40.リンダ・アッカーと魔獣②
先生達が前を走り、私達三人は後ろを着いて行く。
「はぁっ、はぁっ、はー」
私、走るの苦手なのよね!! 皆知らないと思うけれど。どうして皆は息切れもせずずっと走っていられるのかしら。不思議で仕方ないわ。ま、魔力でどうにかしているとか?? 皆すっごくムッキムキとか?? ミントも脱げば凄いんです的な。ないない、でも私の体力がなさすぎるのは問題だわ。筋トレでも始めようかしら……殺されるとき格闘技とか出来たら逃げられるかもしれないし……うん、いい。今日寝る前から始めよう……ん?? ハッ!! これって『この戦いが終わったら』みたいな死亡フラグなのでは!? ダーメ―よー、自分でそんなフラグ立ててどうするのよ!! まるで前世のホラー映画。そんなアホみたいな事を考えていたら先生たちが木の陰に身を潜めた、続いて私達も。
「いましたね」
「ああ、暗くてよく見えないがアレで間違いないだろう」
「君達」
「はい!!」
「まずは私達がいくからもし応援が必要だと感じたら出て来て一緒に攻撃してくれないか??」
「分かりました」
ジュダス先輩が答えている。先生達だけでなんとかなる可能性もあるって事か……。私とミントは目を合わせてから頷く。
「行くぞ!!」
一人の先生の掛け声で一斉に先生達が魔獣らしきものの元へ走る。先生達だけで倒せますように。だってミントが怪我なんかしたら嫌だものね。ジュダス会長が判断を下すから先生達と魔獣を目を凝らして静かに見ている。
「ジュダス会長、ありがとうございます」
「一応先輩だからね、ははっ。大丈夫、君達はなるべく危険にならないようにするからね」
「いいえ、ジュダス会長。皆で戦った方が早く終わります!! 私達も覚悟を決めてここにいるんです、ね、ミント」
「そうか……君達は強いんだな、期待している」
「お任せ下さい!!」
「私もお役に立てるよう頑張ります」
そんな話をしてる間もドッカンドッカン戦いの音が響いていた。やっぱり探していた魔獣で間違いなさそうね。
「もう五分を過ぎたな……先生達が魔獣に五分以上かかる事は滅多にない。行くぞ、大丈夫か??」
「もちろん」
「行きましょう」
「よし、じゃあ行こう」
ジュダスのその言葉で私達は先生と魔獣の元へ走る。また……走る……本当に体力つけないとまずいわ~!!
「ジュダス会長!! 魔獣が見えてきました」
「ああ、そうだな、先生があまり近付きすぎるなと言っていた。ここからなら魔法は届きそうか??」
「私は大丈夫ですわ」
「私もこの距離なら大丈夫です」
「俺もいける。ではここから攻撃を……」
ジュダスも先生と同じ、もしくは上回っている魔法の力を持っている。会長だけでやっつけられるかもしれないわよね!! いや、それは無理があるか……やっぱり私もやらなくちゃな……。
「風よ!!」
「光よ!!」
二人の魔法が魔獣に直撃して魔獣がふらついた、やった、少しでも弱らせれば先生達もやりやすくなる。私も、よし!!
「闇よ!!」
まずは普通に闇魔法だけでいいわよね……魔獣はこれも効いたらしくさらにふらつきだした、よし。あとは先生だけでも……え……なんか!! 魔獣の様子がおかしい。これは……危機的になったら強くなるやつ!! アニメでもよく見たわ~。あはは、あはは、いや笑っている場合ではないのだけれど。
「もーーー!! 仕方ないわね!! ぶっ倒してやる……」
「リンダ様、アレは……」
「アッカーさん、無理しないで下さいよ」
「大丈夫ですわ。先生達!! 少し離れて下さいーーー!!」
「アッカーさん!! 分かりました、離れましょう皆さん」
よし!!
「光よ風よ炎よ氷よ水よ闇よ……顕現せよ!!」
暗闇に光り輝く虹色が魔獣を貫いた。そのまま倒れ込んだ魔獣は砂となって消えていく。
「アッカーさん……なんて……美しい……何だいその虹色に光る瞳と髪は。思わず見惚れてしまったよ」
「リンダ様、やっぱりお美しい、本当に綺麗です」
「ああ、ジュダス会長は見るの初めてですよね、なんだかこうなっちゃうんですよ」
「こんなに綺麗な人……いえ、人間離れした美しさです。女神、聖女、天使……何に例えたらいいのかも僕には分かりません」
そんな大袈裟な……。
「リンダ義姉さん」
「うぇ!? どうしてエイジがいるの??」
「リンダ……」
「すまない」
「おう、やったじゃね-か」
「皆いるじゃない!!」
「ごめんなさい。結構離れていたんだけれどリンダ義姉さんの虹色のが見えて凄く綺麗だったしかっこよかったから会いたくなっちゃって……来ちゃった」
来ちゃった、じゃないわよ。可愛い。
「もう、エイジ危ないじゃない。仕方ないわねー」
「君達!! 危ないから来ちゃ駄目じゃないか」
ああ、先生達に見つかってしまったじゃない……叱られるわね。
「これが……あの綺麗な魔法を放った後の……アッカーさん……」
「とても綺麗ですわね」
「どこか痛いとか、気分が悪いとかはないのかい?? 大丈夫かい?? しかし……本当に美しいですな」
「私も初めて見た時は目を疑いました」
「ええ、先生。私は大丈夫です、ご心配かけてすみません」
「謝る事はない、君のお陰で魔獣を倒せたよ。本当にありがとう」
私に夢中で勝手に来た皆はお咎めなしのようですね、まぁ良かったのかしら。ふふっ。




