1-11.愚者
「危ないところを助けていただいてありがとうございます。」
お礼はちゃんといおう。あのままだと不味かったし、人としての礼儀だ。
「ガハハハハ
気にすんな!!むしろ獲物の横取りになってないか心配だ!?」
「イエイエあのままだと死に戻りしかねない状況でしたから気にしてません。
それよりさっきのはどうやったんですか?
凄い炎を上げていましたが。」
少し気になるな。あれができたらスライムに囲まれても切り抜けられたかもしれないし。
「ガハハハハ
俺は戦士とエンチャンターをとったから、この戦斧に火属性を付与して薙ぎ払っただけさ。
それより坊主、俺のジョブを聞いたんだからお前のジョブも聞かせろよ。5分位眺めていたがなかなか良い動きだっだぞ。
特に囲まれないように常に背後を気にかけていたところとかな。」
「5分も眺めてないで助けてくださいよ。」
「ガハハハハ
乱入は余り誉められたことではないのでな。
後でイチャモンつけられても詰まらんので、シッカリ見極めてからじゃないとの。
それより話をそらすな。いまは坊主のジョブの話だぞ。」
「そらした訳では無いんですけどね。
まあいいか。言いますよ。俺のジョブは侍と剣士ですよ。」
「ガハハハハ ハハ ハッゴホゴホ」
オッサン爆笑。
「だから言いたく無かったんだよ。笑うなオッサン。爆笑してんじゃね~よ。」
しまいにゃ泣くぞ。
「ガハハハハ
坊主がまさか愚者だったとわの。」
ひとしきり笑ったあとオッサンは言った。
「愚者って酷いな。
確かに考えが足りてなかったけどな。」
「ガハハハハ
イヤイヤそういう意味ではない。
愚者というのは隠語でな坊主のように同じ系統のジョブを選んだやつらのことだ。」
俺の他にもいるのか。
会ってみたいな。
そう顔に書いてあったのだろう、オッサンは
「ガハハハハ
ヨイチというプレーヤーを訪ねてみろ。
ソイツが愚者を取り纏めているヤツだ。
さて俺はいくか。
実は集合時間に遅れそうなんだ。
これでもリーダーなんだがな。」
そういって立ち去るオッサン。
俺は、
「ちょっと待てよ。
まだ名前聞いてねーぞ。
俺はユウ。
オッサンの名前は」
オッサンはこちらに背を向けたまま片手を上げてこう言った。
「おっちゃんだ」




