詩 鏡
掲載日:2026/07/05
鏡の中のもう1人の自分。
全然、イケメンじゃなくて、ボサボサの髪。
まるで布団に襲われた後のような身だしなみ。
「これ、本当に自分だろうな?」
鏡に手をやり、もう1人の自分と向き合う。
俺が眉根を寄せれば、向こうも眉根を寄せるし、口を開ければ、口を開けてくる。
まるで双子みたいなシンクロ率。
何だか憎らしくて、鏡を殴ってみる。
ドン、ドン。
残ったのは、ただ痛みのみ。
鏡の中の自分も、手をおさえている。
やっぱりこれが自分かと納得せざるを得ず、そっと鏡の中の自分の頰に触れてみる。
ツルツル、ツルツル。
触り心地は無機質で冷たい。
まるでお化けと対峙しているみたい。
何だかおかしくなって、笑う。
あはは、あはは。
もう1人の自分と笑い合い、その場を後にしたのだった。




