Ⅱ-12.半泣き
首都のポータルから出て、溜まり場の宿屋に顔を出す。
チェリーは鍛冶屋のNPCのところで道具を借り、色々、作るらしい。
「………ギルドホームが……速く…………欲しい……」
「まったくだな。結構不便だし」
などと言いつつ歩いているとチェリーが
「………私………こっち…………」
と言ってきたので、
「わかった。頑張れよ」
「……………うん…………頑張る………」
と挨拶を交わして別れた。
俺は道具屋に寄り、消耗品を補充してから宿についた。
「ユウのバカー」
扉を開けなかに入った瞬間、罵声と共にコップが飛んできた。
ロキだ。
しかも半泣き。
「バカって何についてですか?」
思わず敬語。
聞いてみるとあの後廃鉱のなかをさ迷いながら俺たちを探していたらしい。
半泣きで。
最終的には魔力も底をつき、暗闇のなかをさ迷い、コウモリになぶり殺しにされていたらしい。
「よく生きて帰ってきたな。
あれ死に戻ったのか?」
「騎士風のイケメンが助けてくれたのよ。ユウと違って紳士的だったもん」
「ほう、イケメンか。
作り物っぽかった?」
「天然風味よ」
「イケメン爆発しろ」
「なにいってんのよ」
ギャースカ ワースカ
喚いていると、
「二人は仲良くなったのだな」
ヨイチ登場。
「ところでチェリーは何処だ?
頼みたいことがあるのだが」
「何かあったのか?」
わめくロキを無視して聞いてみる。
「ああ、良い素材が手に入ってな、チェリーに装備を作って欲しかったんだ」
「平原で金属素材って手に入ったっけ?」
「いや手に入らない。
殆どが皮や毛などの素材だったが、狼との絆というアイテムが手に入ってな。
これで狼系のモンスターを召喚できる装備が作れる」
「つまりモフモフペットってことか。
羨ましいな~」
「羨ましいだろ」
ドタンッ バタンッ
扉が勢いよく開け放たれた。
「誰だ!?」
そこに立っていたのは息も絶え絶えなチェリーだった。




