まんじうこわい
掲載日:2026/05/13
オレには女の幼馴染が一人いる。
そいつとは幼稚園のころからの付き合いで、仲が悪いわけじゃないけど、ことあるごとにからかってくるのが少しだけ苦手だった。
少し前にそいつが「甘いものが苦手」と言ってるのを聞いて、普段の仕返しのつもりでそうとは知らせずにケーキバイキングに連れて行った。
そしたら、さぞ嫌な顔をするだろうと思ってたのに、幸せそうにバクバク食ってから「体重はかるのが怖い」とか言いやがった。
今度はそいつが「暗いところと高いところが苦手」と言ってるのを聞いたので、夜には真っ暗になる丘の上の展望台に連れ出した。
今度こそ盛大に怖がるだろうと期待していたら、遠く見える街の灯りに目を向けたまま、そいつはぽつりとつぶやいた。
「でもわたし、ほんとはあんたが一番きらいなんだよね」




