表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

ホラー短編作品集

真夜中の高速道路にて

作者: 候岐禎簾
掲載日:2015/08/26

地元で過ごした楽しい日々も終わり、私は家に向けて車を走らせていた。

時刻はそろそろ午前1時すぎ、この時間にもなると高速道路を走る車は少ない。

早く帰ってベットの上で休みたい…。

私の頭はそんな考えでいっぱいだった。


緩やかな坂道を車は進む。

この先にはサービスエリアがある。

私はそこでコーヒーでも買って少し休憩する気でいた。

辺りは真っ暗だが、なんとなく山の中を走っている。その事だけは鮮明にわかった。


ガチャ…。

無事にサービスエリアについた私は車のドアを開ける。

真夜中ということもありサービスエリア内の人気ひとけまばらだ。

お店も全て閉まっており、自動販売機の灯りが煌々と光り輝いていた。

よし、冷たいコーヒーでも飲んでリラックスしよう。この先はまだ長い…。

そう思いながら自動販売機のとこまでいこうとした時だった。

「あ…の…」

後ろから声が聞こえる。

私は恐る恐る振り返る。

そこには、スーツを着た男が立っていた。

年齢は40代後半くらだろうか。

私に話しかけながら男はずっと下を見ている。

「あなた…。忘れてますよ?」

男は一言私にそう言った。

「忘れてる…?いえ、私は何も忘れてはいませんよ」

一応、ズボンのポケットを確認したが、何も落ちてはいない。

「そうですか」

男はそう言うと暗闇の中へと消えて行った。


次に「その存在」に気がついたのは私がコーヒーを買い終えて車のエンジンをかけた時だった。

バックミラーに誰かが映ってる。

「えっ!?」

私は外に出て後ろを確認してみた。

そこにはさっきの男が立っていた。

「どうしたんですか?」

「あなた…。忘れてますよ?」

男は下を見ながら私にそう言う。

「いや、だから私は何も忘れてはいませんよ」

「あなた…。忘れてますよ?」

男は同じことを繰り返し言う。

「だから!私は何も忘れてはいませんから!もう行きますからね!」

私は男を無視して車を走らせた。


漆黒の暗闇の中を車のライトが照らし出す。

運転をしながら私はあの男が言ってた言葉が気になっていた。

いったい私は何を忘れているというのだろうか?

車は急なカーブを曲がる。


その時だった。


「あなた…。忘れてますよ」


「えっ!?」

私は後部座席を見る。


さっきの男が下を見ながら座っている。


「い、いつの間に乗ったんだよ!あんた」

私はつい大きい声をだしてしまった。


「あなた…。忘れてますよ」


「だから!何を!」


「あなた…。忘れてますよ。前を向いて運転することを」


「えっ!?」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] これは怖いですぅ。 昼間に読んで良かった。 もしや、トイレから出てきて「閉めるの忘れてますよ」というオチなのでは……などと考えてしまった自分が恥ずかしい(笑)
2015/09/07 14:15 退会済み
管理
[良い点] 川成さん、こんばんはo(^-^)o 夜中に読むんじゃなかった…(笑)最後の一言が凄く怖かったです。こんな人(正確には幽霊)勝手に乗ってきたら嫌だなあ
2015/08/28 23:59 退会済み
管理
[良い点] なかなかにホラーホラーしてますね、後ろのあなたは誰だお前は。 これは、エンジンを掛ける時に気づかなければ良かったのかな? そもそも出会わなければ……って、それを伝えたくて現れたのだから、結…
2015/08/27 05:18 退会済み
管理
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ