19.リンダ・アッカーとミント・イェレン~事件~①
「リンダ様」
「ミント!! どうしたの?? 何だか深刻そうな顔よ」
ま、まさか!! 恋の相談!?
「何でも聴くわよ、どうしたの!? 誰を好きになったの!?」
「え……好きな、人ですか??」
「違うの??」
「あえて言うなら……あの、リンダ様です」
コイバナじゃなかった!!
「ごめんなさい、早とちりだったわ。そしてありがとうミント」
「いえ、そんな」
頬を染めているヒロイン、なんて可愛さ、可愛さの暴力。
「実は……平民の私が生徒会にいていいのか悩んでいて……」
「ええっ!? アレはそんなんじゃなくテストの結果なんだからいいに決まっているじゃない!!」
「でも……」
「それにミントはお仕事凄く出来るから生徒会にとっても必要だわ」
「そんな、リンダ様にそう言ってもらえるととても嬉しいです」
微笑んだミントはまるで女神様。相変わらず眩しい~。いつまで経っても慣れる気がしないわ。
「それで?? 理由は平民だからってだけじゃあないでしょう??」
「はい……実はこんな物が机の中に入っていたんです」
ミントから手紙のような物を受け取る。ラ、ラブレターってやつ!? でもそれじゃあ生徒会にいてもいいのかなんて思わないわよね。
「読んでも??」
「はい、読んで下さい……良かったら」
「いいわよ、じゃあ読むわね」
封筒から一枚のカードがひらりと落ちてきたのでそれを拾って見てみると……
――――お前は生徒会にいるべきじゃない。早く出ていけ。
「何よこれ……酷い」
「それに、実は今リンダ様に話した以外では誰にも話していないのに噂になっているんです」
「ええ、それは厄介ね……このカードをミントの机の中に入れた犯人しかいないじゃないの」
「それは……そうですよね、やっぱり」
アニメではどうだったかしら……こんなシーン覚えがない……攻略対象の誰かのライバルの可能性が高いけれど、やっぱりゲームを……って何度同じ後悔しているのよ。知らないものは知らないから何とか犯人を見つけないと。うーんうーん……。分からない!! とりあえず噂を流した人、ね。
「一応訊いておくけれど、ミントは心当たりは??」
「ない、と言えば嘘になります……嫌がらせもまだまだなくなりませんし……分かりません」
「えっ!? ミント……分からないほどいろんな人から嫌がらせを??」
「っ、はい……」
「生徒会の皆がいるから大丈夫だと思っていたわ。気付いてあげられなくてごめんね」
「そんな!! リンダ様が謝らないで下さい」
「とにかく犯人を見つけないとね!! 私調べておくからミントは気にせず生徒会にいてね」
「そんな、私も――」
「駄目よ。ミントは狙われているんだから出来る限り生徒会室にいて」
「ごめん、ちょっと聞こえちゃった」
「エイジ!!」
「エイジ様」
「リンダ義姉さんまた一人で解決しようとして……危ないよ」
「助けないなんて私には出来ないわ」
「分かってる、だから僕も手伝う」
にっこり笑ってはいるけれど少し怖い……怒っているわ!!
「エイジ様、ありがとうございます」
「イェレンさんは気にしないでよ」
それって私は気にしろって事よね!? リオンにも危ない事するなって言われているし……素直にエイジの助けを受け入れるべきね……。
「じゃあエイジ、よろしくね。一緒に犯人見つけましょう!!」
「うん、一人で動いちゃ駄目だからね?? 分かってるよね??」
「あ、え、ええ、もちろん……」
「……はぁ、まったくリンダ義姉さんは。分かりやすい」
「見つけたら私の魔法でぶっとばしてあげるわ!!」
「やめてよ!! 本当に怒るからね!!」
「私も……反対です。リンダ様がこれ以上危なくなるのは」
「は、はい」
二人に注意されたしやめておこう。
「それにしても陰湿よね、こんなメッセージ残すだなんて。まぁ直接殴り掛かられても困るけれど」
「ふふっ、確かに。リンダ義姉さんならやり返しそうで怖いよ」
「そりゃあ、そうよ」
「反省ゼロだね、いっそ清々しいよリンダ義姉さん」
「クスッ」
「ミント?? どうしたの??」
「あ、ごめんなさい私のせいでこんな事になっているのに。なんだか仲が良くて羨ましくなったんです」
「ミントも仲良しよ、ねえエイジ?? お友達だもの」
「うん、そうだね」
「お友達……」
そう呟いたミントの瞳が潤んで、涙が流れる。
「どうしたのーーー!?」
「嬉しくて……そんな風に思って下さっていたんですね」
ビックリしたー。何かおかしな事言ってしまったのかと思って焦ったわ。でも、そうなのかな、やっぱり貴族と平民の壁は分厚くて高いのかな。でも私にはそんな事関係ないわね!! 私はミントの事大好きだもの。それに誰もそんなこと気にしてない、生徒会では。エヴァンもデレルもリオンも、そしてエイジも。
「ねえミント、この話ってエヴァン様やデレル様やリオン様にお話ししても大丈夫かしら??」
本当は話すつもりはなかったけれどエイジにもバレたし、よく考えたらこれヒロインを守るイベントなんじゃないの?? と思ったから。好感度アップすればいいんでしょう!!
「はい、大丈夫です。リンダ様を信じていますので」
「ありがとう、よーし!! 行きましょうエイジ!!」
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