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28.新入生歓迎ダンスパーティー②

「さぁ、着いた……」

「何だかいつもの学園と全然違いますね」

「……そうだね、今日は楽しもうよ……」

「えっ、はい。そうですね」


 何だか意外だった。リオンの口から『楽しもう』なんて言葉が出てくるなんて……。


「おう、リンダ、リオン」


 馬車から降りるとエヴァンがまるで待っていたかのようなタイミングで現れた。


「やっと来たのか」


 デレルまで……本当に何なのこの人達……突っ込まないわよ。もうかなり前からそう思っている『突っ込んだら負け』だと。それでもたまに突っ込まさせられるからもう本当に訳が分からない人達、私はずっとそう思っている。


「お二人のお相手は……??」

「いない」

「おう、いないな」

「お、王子様がお相手がいないままダンスパーティーに参加出来るのですか!?」

「まぁ、いいんじゃねーの」

「デレル様……テキトーですわね」


 本当にこの人達は……。


「リンダ様!!」

「ミントー!! ミントはお相手見つかったの??」

「いえ、私は一人です」


 だから何故!? ここはミントの取り合いになってもおかしくないのでは……?? 分からない、もう私には何も分からない。


「リンダ……行こう」

「はい、リオン様」


 ハッとして笑顔を作りリオンの手を取った。


「じゃあエヴァン様、デレル様、ミント、会場でね」

「ああ」

「おう」

「はいっリンダ様」


 可愛い。こんなに可愛いミントに相手がいないなんて……もしかして可愛くて綺麗でいい娘すぎて誰も声を掛けられないのかしら!? それなら納得だわ。エイジも声を掛けにくかったのかもしれないわね。ああ、せっかく私はリオン様をパートナーに選んだというのに。


「リンダ」

「はい??」

「……何かおかしな事考えている顔……」

「そっ、そんな事は!! 断じて!!」

「そう……ふふっ、そういえばケーキもたくさんあるよね、パーティーだもんね……」

「ケーキ!! 楽しみですわっ」

「リンダは、本当にケーキが好きだね……」

「はい!! リオン様の好きなものはなんですか」

「うーん……リンダ??」

「えっ??」

「リンダが、好き、かな……」

「ちっ、ちが、私は食べ物のお話を!!」


 いや、違うそうじゃない、そこは問題ではない。何を言い出すのよリオンはーーー!! こんな遊ばれ方されると心臓がもたないじゃない。そりゃあ、昔からリオンはこんな感じだったけれど随分と大人になっているリオンに言われると子どもの頃より破壊力が!! 私の心が!!


「んんっ、リオン様、食べ物のお話ですわ」

「……食べ物……特に、考えた事ない……でも、苦い野菜は苦手」

「え?? え、ぷっ、クスクス……」

「……何笑っているの」


 リオンが少しむくれた顔をした。


「すみません。何だか可愛らしくって、ふふっ」

「……リンダがそう言ってくれるなら……でも、笑いすぎ……」

「すみません。リオン様っ!!」

「元気だね、リンダ」

「面白かったので元気になりました」

「……そ、そう……良かったね……」


 今度は嬉しそうな顔して、今日のリオンは本当に表情豊かね。

 会場に着いた私達はもう始まっている皆のダンスを見ていた。リオンとはダンスの相性良いのよね、ただ一番合うのはデレル。エヴァンのリードは何だか難しいのよね。エイジとは息ぴったりに踊れるわ。


「リンダ、僕と踊って下さい……」

「はい」


 リオンと手を取り合ってダンスが始まる。うん、やっぱり踊りやすいわ。リオンが私に合わせてくれているのかしら?? リオンとエイジはそんな感じよね。デレルとは素のままだけれど楽しく踊れている気がするわ。


「リンダ……他の男の事を……」

「えっ」

「今は……僕だけを見てよ」

「ええ!? あ、はい」

「うん……良い子」


 なっ!? なんだか恥ずかしいわ。こんな風になっちゃうから面白くてオモチャにされているのかしら。だって仕方ないじゃない……クールでなんていられないもの。確かリオンが言っていたようにエイジにも言われたことあったなー……『全部顔に出る』って。そんなもの簡単になおらないわよ。きっと今もリオンには私の心の中が!! もう~っ!!

 一曲ダンスが終わるとリオンが飲み物を持ってきてくれた、優しいじゃない……リオンってこんな事出来るのね……。


「……何だかまた失礼な事考えているよね、リンダ」

「かっ、考えていませんわ!!」


 焦って声が裏返る。


「クスッ、クスクス」


 笑われてるー……。リオンは人の事をよく見ていると思う、でもきっとそれだけじゃない、私は前世でも『顔に出てるよ~』なんてよく言われていた。


「リンダ、俺ともダンスを」

「エヴァン様」

「……駄目、リンダは今日はずっと僕の傍にいるの」

「何だよ、いいじゃないか一曲くらい」

「俺もリンダにダンスを申し込みに来たんだが。駄目なのか」

「デレルも……駄目だってば」

「リンダ義姉さん!!」

「……駄目だって」

「まだ何も言っていません、リオン様」

「リンダ様!!」

「ミントー!!」

「まぁ、イェレンさんなら、ちょっとくらい……」

「女性だからと気を抜いていると知らないぞ」

「どういう意味……エヴァン」

「何もないよ。そのまま、そのままの意味だ」


 一体何の話をしているんだか……このまま楽しいダンスパーティーは終わっていく。疲れたけれど、うん、楽しかったわね。結局エヴァン様、デレル様、エイジとも一曲ずつ踊った、リオンは不服そうだったけれど私には自由にして欲しいからって、最終的には「行ってきなよ」と言ってくれた。別に私は皆とダンスしたかった訳じゃあないんだけれど……。まぁ今日は、いい日だったわね。

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