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35.高熱と記憶喪失④

「では二人一組になって下さい」


 先生の言葉に思わずヨシ!! と拳を握った。たまに四人一組とかの時もあるみたいだったので少し安心した……じゃあ僕はリンダに声を掛けるだけだ……。うん、誰にも声を掛けられている様子はないね。


「……リンダ、組もう……」

「あらリオン様、どうぞよろしくお願いします」


 ああ、調子が狂う……僕がリンダを好きな気持ちは変わらない……きっと皆そうだろう、だから今回も協力してくれている訳だし。でもこの貴族令嬢らしい笑顔が本当に慣れない……。


「……行こうか」

「はい、リオン様」

「リンダってさー……記憶なくしている部分ってどうなの??」

「どう、とは??」

「いや、全く覚えていないのかうっすら覚えているとか……勉強とかは分かっているでしょ?? どうなのかなって思ってさ……」

「そうですね、何も覚えていませんの。勉強は勝手に出来るって感じですわね」

「……そう、魔法は……リンダは闇魔法だっけ??」


 忘れたふりしてとぼけて訊いてみる。


「そうですわ、私の魔法は闇です。リオン様は氷ですわよね??」

「そう……だね」


 昔、全属性の魔法を出した時リンダは無意識だったと、突然の事だったようだとエイジから聞いている。なのでもし今も使えるなら無意識に出るはずだ。きっと前のリンダにしか使えない魔法……。全……属性?? まるで僕等の魔法だな……でもリンダに向けて魔法を放つ訳にもいかないし、それなら闇魔法がない。リンダがそうなんだから……。


「リオン様??」

「……何、どうしたの……」

「私……魔法が強かったんですか??」

「どうしてそんな事……」


 誰から聞いたんだ……。


「……うん、闇魔法ね、強かったよ」


 全属性の事を覚えているのかな……。


「そうですか。私、一人では魔獣も倒せないんですの、なのに魔法が強力だと思われているようで……」


 え……そんなに弱いの??

 全属性が使えてあれほどまでに魔法が強かったリンダ……もしかして『誰かの為』という魔法の一番大切な気持ちを持っていたから?? ……単純だけれどそんな簡単な事じゃない……本気で誰かの為に動いたり考えたりするのは実はとても難しい事だ……。やっぱり……リンダは凄い……。


「あらリオン様そんなにお優しい顔をするのですね」


 訝しげに僕を見る目は僕の中のリンダをまた壊す。


「……そうかな、いつもどんな顔してるの……」

「魔法と同じ氷のような表情をしていましたわ」

「そう……」


 そんな事リンダに言われた事ない……。リンダはいつも太陽のような笑顔で僕を見てくれていた。バラを毎日持ってくるなとかいろいろ言われたけれど全部優しい表情をしていた。それがまた可愛くて……。


「それより気になっていたのですが」

「……なに……」

「どうしてそんな安っぽいアクセサリーを王子がしていらっしゃるんですか??」

「…………」

「リオン様??」

「それ以上言うと許さない」

「何を怒っていらっしゃるんですか??」


 相手はリンダだから必死で怒りを抑えた。あまりにも腹が立って腹が立ってこの怒りをどうしたらいいのか分からない。昔から僕は怒らない性格だから……エネルギーの無駄だと思って生きてきた……なのになんだこの心が燃えるように湧き上がってくる怒りは……。そんな時だった……今、貶された耳飾りが光りだしたのだ、何だ……


「おい、俺のループタイが光っている」

「私の指輪も!!」

「皆、光ってる……何でしょうこれ!?」

「おい、まさかこれ……」

「……うん、その可能性はある、皆リンダを囲んで光を当てるんだ」

「何なんですの!? あなた達どこからっ!!」

「早く!!」


 僕等は何が起こっているのか訳が分からないといった様子のリンダを取り囲み光をリンダへ向けた。やっぱり皆、リンダに貰った物……ずっと持っているんだね……。でもコレ……全然意味なかったらエイジやイェレンさんが危ないな……お願いリンダ、戻って来て……。


「眩しいですわ!! やめて下さい!!」


 やっぱり、駄目なのかな……じゃあどうして突然光りだしたのか分からない。僕のも皆のも光る物ではない。僕の怒りから……?? 全然分からない。


「ううっ、うっ……」

「おい、リンダが苦しそうだぞ!!」

「リンダ様!!」

「……やめないで、やめないで皆」

「リオン様……僕もこのままにした方がいい気がします!!」

「……エイジ、ありがとう」


 しばらく苦しそうにしていたリンダが突然倒れてしまった。間違った事をしてしまったのかもしれないという不安が皆からも感じる。


「……とりあえず僕が医務室まで運ぶよ……」

「私も行きます」

「ミント、授業サボるのか?? まぁ俺も行くけどな」

「俺も行く」

「当然僕も行きますよ!!」

「リンダの傍にいて何も変わってなくても落ち込まないでね……」

「お前が一番ショック受けそうだけど」

「エヴァン、うるさい」

「でも……あの光、何だったんですかね」

「エイジにも分からないか」

「あんなの……誰も分からないでしょ……とにかく早く寝かせてあげよう」

「リンダねえさ……リンダ様、熱はないみたいですね」


 リンダがどうなるのか……不安の中、皆で見守る事にした。

読んで下さりありがとうございます。

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