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13.悪役令嬢は嫌われている

 今まで私がやってきた悪事や我儘を……そう簡単に忘れられる訳もなく、どうすればメイドや執事達、また他の御令嬢達と仲良く出来るのか悩んでいる状態だ。公爵令嬢のリンダ、それだけで良くはしてもらっているけれど私の場合その前に”悪役”がつくので今では分かる。物凄く嫌われている!! 王子様方はおかしいのだ。私より身分が上、それだけでも他の者とは違うのだろうけれど。エイジとは仲良し、でもそれも陰では『エイジ様もきっと陰でイジメられている』と聞いた事がある。皆の中で私は陰湿な悪役令嬢なのだ。唯一私付きのメイドだけは分かってくれているように思う。探り探りだろうけれどね。


「ねぇベル……私どうすれば嫌われなくなるのかしら?? それともこのままでいいのかしら」


 ベル、とは私付きのメイドだ。


「リンダ様は、そうですね。好かれてはいないですね」


 ベルは私が変わってから本音で話してくれるようになった。まぁただハッキリしすぎていてたまに心臓に悪い。


「ううっ、ベル容赦ないのね」

「ただ、このままでも問題はないのでは?? エイジ様とも仲良くされておりますし何よりエヴァン様、デレル様、リオン様はリンダ様の事を好いていらっしゃいます」

「遊んでいるだけよ!! 私で!! それにこのままだと私死ぬのよ!? 殺されるのよ!?」

「お嬢様……何をおっしゃっているのか分かりません」


 アニメでは処刑……だった。その時は『ざまぁ展開ね!!』なんて思っていたけれど、処刑、怖いわ!! ヒロインが王子の婚約者になった時、嫉妬に狂ったリンダがヒロインを暗殺しようとするのよ。馬鹿ね本当に。しかも王族なら誰でもいいなんて失礼じゃない!! 何様なのリンダー!! 他のルートで死なないものがあるのなら……ちょっと待って……ゲームの知識はないけれどアニメの世界に来たのならばそれはアニメの内容で進むのでは!? 頭、いい。いやいやいや、じゃあやっぱり処刑じゃない!! 何やらとても感動する上に悪役令嬢が処刑されるのがスカッとするとかで人気のルートだったのよね。何かで見たネタバレでは悪役令嬢、牢獄ルートもあるのだとか……。アニメだと、ないけれどね!!


「私、皆と仲良くなれたらなって思っているわ」

「今まで何人クビにしてきたのですか……嫌いというより怖がっている者も多いと思います」

「うう~」

「リンダ様、私が信じられたようにこれからもっとリンダ様を信じ、愛する人が増えると私は思います」

「ベル……ありがとう」


 せめて学園に入る……その前に仲良くなっておきたいけれど、そうね、私が今までやってきた所業を考えると難しい話だわ。


 コンコンッ


「リンダ様、私が」

「ええお願い」


 ドアの向こうにいたのはエイジで何かキラキラした感じの封筒を持っていた。


「エイジ!! どうしたの?? 何それ」

「リンダ義姉さん!!」


 私が声をかけると走り寄って来る。本当に、可愛い!! 鼻血でそうなくらい可愛い。


「何かね、侯爵家の御令嬢からお茶会のお誘いが」


 ふむ、エイジ目当てかしら。


「どうする?? リンダ義姉さん」

「侯爵家だしね、行かないといけないでしょうね。エイジ、大丈夫??」

「何が??」

「おそらくだけれどエイジ目当てよソレ」

「えっ!?」

「婚約者いないでしょう。公爵家だもの、仕方ないわ。それにエイジは可愛いし!!」

「かっ、可愛くないよ」

「エイジって……どんな女性がタイプなの??」

「えっ!? あ、あ、リ、リ……」

「リ??」

「何でもない!! リンダ義姉さんが行くなら一緒に行くから!! じゃあ僕もう行くからーっ!!」


 エイジは走って部屋から去って行ってしまった。どうしたのかしら……デリカシーがなかったのなら申し訳ない。


「ベル……エイジにも嫌われたら私……」

「ありえません」

「え?? そういえばエイジがここに来てくれてもう半年経つのね」

「そうですね、早いものです」

「エイジがいて、私毎日が本当に楽しいわ。だからこそ使用人達とも仲良く出来たらって……」

「分かりますがエイジ様と使用人とでは訳が違います」

「ベルの言っている事も分からないって訳じゃないわ」

「リンダ様にはエイジ様、エヴァン様、デレル様、リオン様、それに……恐れ多いですが私もいます」

「ベル~!!」

「それに今、リンダ様が思っていらっしゃるほどリンダ様は嫌われておりません」

「へっ?? そう、かしら……」


 嬉しい。ベルは嘘は吐かないもの。この半年で少しずつ変わってきているのかしら。

 そういえば侯爵家のお茶会……私、あの御令嬢に物凄く嫌われているんだったわ!! エイジだけ誘うわけにはいかずって感じかしらね。当然仲良くしている御令嬢達が呼ばれているだろう……うーん、でも逃げても仕方ないしね。お友達が出来る可能性もゼロではない、うん。出来なくても美味しいケーキが食べられるって思って……そうしよう。これって、王子様方もお誘いを受けているのかしら??


 コンコンッ


「はい」


 ベルがドアを開ける。


「失礼します。リオン様が応接間でお待ちになっております」


 メイドがそれだけ伝えるとささっと去ってしまった。うーん……って、リオン!! はぁ、行きましょう。

 私はリオンの前に座って何をしに来たのか聞いていた。


「久しぶり……リンダ、今日も綺麗……」

「なっ!? 会う度に聴いてますわ!! それに三日ぶりです、久しぶりではありませんわ」


 もう、本当に私で遊ぶのがお好きなんだから!!


「お茶会、侯爵家からの……行く、のかなって」

「あら、リオン様達もお呼ばれに??」

「ああ、リンダが……行くなら、行こうかなって……」

「そ、な、何故ですか!?」

「リンダが……いないと、つまらない……」

「リオン様、失礼ですわよ。つまらないなんて。はぁ、行きますわよ、そのお茶会」

「本当?? じゃあエヴァンとデレル、にも伝えておかないと……」


 だから何故!?

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