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11.王子、拗ねる~デレル・オールディス~①

「俺だけ何も貰ってない」


 今日も朝からエヴァン、デレル、リオンが遊びに来ていた……はぁ。もう突っ込まないわよ。それにしても今日はデレルの機嫌が悪い事悪い事!! どうやら自分だけ瞳の色の贈り物を私から貰っていないからという事のようだ。


「エイジはどうなんだ?? 何かリンダから貰ったのか??」

「はい。僕はこの瞳と同じ色の石がついたペンダントを……へへっ」

「……綺麗な、青い色……」

「はい、ありがとうございますリオン様」


 その会話を聴いてますます機嫌が悪くなっていくデレル。皆~、そのお話はやめましょうよ!!

 デレルに何もあげていないのは別にわざとでも嫌っている訳でもない。単純にデレルの瞳の色で素敵な物を見つけていないからだ。瞳の色にこだわっているのは他の人にはそうなのにデレルだけ違うかったらまた拗ねてしまいそうだと思うから……。エイジには義弟になってくれてすぐにあげた物、エヴァンはたまたま、推しグッズを見つけた気がしてテンションが上がったから、リオンはお礼に……エヴァンが余計だったかしら!? いや、でもあんなの見つけちゃったら……。


「そんなだからお前は貰えないんじゃないのか??」

「エヴァンうるさい」

「……贈り物をしたくなる態度じゃ、ない」

「リオンもうるさい」


 プッ、なんだか面倒臭いけれど少し可愛いわね。


「おい、リンダ今笑ったか??」

「そんな!! 全然、全く、笑ってなんかいませんわ」

「そうか、ふんっ」


 これじゃあダメね。


「あの、皆、私今日用事がありますので……すみませんが」

「……そうか、また、来る」

「出掛けるのか?? 気を付けてなリンダ」

「……じゃ」


 うっ、デレル……。三人の王子達は馬車に乗り込んでいってすぐに帰ってくれた。こういうところ良い人達なんだけれど。


「リンダ義姉さん、僕も行っていい??」

「うーん……今日は一人で行くわ。ごめんねエイジ」

「そっか。うん、分かった。リンダ義姉さん気を付けて行って来てね」


 少し寂しそうな顔をしたけれど笑顔で見送ってくれた。エイジにお菓子でも買って帰ろうかしら。

 そう、別に最初から用事なんてなかった。でもずっとあんな空気耐えられないもの……。エイジを連れ回すのも何だか悪いし、でも寂しい思いをさせるんだったらせめて美味しいお菓子でもって……喜んでくれるかな。この間皆で来た街、一人だと何だか寂しいわね。前は一人の方が動きやすくて良かったのだけれど、よっぽど楽しかったのね。前も思ったけれど私って自分の事よく分かってないのよね。そんな事を考えながらふらふらと街を歩いていたら何かを一生懸命削っている少年が……店番かな?? をしているのを見つけて、気になったので声を掛ける事にした。


「ねえ、こんにちは」

「いらっしゃい」

「何を作っているの??」

「……いろいろ。今は指輪」

「へぇ!! 木で作れるの!?」

「お姉ちゃんお客じゃないの??」

「え、っと、あー……あーーー!!」


 私が大きな声を出したので少年の肩が大きく上がった。


「何だよもう!!」

「ごめんなさいぃ」


 私は顔の前で両手を合わせて少年に謝罪した。


「この赤い石が欲しいのだけれど……それだけじゃなくてお願いが……」

「何??」

「この宝石をつけた腕飾りを作りたいなって思ったの、教えてくれない!? もちろんお礼もするわ」

「れ、礼はいいよ。それくらいの事で」


 少し頬を赤らめた少年がそっぽを向いて言う。


「じゃあいいの??」

「そう言ってる。俺はクート」

「リンダよ、よろしくね!! クート」

「ああ、よろしく……リンダ」


 クートと名乗った少年はとっても細かく親切に教えてくれた。初めは手こずって危うく指を切り落としそうになったりしてクートを焦らせたけれど慣れてきたら案外器用に削れるようになった。腕飾り……作るの楽しい!!


「これ、楽しいわねっ!!」

「えっ、う、うん……」

「どうしたの??」

「リ、リンダってよく見たらお嬢様なのかなって」

「そんな事ないわよ」


 一応身分は隠しとこうかなって思った。


「リンダ様って呼んだ方がいい??」

「ふふっ、ふふふっ、リンダでいいわよ」

「そっか」


 なんか……顔が赤いけれど大丈夫かしら。


「ねえ、どう、これ?? 上手く出来たかしら!?」

「ああ、後はここに宝石を……っと、完成だね。おめでとうリンダ」

「ありがとう!! クートのおかげよ!!」


 手を握って感謝を伝えたらボフンと聴こえてきそうなほど一気に真っ赤になったクート。やっぱり調子悪いの!?


「ちちち、ち、近い近いよリンダ!!」

「え?? あ、ごめんなさい」


 私が離れるとブツブツと文句を言っているようだった。大変申し訳ない事をしたのね、クートは人との距離が近いのが苦手なんだわ。


「こういうの、自分で作るなんて変な趣味だってよく言われるんだ」

「え……とっても素敵な趣味だと思うけれど」

「リンダが変わっているんだよ。でも……嬉しかった。教えてって言われて」

「そう、なの?? また会ったら次は違う物を教えてくれる??」

「へへっ!! ああ、教えてやる」

「今日はありがとう。またねクート」

「またな、リンダ」


 大きく手を振って馬車へと急いだ。やっと渡したい物ができた!! 喜んでくれるといいな!!

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