六話
人に恋をするというのはどういうことだろうか。
幼稚園・小学校と誰のことも恋愛的に好きになることはなかった。恋をするということが私にはわからないのかもしれない・・・
「・・・ーい、おーい、あっ気づいた。珍しいね休み時間に寝るなんて。移動教室だから起こしてあげようと思って。」
「んあ?ありがとういーこ、次何だっけ」
「体育。」
「最悪かも、ぷーちは?」
「トイレこもってる、おなか壊したんだって。」
「そっか、着替えよっか」
私は松田奈々。学期末テストを終えて、あとは冬休みまで一直線、といったところだ。
女子更衣室までの道のりで、すでに多くの着替え終わった子たちとすれ違った。
「いそげ、いそげ、いっそげのマーチ」
いーこがご機嫌に歌ってる。
「いそげのマーチって何よ」
「わかんない、ただちょっと歌いたくなっただけ。」
制服を脱ぎ、ちゃっと体操服に着替え二人でいっそげのマーチをうたいながら体育館へと向かった。
「なっつ~!い~こ~!始まっちゃうよ」
滑り込みだが一応間に合った。準備体操をして、男子と女子でそれぞれ2チームずつに分かれて、バレーボールをする、コートはあるが2試合同時にしないという決まり(なぜか)なので、男子がやってるときは女子が待ちなのだ。体育館の隅で、一列にならんで、みんなでみているわけだが、その間もあの子かっこいいねとか、言って待ってるのである。駄菓子会の3人は今誰も彼氏(もしくは好きな異性)がいないわけで、だれがかっこいいかという話をしていた。
「やっぱり、こういう場になると小林君の存在感すごいんだよね」
とぷーち
「そうだね、でもなんかみんな近寄りずらっていうか、なんかね。」
いーこが言ってることは正しいけど、かわいそうだなとも思う。誰でも真剣にやってるのってかっこいいんだなと思う。海老名の時でもそうだったけど、何事にも打ち込むタイプなんだろうか。
ピーと笛が鳴り私たちがコートに出て、男子たちが壁際に向かっていく。




