人間の顔じゃない、って、どんな顔?
目が覚めて、スマホを見てると、隣の人が急に
『もう、人間の顔じゃない、そんな眼しないでッ」
という『寝言』を言った。
叫んだ、と言ってしまってもいいかもしれない。
おそらく、だけど、『寝言』を向けてなじられているのは、私のこと。
最近よく言われてるから、「人殺しみたいな眼で私を見る」って。
全然そんなつもりはなくて、なんなら、いい人だなぁ、とか心の中で思って隣の人を見ているときでさえ、それっぽいことを言われるから、私の目つきの悪さたるや、なのか。
私がどれほどこの人の心に安らぎを与えられていないのか、なのか。
でも、どれだけ真剣に鏡をみて、自分の顔の表情を探ってみているのだが、どこをどう動かしても、叫びだしたくなるほどの、酷い顔をしているわけではない、という結論に達する。
なら、あとは、隣に寝ている人の、心のケアに努めなければならない、のだろう。
そして、あの頃のようないっしょに寝ているだけで本当に、(こうして生きてることが幸せだ)って、思えるふたりに戻りたい。
別に、できないことじゃないから。
ふたりがふたりのことを、お互いに、思いやって行けばいいだけなんだろ?