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30.街へ、再び

「……あーーー、リンダに会いたかった」

「たった一日でも会えないと寂しいもんだな」

「毎日会っているからだろうな」

「リンダ様っ、お会いしたかったですっ!!」

「今日のお休みは皆一緒で嬉しいわ。さーて、街へ遊びに出かけましょう」


 今日はお休み二日目、もともと昨日はエイジ以外用事があったから皆が二日目は絶対に会いたい、とか言いだしたからこうなっているのよね。まあ私もそろそろ街へ遊びに行きたかったからちょうど良かったんだけれど。


「……君はいいよね、エイジ……昨日一日独り占めしていたんでしょう」

「うっ……それは……」

「そうなのか?? なのに俺達に落ち着けと」

「エイジ、お前変な事してないだろうな」

「変な事ってなんですかっ!?」

「エイジ様、昨日は何を??」


 何だか今度はエイジが囲まれている。何故なのだろう。


「おい、そろそろ行くぞ」

「はい、エヴァン様も何気に楽しみにしていますよね」

「なっ!? そんな事は」

「……何気にエヴァンは街好き、だよね。それともリンダと一緒だから、かな……」

「俺はリンダと一緒だから楽しみだぜ」

「デレル様って意外と素直ですよね」

「私もリンダ様とご一緒出来てとっても嬉しいです」

「ミント~!! 可愛い!!」


 ミントは私をオモチャだなんて思っていないのにこんなに慕ってくれて本当に嬉しいわ。


「じゃあ馬車は私とエイジとミントね、王子様方はそちらで」


 なんだか少し不服そうな王子様方だったけれど今回は喧嘩にならずに済んだ……やっぱりミントがいるからそんな喧嘩をしている時間がもったいないと思ってくれたのかもしれないわね。

 そんなスムーズに出発できたので街へ着くのも早かった。私も久しぶりだわ。


「ミントはこの街初めて??」

「はい!! 凄く活気がありますね」

「私、行きたい所があるんだけれど皆付き合ってくれない??」

「当然です、リンダ様」

「ああ、いいぞ」

「リンダ義姉さんに任せるよ」

「……リンダの行きたい所が、僕の行きたい所」

「はいっ、皆さんありがとうございます」


 私が歩くと皆ぞろぞろ着いて来る、当たり前だけれど……。何だかカルガモの親子みたい。


「ふふっ」

「何を笑っているんだ?? リンダ」

「何だか鳥みたいだなーと」

「鳥ぃ!? 何言ってんだお前」

「な、何でもないです」


 怒らせたら怖いしそれ以上は黙っている事にした。


「あっ、あそこのお店です!! 行きましょう」

「わぁ、綺麗な石とか売っているのですね、リンダ様」

「ミントに似合う石もあるかもしれないわね」

「あれば嬉しいです」

「そうね!! あ、クート!! 久しぶり」

「男だ」

「男だな」

「男ですね」

「……リンダ、浮気……」

「皆なんなんですか!? それにリオン様と私は何でもないはずです!! お友達でしょう」


 皆のクートを見る目が怖いんだけれど……ミント以外。


「彼はクートです。あ、デレル様のソレ、クートに作り方教えてもらったんですよ」


 デレルが腕にはめている腕飾りを指差して説明した。


「そうなのか、ありがとうな。俺はデレルだ」

「うっす」


 私が公爵家の者だとは言っていないし皆の身分も明かしていないのでクートは軽い挨拶をした。怒ったらどうしようかと思ったけれど皆ちゃんと事情を察してくれたようで普通に挨拶を返してくれた。


「リンダ、誰」

「お友達なの」


 皆もそれぞれ自己紹介してくれてクートも「よろしく」と言ってくれ、お友達になった!! と、私は思っている。皆仲良しが楽しいものね。


「あら、クート、この指輪とっても綺麗ね」

「ああ、それは今日入ったばかりだ」


 綺麗だわ~……まるで透き通ったはちみつみたいな……ミントの瞳の色……。


「じゃあコレもらえる??」

「おう、いつもありがとな」

「綺麗な物がたくさんあるんだもの。クートのお店」


 そういえばクートは店番だと思っていたけれど幼い頃から自分で店を出していたらしい。本当に凄い、だから私はクートを尊敬している。


「ミント」

「はい、リンダ様」

「コレ、受け取ってくれる??」

「え……そんなっ!! 駄目です」

「ミントの瞳の色でとても綺麗だから……駄目、かしら」


 受け取ってくれると嬉しいけれど無理にとは言えないわよね。


「コイツは仲良くなると相手の瞳の色の物贈るのが好きなんだよ」

「ああ、恋仲じゃなくてもな」

「……僕の耳飾りも、リンダがくれた物。ふふっ」

「リンダ義姉さんは本当に何も考えてなくて……すみませんイェレンさん。リンダ義姉さんの気持ちなので」

「ちょっ、エイジったらー!! ちゃんと考えているわ。ミントの事を!!」

「ね?? だから良かったら」


 遠慮しているミントに受けとってもらえるように皆がフォローしてくれる。


「無理はしないでね?? でも、ミントが嫌じゃなければ」

「あ、りがとうございます……ありがとうございます……うっ」


 泣いた!?


「そんなに嫌だった!? ごめんなさい!!」


 焦ってミントの周りをグルグル回って謝罪していたら「違うんです」とミントは首を振った。


「何が」

「嬉しくて、本当に、心から嬉しくて。こんなに綺麗な色を私の瞳の色だと言ってくれただけでも嬉しいのに……まさか贈って下さるなんて。本当に嬉しいです!!」


 ミントがこんな笑顔を見せてくれるなんて私の方こそ「ありがとう」だわ。

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