24.授業と魔獣と魔法②
「おい、お前何する気だ!?」
「リンダ、アレは危ないぞ!!」
「……授業で出てくるレベルじゃないね……リンダ、やめて……」
「リンダ……様!!」
「皆さん……きっと大丈夫です、リンダ義姉さんは」
「どういう事だ!?」
「エヴァン様も皆さんも落ち着いて下さい。私が……ぶっ倒してみせますわ!! ビックリしないで下さいね、ふふっ」
怖がられてしまってこれからお友達ではいられなくなるかもしれない……でも、皆を助けたいの!!
「光よ風よ炎よ氷よ……」
「おいアイツ何言っているんだ!?」
「……リンダは……闇属性じゃ、ないの」
「わかんねぇ、本当に大丈夫なのか??」
「リンダ義姉さんを信じて下さい」
「水よ闇よ……顕現せよ!!」
私の手の平から放たれる虹色の魔法、皆の魔法を合わせて放ってもここまでの威力はでない。だって私はずっと魔法の練習をしてきたんだもの。とっくに三年生以上のレベルになっている。魔獣は酷い声をあげてから倒れ、また砂のようにさらさらと消えていった。
「ふぅ……」
皆を振り返るとやっぱり驚愕の表情で私を見ている。
「そりゃぁ……そう、よね……」
「リンダ義姉さん!! 髪もきらきら光ってる!! 前は瞳だけだったのに」
「そうなの?? 強くなったことと関係あるのかしら」
「……なんて、キレイ……リンダ、本当に綺麗。かっこいい」
「お前今の何なんだよ!? なんだその魔法は!? 聞きたい事がありすぎる!!」
「単純にすっげー。教えて欲しいぜ」
「リンダ様……なんてお美しい……瞳も、髪も、魔法も……」
「え、皆怖くないの??」
「……怖いなんて、あるわけない。本当にリンダは凄い」
「ああ!! リオンの言う通りだ、驚いたが怖いなんて思う訳がないだろう」
「単純にすげーとしか」
「リンダ様は私達を助けてくれました。おそらく……隠していらっしゃったのでしょう?? そのお心も含めてリンダ様は素敵な人です!! 怖いなんて、ありえません」
「皆、ありがとう……」
嬉しい。良かった!! 皆本当に良い人達だわ。
「あのー、それで皆に相談なんですけれど……」
「……当然、秘密」
「ああ、誰にも言わないと約束しよう」
「口は堅い方だぜ」
デレルはなんか信じられないわね、悪気なく話しそう。
「私ももちろん、リンダ様がお隠しになっている事を広めようなんて思いません」
「僕は、信じてくれるよね。今更だもん」
「そうね!! 皆、ありがとう」
秘密も守ってくれてお友達でもいてくれるなんて、本当に嬉しい。
「でもリンダ、お前そんな事出来るって言えば飛び級、出来るんじゃないのか??」
それは間違いない。可能性は高いわ。でも私は思ったの、転生したから得たチート能力じゃなくって『転生悪役令嬢チート』なんじゃないかと……。つまりは……処刑とかじゃなく皆に殺されるのかなって!! そしてそしてそれは私が何らかの形でラスボスになったりして……それがどうしても逃れられない未来だったとしても出来る限り回避できる未来に進みたい。
「エヴァン様、私は皆と一緒に勉強していきたいのですわ」
「リンダ、そうか」
「……僕も、リンダと一緒が、いい」
「そうだな!!」
「僕も嬉しいよ」
「リンダ様、私もそう考えて下さってくれてとっても嬉しいです」
まぁ、とりあえずはなるように……なるでしょう……。
「それにしてもリンダ義姉さん、本当に綺麗だったよ」
「アレは、何だったんだ??」
「……どうして魔法を使っただけで、あんな……」
「そもそも全ての属性魔法を使えるなんて聞いた事ないぞ。ああなるのも不思議じゃない」
「いや、不思議は不思議だろ」
「そうですね……不思議なんですけれどリンダ様なら不思議さが半減する気がします」
何故なのでしょう。私は一体何だと思われているのでしょう。
「というか皆さん、あと二匹魔獣を倒さないといけないのでは!?」
「あ……それもそうだな」
「四組でやっているもんな」
「……流石リンダ」
「皆さん、頑張りましょう」
その後、しっかり二匹の魔獣を倒して私達は集合場所へと戻った。
「リンダ・アッカーさん、後で教員室へ来て下さい」
なっ!? バ、バレた!?
「はい、分かりました」
どうしよう、どうしよう、どうしよう。
皆が心配そうな顔で私を見ている……目立ちたくないとか、そんなんじゃなくて!! 私の命に関わる問題なのよ!! バレたらすぐにでも変なイベント始まったりしたらどうするのよ。皆にはバレた後も特に何も起こらなかった……今後何か影響がある可能性もあるにはあるけれど……でもそういうのは出来るだけ最小限にしておきたいじゃない??
コンコンッ
「失礼します」
「ああ、アッカーさん」
「あの、どうして私は呼び出されたのでしょうか……」
「アッカーさん、あなた……全属性の魔法が使えるの?? 見ていたのよ。全て」
「あの、あー……」
誤魔化せないわよね……
「はい。そうです」
「どうして内緒に?? 凄い事ですよ」
「私はあまり知られたくないですし……お友達も出来たので変な噂とかも嫌でして」
「そうですか……二年生に上げようかとも考えたのですが断る、という事でよろしいですか??」
「はい!!」
「分かりました。では私もこの事は内緒にしておきましょう。ただ――何かあれば、手を貸してくれますか?? あなたは強い」
「分かりました」
ふぅ~。何とか終わった!! どうか平和な毎日が送れますように。
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