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41.リオンの日常

 はぁ……リンダが戻って、魔獣を倒したという噂はもう学園中で広まっている。一時期は嫌われ始めていたけれど今はまたリンダを慕う者が増えてきた……まずいような……嬉しいような。


「リオン様」

「……エイジ……どう思う、最近平和だけれど」

「そうですね、リンダ義姉さんの事ですか」

「……僕は分かりにくいって言われるのだけれど……よく分かるね」

「そりゃあ、突然来るリオン様のお相手をリンダ義姉さんが準備できるまで毎回毎回していたんで」

「……何、怒っているの??」

「まさか、ふふっ」

「笑い方……」

「え??」

「流石義姉弟だよね、笑い方がリンダと似てる……」

「僕はあんなに可愛くありません」

「ちょ、え、何、ビックリした……エイジ突然何なの……」

「何とは??」

「なんか……男みたいな事……」

「リオン様、僕は男です」

「リンダは……僕のだからね……」

「さぁ、どうでしょう」


 エイジがただのシスコンなのか男としてリンダを愛しているのか正直な所分からない。でも……僕の勘は当たるからね……そう、一人の男としてリンダを愛しているんだね。


「では、失礼します。リオン様」

「……うん……」


 また毎日バラでも贈ろうかな……いや、リンダに怒られる……どうすれば僕だけのリンダになる?? 僕はリンダに婚約を受け入れてもらいたいんだ。記憶がなくなった時に婚約なんてしても全く意味がない……あの時しておけば、なんて全く思わない、けれど……少しドキドキした。これがいつものリンダだったらどんなに嬉しいだろうって。


「リオン様、こんにちは」

「イェレンさん……こんにちは」


珍しいな、一人なの。いつもリンダといるのに。


「……リンダはどうしたの??」

「リンダ様は、あの、お、お友達に呼び止められていました!!」

「イェレンさん……隠し事下手だね……男、かぁ……告白かな??」

「そう……かと……思います」

「どうせリンダは何も考えず着いて行ったんでしょ……危ないからやめなって言わなきゃ……もう」

「はい、そうですね……」

「ま、リンダは強いから大丈夫って自分で思ってるかもしれないけれど……どうしようもない事が起こったらどうする気なんだろう……ねぇ??」

「そんな事が起これば私が全ての魔力を使い消し炭にしてさしあげます」


 ニコッと笑ってとんでもない事言った。大人しい子だと思っていたけれど案外怖いんだな、リンダの事となると。


「君、イェレンさんさ、リンダの事……好きなの??」

「……それは友人として、という事でしょうか」

「それならわざわざ……聞かないよ……」

「ですよね、私はリンダ様の事お慕いしておりますし……男性には負けたくないですね」


 またニコニコ笑っている。こっわ。


「あっ、もう終わっているかもしれないのでリンダ様を迎えに行ってきます。失礼します」

「……うん。また」


 イェレンさんは嬉しそうにリンダの元へ走って行った。イェレンさん、アレは本気だな……どうしよう……ライバル、多いんだよねホント……それでも……一番リンダを愛しているのは僕でしょ……。


「おう、何やってんだこんな所でリオン」

「エヴァン……僕は別に何もやってないけど……」


 ここにいたら次々人が来るの何なんだろう……どうせならリンダに会いたい。


「またどうせリンダの事考えていたんだろ」

「まぁ、間違ってはいないけど……」

「俺もさ、どうやったらリンダが振り向いてくれるのか悩んでるんだけど」

「……それ……僕に訊く??」

「リオンが一番分かりそうだから」

「それってさ……僕が一番リンダを愛しているからって言ってるのと同じじゃない……」

「はははっ!! そういう事かもな」

「リンダの情報、そんな簡単に渡すわけないでしょ……」

「それもそうか」


 エヴァン……頭はいいのに馬鹿なんだよね。第一王子なのに大丈夫なのこの人。余計なお世話だけれどちょっと心配になるよ。


「じゃあ行くわ。今日は生徒会の仕事が多いんだよ、リオンも早く来いよ」

「僕は今日は仕事ない……じゃあまたねー」


 この流れだと……


「よっ!! リオン」


 やっぱりデレル……。何なの。


「うん、デレルどうしたの」

「いや、別にたまたまリオンを見つけたから声を掛けただけだ」

「デレルさ、リンダがさっき男に告白されてたって言ったらどう思う??」

「えっ!? されていたのか!?」

「見てはないけど……たぶん。イェレンさんに聞いたから」

「そ、そそ、それはアレだな、えっと……受けたりしないよな??」

「リンダだからね、そこは心配してないよ、僕は……」

「ちょっと探してくる」

「え、そうなの?? 行ってらっしゃい……」


 デレルって僕等の中では一番素直で子どもなんだよね。分かりやすいし。まぁ別に話す事もないし一人でボーっとしている方が――取り消し。


「やぁ、リンダ……」

「リオン様!! ここって風が気持ちよくていい場所ですよね」


 ああ、可愛い。しかもリンダもここがお気に入りなのかな……。


「イェレンさんが迎えに行かなかった??」

「ええ、来ましたけど私今日は生徒会のお仕事ないんです。だからここに」

「……僕も、ないんだ」


 運命的。


「隣、座る……??」

「いいんですか!? ありがとうございます」

「今日は特にいい風だよ。凄くぼんやりできる」

「いいですね。リオン様もここが好きなんですね」

「……うん。好きだよ」

「リオン様らしい場所ですね」

「ねぇリンダ……さっき告白とかされた??」

「えっ!? み、見ていたんですか!?」


 見てないけれど……これは間違いない。


「お断りさせてもらったんですけどね、へへっ」


 セーフー。


「私の何がいいんでしょうね、分かりません」

「全部、リンダの全てが魅力的だよ……」

「うっ、ううう……何言いだすんですかリオン様ぁ!!」


 真っ赤になったリンダはずっとずっと見ていても飽きないだろうな。


「またオモチャとして私で遊んで……」


 何かブツブツ言っている。本当に面白い、そして愛おしい。あーあ、どうしてこんなに好きになっちゃったんだろうなー。

読んで下さりありがとうございます。

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