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32.高熱と記憶喪失①

「リンダ義姉さん」

「あ……エイ……ジ……」


 振り返ったリンダ義姉さんは顔が真っ赤で声もかすれていた。目の焦点も合っていないように見える。


「どうしたのリン――」


 その瞬間リンダ義姉さんは倒れてしまった。僕の前で、僕は気付いていたのに支えてあげられなかった。頭でも打っていたらと思うとどうしようもない後悔が押し寄せてきた。


「おい、エイジどうした!?」

「……リンダ?? どうしたのリンダ」

「エイジ、リンダすげー熱じゃねえか。早く医務室連れて行くぞ」

「光魔法は治癒も出来ます、なので試しても??」

「お願いします、イェレンさん!!」

「では……光よ……」


 リンダ義姉さんを光が包み込む。治って、お願いだよ。


「あ……駄目です。普通の熱とは違う可能性が……」

「じゃあやっぱり医務室へ連れて行こう」

「……リンダ、リンダ……」


 エヴァン様がリンダ義姉さんを抱き上げて隣からリオン様がリンダ義姉さんの手を握っている。


「こんなに熱いなんてやばくねーか」

「……手も、熱すぎる……」

「そもそも普通の熱じゃないって、何なんでしょうか」

「それは私にも分かりません。すみません」

「ミントが謝る事じゃねーだろ」


 確かにイェレンさんのせいじゃない。僕には何も出来ない、治そうとしてくれた事だけでも感謝している。リンダ義姉さん……


「エイジ、きっと大丈夫だ。顔色が悪いぞ、お前まで倒れるなよ。リンダが起きた時悲しむ」

「あ……そうですね。ありがとうございますエヴァン様」


 医務室に着くと先生がいなかったのでイェレンさんが呼びに行ってくれている間にリオン様が氷魔法で氷を出し、ハンカチで包んでリンダ義姉さんのおでこに乗せてくれた……すぐに溶け始める氷にリオン様も心配そうだ。


「……こんなの、おかしい……」

「そうだな、流石におかしい」

「おい、リンダは普通じゃねぇ魔力だろ。もしかしたらソレ、関係あるんじゃないのか??」

「あ……そうかもしれませんね。でもそうだとしたら何をすれば治るのか……」

「先生、来ました!!」

「ありがとうミント、先生」


 先生がリンダ義姉さんの様子を見る為、僕等は部屋の外で待っている事になった。皆とても心配しているよ、リンダ義姉さん。せめて目を覚まして……。

 しばらく経つとドアが開き先生が出てきた。


「先生、リンダ義姉さんは!? 大丈夫なんですか!?」

「先生……」

「んー、原因が分からないけれど氷で冷やしてくれたお陰かな、熱はすぐに引くと思うよ。ただ確実に、ではないからしばらく様子見だね」

「私、見ています」

「僕も、リンダ義姉さんを放っておくなんて出来ない」

「俺もいるわ」

「俺もお前達と一緒にリンダの傍にいる」

「……僕は、当然……」

「じゃあお願いするよ。また来るから体調に変化がありそうだったら呼んでくれるかい??」


 はい、と返事をして皆でリンダ義姉さんのベッドの傍へ。やっぱりまだ苦しそうだ。


「……リンダ義姉さん……」


 手を握ると先生の言っていた通りほんの少しだけれど熱が引いてきている気がした。でも”気がした”程度だけれど……。そうだといいなって気持ちがそう思わせているのかもしれないし。


「はぁ、はぁ、んうっ……」

「リンダ義姉さん!!」

「リンダ様が」

「おい、大丈夫か」

「まだ熱はあるが目を覚ましてくれると少しは安心だな」

「……リンダ、頑張って……リンダがいないと寂しいよ」


 苦しそうな息を吐いてからリンダ義姉さんがゆっくり瞼を上げる。


「あなた達……誰なの……」


良かった……。そう思った時だった。リンダ義姉さんが発した言葉に皆が固まる。


「リンダ……義姉さん……」

「ねえさん?? 誰」

「義弟のエイジだよ」

「エイジ……ああ……馴れ馴れしく義姉さんだなんて呼ばないでよ……コホッ、コホコホ」

「え……」

「大丈夫ですか、リンダ様」

「はぁ?? だから誰なのって言っているのだけれど」

「私はミント・イェレンです、リンダ様」

「どうしてあなた達はそんなに馴れ馴れしいの」

「どうしたんだリンダ、皆心配しているんだぞ!!」

「あなた達は……エヴァン様、デレル様、リオン様……ですの?? どうして……え……ここってどこですの??」

「……学園」

「がく……えん……今、何歳ですか!?」


 ハッと目を大きく開けて驚いた声を上げる今までとは全然違うリンダ義姉さん……。


「何言ってんだ、十五だろ、リンダはもう十六か。リンダ、記憶が……ないのか??」

「うそ……私、十一だったはずじゃあ」


 十一という数字にイェレンさん以外の皆の肩がぴくりと動く。


「……前の……リンダだ……絶対そうだよね……」


 そんな……やっぱり僕の勘は当たっていたって事?? 僕と出会った初めての日は今までのリンダ義姉さんと、やっぱり違うかったんだ。あの時感じた寒気、恐怖、今もまた感じている。


「ミント・イェレンと言ったわね。見た事ないけれどどこの御令嬢かしら」

「私は平民です……あの、リン――」

「はぁ?? 平民が何故私の名前を呼ぶの?? こんな所にいるの?? 気持ち悪い」


 ただの記憶喪失じゃない……それとも今までのリンダ義姉さんがおかしかったの……どうしよう、ショックで何も言えない。

読んで下さりありがとうございます。


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