華ちゃんは、僕達の卒業式の日にあっさりと学校を辞めてしまったのだ。

ちなみに軍学校は全国にあり、どこの配属になるかは直前までわからない。一緒の学校に行けるかどうかもわからないのに、思い切ったものだ。


閑話休題

そんなわけで、奇しくも地元の同じ軍学校に配属された僕達は、一昨日入寮した寮から一緒に登校してきたわけだ。

他にも仲のいい友人は居たのだが、全国に別れてしまった。そう言えば、一人海外も居た。

「おいおい、俺を放って行くなよ!」

ようやく放置されている事に気付いた橋本君が追いかけてきた。

「で、まずは教室に入るんだったな? 一階のF教室だったか?」

「そうだね。6時55分までに着席しておく事ってなってるね」

「あれ? この書類じゃ7時になってるぞ?」

橋本君が入学案内を見ながら首を傾げる。

「軍学校だよ? 5分前行動は当たり前でしょう?」

「一応15分前までには教室に着くでしょう? あんまり気にしなくていいと思うわよ?」

河野さんが腕時計の時間と地図を見ながら確認している。

「よし、ならさっさと行くか! 初日から怒られたりするのは勘弁だしな! 軍学校なんだし、遅刻なんてしたらきっといかつい強面のオッサンが竹刀持って追っかけてくるぞ?」

「それ、どんなイメージなのよ.......」

呆れた愛華ちゃんが思わず突っ込んでいた。


そして、僕達は新しい教室に踏み込み、そこで、思わぬ出会いが待っていた。

最後まで読んで頂きありがとうございます!

不定期投稿になるとは思いますが、極力頑張りますので、よろしければ次も読んで下さい!

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