表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
34/43

34.高熱と記憶喪失③

 あれから一週間……リンダは戻らないし周りの生徒たちにも高圧的な態度をとるようになった。イェレンさんは近付けないし義弟のエイジもあまり近付くと虫けらでも見るような目で見られる……あんなリンダ、見た事ない。変わってから見た事のない表情をたくさん見る、リンダはずっと笑っていて皆に優しくてたまに泣いたり怒ったり……でも今のリンダの怒るとは全然意味が違う。前は誰かの為に怒る人だった、自分の事は後回しにして……それが心配だった事もあるけれど今みたいになるのを望んでいた訳ではない。


「リオン」

「……何、エヴァン」

「大丈夫か」

「……大丈夫、な訳ない……リンダに会いたい」

「俺も会いてーな」

「俺も同じだリオン、デレル」

「……エイジも……イェレンさんも、心配」

「そうだな、生徒会でも全くしゃべらなくなってしまったな」

「リンダがいるからな、アイツが睨みつけるから話せないんだろ」

「生徒会に平民がいるなんて、とか言ってミントを追い出そうとしたしな」

「アイツ……リオンの言う通りおかしくなった訳じゃなく元に戻ったのか?? それならもう諦めるのか??」

「……僕は、絶対諦めない……」

「おそらくエイジもミントも諦めてはないだろうな」


 諦めない、そうは言っても何をどうすればいいのかなんて全く分からない。エイジに聞いた、出会ってすぐにリンダが高熱を出し、そこから何かが変わってこの間までのリンダだったと……そして今回もまた高熱によって変わってしまった、おそらく戻ってしまったと。リンダには悪いけれどまた高熱をだすしかないのかな……。でもどうやって?? それに二度とも原因不明だ。あと不思議なのが今のリンダに訊いてみたら闇魔法しか使えないと言うのだ……謎すぎる……。学園生活とか、十一歳の後からの記憶はないみたいだけれど支障はないくらいには勉強も出来ているし魔法も使えている……記憶はなくてもやってきた事は身に沁みついているって感じだ。性格以外は。


「……僕等が近付いたらエイジもイェレンさんもリンダに酷い目に合わせられるから……全然話せなくなっちゃったね……」

「ああ、リンダがいないか確認して……じゃないとな」

「何で話すだけでこんなに気を遣わなきゃなんないんだよ!!」

「……まぁ、ね」


「ごきげんよう、エヴァン様、デレル様、リオン様」

「あ……リンダ……ごきげんよう」


 よくないよ。


「おう」

「ああ」


 エヴァンもデレルも分かりやすよね。なんてやる気のなさ……。それにしても噂をすれば、だね。


「私、聞きましたの、リオン様私に婚約を申し込んでくれていたのですわよね??」

「……え、いや、そんな事はないよ……」

「え……そんなはずは」

「僕がリンダに婚約を申し込むなんて事はない……」


 今のリンダには……。まずい、別に隠すことでもないと思って自由にやっていたのがこんな所で厄介な事になってしまっているじゃないか……。


「私、リオン様の婚約のお申込み受けますわよ」

「や、いい。というか申し込んでない」


 きっぱり言ってもまだ不満そうな、意味が分からないといった表情だ。


「まぁいいですわ。もしかしてご自分からまた申し込みたい、という事ですのね」


 全然違う。なんだこのリンダ。本当におかしいよね……分かっていた事だけれど……。なんかエヴァンとデレル、ちょっと笑いを堪えている感じなの、腹立つー……。


「ではお待ちしておりますわ」


 リンダは笑顔で去って行ったけれど……あんなに可愛かった笑顔も今は全然違う。皆に元気を与えるような、そんな笑顔だった。今は……なんだろう、腹の探り合いをしている貴族たちのような、いや、そのままかな。あ……そういえば――


「今日って魔獣狩りの授業だよね……」

「あ、ホントだな」

「前はリンダの力でなんとかなったけれど今日は……」

「……あんな魔獣、滅多に出るもんじゃないでしょ……」

「それもそうだよな」

「誰が、リンダと組むんだ??」

「クラスメイトも今はリンダと距離を置いているしな」

「……僕が、組むよ」

「お前さっきあんな事言われたのにまた勘違いさせるぞ」

「やめといた方がいいんじゃねーの」

「……違うんだ、もしかしたらって希望が……馬鹿みたいかもしれないけれど……何がきっかけで戻るか分からないからさ……」

「じゃあ俺達も隠れて着いて行く」

「そうだな、エイジとミントは隠れてないといけないからな」

「……うん、僕、皆とならリンダを前みたいに戻せるんじゃないかって思うんだ……だから、助かる」


 もうすぐ授業が始まる、始まる前に伝えておかないと……。エヴァンとデレルも一緒にエイジとミントを探してやっと見つけたので今日の事を伝える。


「……って事なんだけれど、リンダに見つかると何されるか分かんないし、任せるよ……」

「もちろんお前達は俺達が守るけれど、怖かったら無理すんな」

「リンダ様があのままでいいと私は思いません。リンダ様の為にも、なので協力します」

「僕も、もちろん協力します」


 何となくだけれどリンダを戻すには皆が揃わないと駄目な気がするから良かった。僕のこういう勘は、当たる。

読んで下さりありがとうございます。

よろしければ☆やリアクションやブクマお願いします。

モチベーションが上がりとても喜びます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ