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駄菓子会  作者: 夏葉


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2/2

二話

次の日、11月も中旬になる頃、私たちの学校では社会科見学があった。社会科見学といっても、町に解き放たれる、まあ、実際は、遠足みたいなものだ。その前日の終礼でその班を男女2人で、組んでくださいと言われたのだ、私は、てっきり、ぷーちとかいーこと組めるものだと思っていた。

出だしをミスった。もうこいつならいいやって人が、いない…あと残ってるのは、誰も顔を見たことのないくらいいつも下を向いている小林くんだけだ。

小林くんの素性は誰も知らないし、誰も顔をしらない。うわあ。と思っていたら、そのまま、組むことになってしまった。

「よ…よろしく」

ぼそっと呟く。なんなら、小さすぎて聞こえなかったかもしれない。

「よ…よろしくね」

そうして当日、私は最寄りのみなみ野駅前でぷーちとかいーことかと待ち合わせて行くことにした。

集合時間に着くためには、まあまあな通勤ラッシュの時間を行かなければならない。

そこから二駅行くと橋本駅だ。現地集合のため、私たちは、少し早めに出た。

「なっつ〜」

私が最初についており、そこからいーこ、ぷーちの順にやってきた。

三人で切符を買い、改札内に入り、人の多い階段を降りると、電車はやってきた。

乗り込むと、まあ、座れるわけがないため、しかたなくリュックを下ろして、三人で並んで、吊り革を掴む。

「ねえ、みんな誰と組んだの?」

いーこが小声で話し出す。

「えっと私は、もちろん松井くん。」

ぷーちがその小声を壊すようにいつも通りの声で話す。私が静かにのジェスチャーをしても気づかない。

肩をトントンと叩くと、

「なっつは〜?」

と話をぷーちに振られた。

「こ…こばやし…くん」

2人の顔に衝撃が走る。

「こ…こばやしくん!?」

2人ともこれは聞いてはいけなかった、まずいと、焦り始めてしまった。どうするべきか…

「そ、そうだなっつ。今日の社会科見学で、大田くんが、みーちゃんに告るらしいよ」

「ええ!?」

相変わらずぷーちの声は少しでかい。

そうして県境の近くの駅まで来た。

多くの人が乗り降りしていく。

たまたま席が2人分あいたので、2人に譲った。


橋本駅に着くと、乗り換える。4・5番線と書かれた看板を頼りに、人混みの中進んでいく。

需要の割に少し短いのではと思える、4両編成の電車に乗り込んでいく。この人数なのでまあ、座れるわけもなく、迷惑になるので、降りるまで喋る頃はできなかった。

途中の海老名で降りると、商業施設の前のところで集合した。私たちは結構早め出ていたので、先に着いていたのは、先生と数人だった。先生と挨拶を交わし、みんなが出揃うのを待った、ここでいーことぷーちと別れて、寒い中、両手でそれぞれ反対側の腕をこすりながら、屈んでいた。いくら着込んできたとは言っても11月の寒さはこたえる。20分待って、クラス全員が出揃ったと思ったら、自分のペアの小林君のことを忘れていた。ごめん。小林君は結局2分遅れてやってきた。注意事項を聞いてから、出発した。この行事のルールというのは、街の各所に先生が立っていて、そこがチェックポイントになっていて、そこを回っていき、全部回った上で、1番早く終わった人から帰れるというルールになっている。

「よろしくね。」

「う…うん。」

ずっと小林君は下を向いている。

「最初どこ行く?」

「ど…どこでもいいよ」

私も緊張してるのに小林君がその態度を取るのはどうかと思う。

「じゃあ、1番近いロマンスカーミュージアムにいくね。」

ただ、チェックポイントを回るだけではなく、チェックポイントに関するクイズなどを解いて、その答えを先生に伝えて正解だったら初めて一箇所クリアとなる。

一度歩道橋に上がり駅の方向に戻っていく、木の電車のオブジェが見えてくると、自動ドアの中に入り、特定のパス(?)のようなものを見せたら全ての施設で中に入れるようになっていて、そこから中に入っていく。エスカレーターを下ると中には木造の電車が佇んている。ちゃんと、展示物とかを見ないとクリアできないので、じっくり時間をかけてみていく。

ロマンスカーという、特急電車が多く展示されていて、いつか乗ってみたいなと思った。1階の展示エリアを抜けると、2階のジオラマエリアに出た。ジオラマエリアは、とてもよく作り込まれていて、びっくりした。それで、出口に待っている先生のところに行き、クイズの問題を聞きにいく。

「問題です。一階の展示エリアには、何種類の電車が飾らr」

「5種類」

先生が最後まで問題を言い終わる前に小林君があっさりと答えてしまった。すごく、よく見ていたみたいだ。次の国分寺跡に向かっている途中に、小林君が初めて喋った。

「さっきの、博物館面白かったね」

なんだか嬉しかった、全然心を開いてくれそうになかった小林君が自ら喋りかけてくれたことが嬉しかったのである。

「うん、そうだね」

私もとても返事がしやすかった。

そう返してる時に、

小林君と仲良くなれそうなのはいいのだが、今いーことすれ違ったのにいーこは気づいていなさそうだった。帰る時に言ってあげよう。そうして、国分寺跡・ららぽーとと次々と小林君がどのクイズもあっさり答えてしまったため、とても早く終わってしまった。私は、他の2人と帰る約束をしていたため、寒い中駅前で待つことになった。

私が待っているとは知らずにそれぞれのペアと歩いてきた、まず来たのはいーこだ。相手は、犬熊くんかな。私は地面に座りかけていた腰を上げて「いーこさん」と呼びかけた。私に気づいたのか犬熊くんと話を終えて、手を振ってこっちに来た。「いーこ。おかえり。ぷーち見てない?」「見てませぬぞ」「どうしたのその喋り方」「いつものことですぞ」「そっか。」“すれ違ったが、気づかれなかった”という話を切り出せる訳なく、結局胸の奥に鍵を幾重にもかけて閉まっておいた。結局ぷーちは、そこから10分経っても現れなかった。「遅いねぷーち。」「ね。もうみんな戻ってきてるもんね。」ぷーちが走ってきた。手を振っている。「遅いよ!」いーこ声をかける「ごめんごめん」とぷーち。テンポのいい会話である。「帰ろっか、寒いし。」私が言う。「だね。」いーこが走り出しながら「よーいドン」と言って、駅へみんなで走っていった。電車が行ったばっかりだった。20分待った。その間も私たちは他愛のない会話をした。ぷーちの彼氏との今日の会話や、20分という時間があっという間だったようにも感じた。楽しかった。朝の混雑と違い、そこまで混んでいない電車がゆっくりと走るというのが私たち自身の時間がゆっくり楽しくすぎていく、こんな時間がいつまでも続けばいいと思った。あっという間に橋本駅に着いて、横浜線に乗り換える。横浜線は、相模線とは違いスピディーに駆け抜けていく。八王子みなみ野駅で私たちは降りる。

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