僕の留年が決定しました。
留年が決まる前の人間の精神はかなりヤバイです。
「残念ながら合格者はいませんでした。」
教室には再試験を受けた生徒たちのため息が漏れる。
そんな中で...
「う、嘘や...嘘やー!」
ため息というより嘆きを漏らす僕がいた。
僕の学校では試験で一定の点数が採れない場合、再試験を受けることになっている。そして、各教科で単位というものが割り振られていて、その単位をたくさん落とした場合...留年確定となる。
僕が落とした単位の数は11、落としてもいい単位の数は10。
留年が決まってしまったのだ。
もちろん、そんなの納得いかないと思った僕は答案用紙をひたすらに読み、採点ミスがないかを確認した。
「化学は...ダメだ。英語も...これもか...」
そして...
「...どうしよう...」
ミスがひとつも見つからなかった。
当たり前だ。先生も再試験ともなればテストの採点も厳しい。抜け目なんてあるはずがない。だけど...
「なんでこんなしょうもないミスしてしまったんだよ俺は...」
数学で+と-を間違えるという最悪のミス。このミスのせいで僕の留年が決まってしまったのだ。
「...」
そして、僕は最低の行為をしてしまった。
「先生、ここのところ、しっかりと合ってます。確かめてください。」
「えっ?」
書き直して提出した。今思えば、これは本当に最低の行為です。僕は最低の人間に成り果てました。
まあもちろん...
「ダメだ、これ以上点は与えられない。帰れ。」
追い返されました。
おそらく、気付いたのでしょうね。
「先生、お願いです!どうかこの通り!」
恥も捨てて土下座。
「ダメだ。」
失敗。
「先生!本当にヤバイんです!どうか僕に慈悲を!」
「しつこい。帰れ。」
失敗。
「...」
「何居座ってんだ。」
失敗。
その後も泣きついて、土下座して、先生の文句を言い放ちましたが、点数もらえませんでした。むしろ慰められました。
なんか...虚しい。
そうして僕は教室に戻りました。すると...
「お前、先生に泣きついてたけど、頭大丈夫?」
同級生もとい、元同級生に心配されてしまいました。
もちろん、これは親にも伝わってました。
ですが、親は「お前なりに頑張れ。」と言って僕を支えてくれました。恥ずかしい話ですが、テストの前にまったく勉強しない、授業は睡眠、夜はゲームという生活のせいで留年が決定したようなものだったので、親には本当に申し訳ないと思ってます。
そうして、担任との話し合い、校長と交わされる誓約書によって僕はもう一度学び直すこととなりました。
地味にプライドの高い僕にとって、留年という行為は非常に恥ずかしいですし、このまま退学したいとさえ思ってました。ですが、親からの応援、自分の将来のため、もう一度学び直すことを決めました。
まあ、そんな感じで僕の留年生活が始まるわけです。
「もう一年遊べるドン♪」
「お前、本当に心配なんだけど。」
ヤケクソになるしかありません。
ちなみに、俺は留年するだろうと悟った人間は不思議と落ち着いています。