表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ルドルフと雪の城  作者: 有明翔太郎
ネーデルラント編
9/10

オオナマズ

「夢だったのか?あのジェニーって少女は一体?それにガーラ屋敷っていうのは?」


ルドルフはベッドから起き上がると、階段の下へ降りました。冷蔵庫の中を開けるとそこにはジュースが入っていました。ルドルフはそのジュースを飲む為に椅子に座りました。

するとクルースが降りてきました。クルースも目が覚めてしまったのでしょうか。


「あら、ルドルフ、目が覚めてしまったのね。今は夜中だし、あるわよね、こういう時って。」


「ああ、不思議な夢を見てね。ジェニーって名乗る女の子だった。ガーラ屋敷っていう屋敷にいきなり案内されたんだ。その屋敷でダンスを踊った。君はガーラ屋敷を知っているかい?」


「随分とロマンチックな夢を見たのね。ガーラ屋敷は今はもう誰も住んでいないわよ。それにジェニーっていう女の子なら四年前に亡くなっているわ。当時、大体的に報じられたんだけどね、オオナマズに食べられちゃったの。この湖の主と言われている。オオナマズ。ジェニーは、生贄にされたのよ。ガーラ屋敷に行ってみて。そこにお墓があるから。」


「そうなのかい。じゃあ夢の中に現れたのはジェニーの幽霊なのかな?」


「幽霊が夢の中に出たの?それって面白いね。もしかして魔法の世界なのかな?ネルディアラ湖にはサスベルトもいるし神秘的な事が起こる不思議な場所なのかもね。」


ルドルフは椅子から立ち上がると再び部屋のベッドに入りました。暫く目を瞑っているとそのまま夢の世界へと入っていきます。ルドルフがハッと目を開けるとネルディアラ湖の水が静かに音を立てていてルドルフは湖の辺りに立っていました。時間は昼でしょうか。ルドルフは湖岸に向かい走り出すと岸から湖に向かって叫びました。


「ジェニー!!会いたいんだ!僕をあの場所に連れて行ってくれ!ピクニック!」


暫くするとカヌーがやって来ました。オールを漕ぐ音と共にカヌーは静かに湖岸の岩場へとやって来ました。カヌーに乗っているのはジェニーです。昨日とは打って変わって可愛らしい髪飾りにオレンジ色のトップスを着たネコの少女が現れました。籠の中には彼女が作ったのでしょうか。食べ物が入っています。


「まあルドルフ、来てくれたのね。待っていたわ。約束通り、今日は素敵な場所に連れて行ってあげるわ。乗って!!


「ジェニー!会えて良かった。僕も連れて行ってくれ!

素敵な場所とはピクニックの事かい?」


「ええそうよ。ネルディアラ湖には小さな島が幾つもあるの。その島に浮かぶ島にはお花の妖精が住んでいる島があるのよ。そこまで案内してあげる。」


ジェニーは手を取ります。そしてルドルフは彼女に導かれるとカヌーに乗ります。ジェニーはカヌーを漕ぎながら花畑があるという島を目指して静かに向かうのでした。ジェニーはニコニコと笑いながら、ルドルフに言いました。


「あなたってもしかして不思議な力を持っている?魔法使いさん、今日はあなたの秘密を教えて欲しいの。」


「僕は氷を操れる魔法を持っているんだ。生まれつき僕にはその魔法があった。僕の父もその能力を持っていたんだよ。その力で僕は沢山の困っている人を助けてきた。子供の命を救ったり、悪者を倒したりするんだよ。」


「やっぱりそうなのね。初めてあなたと一緒に踊った時に思ったの。あなたの手はとても冷たかった。冷気を感じたわ。でもあなたの心はとても温かい。私には分かるわ。あなたは正義の味方なのね。うふふ、ねえ見て!こうやってね。カヌーの上に立つとね。景色がより綺麗に見えるのよ。」


ジェニーはカヌーの上に立つと手を横に伸ばしました。ルドルフがオールを漕ぐとカヌーはゆっくりと進んでいきます。そしてジェニーは、ルドルフの方に寄るとルドルフに抱きつきました。ジェニーはゆっくりと手をルドルフの背中に手を当てました。


「あなたって本当に温かいのね。もう離したくないわ。あなたの事を。さあもう直ぐよ。ピークス島は本当の楽園なのよ。」


「ジェニー、君は本当はもうこの世にいないんだろう。

なあ、教えてくれ!君を殺したのは誰なんだ。誰が君をこんな目に合わせたんだ。」


「それは言いたくないわ。その秘密はピークス島で教えてあげる。」


カヌーはピークス島に到着しました。カヌーを止めると不思議な光景がありました。ジェニーはロープを括りつけると、ルドルフの手を取りました。ルドルフはジェニーに手を取られて、ピークス島へ上陸しました。ジェニーは口笛を吹きます。すると、黄色い光が光出すと共にコスモスザライドが現れたのです。コスモスの妖精が現れて挨拶をしました。


「こんにちは、ジェニー、あら素敵なお友達を連れて来てくださったのね。こんにちは、今日はお花畑に案内して差し上げます。お兄さんも乗って下さい!」


「こんにちは!会えて嬉しいよ。」


ルドルフはコスモスの妖精に挨拶をするとコスモスザライドは煌びやかに光出しました。そしてコスモスザライドはお花畑に向かって走り出しました。あっという間に花畑に到着しました。


「ジェニー、僕の魔法を見せてあげるよ。ちょっと待ってて!」


するとルドルフは魔法で氷のレジャーシートを作ったのです。レジャーシートに色が付くと、本物のレジャーシートそっくりになったのです。ジェニーは、手を合わせると感心しました。


「まあ、本当に、こんな魔法を作る事ができるのね。しかも、氷で作られたレジャーシートなのに、とても暖かいわ。

さあ、食べて、その前にクランベリーのジュースを入れてあげる。持ってきたの。ママのキッチンからコッソリ取ってきちゃったのよ。」


するとジェニーはクランベリーのジュースをグラスのコップに入れました。そして、ジェニーが持ってきた籠には、サンドイッチが入っています。サンドイッチにはトマトとハムが挟まっています。ジェニーはルドルフにサンドイッチを渡しました。


「さあルドルフ、食べて。私が作ったから美味しいって言って貰えるかどうかずっと不安だったの。」


ルドルフはサンドイッチを口にしました。何と美味しいのでしょうか。こんなに美味しいサンドイッチは初めてです。


「なんて美味しいんだ。君は本当に料理を作るのが上手なんだね。それにこのクランベリーのジュースもとても美味しいよ。」


「ルドルフは全てを知っているのね。私の事、そうよ。私は死んだの。私は殺されたの。今から教えてあげる。私の秘密を。」


すると花畑の風景は一斉に変わっていきました。そして場所はガーラ屋敷に情景は映っていきます。ガーラ屋敷のとある一室でジェニーとジェニーの母親がいます。ジェニーの母親はこう言いました。


「ジェニー、あなたの事を一生懸命に私は愛したわ。あなたを失いたくないけど、この村の掟なの。決まってしまった事だから、もうしょうがないのよ。」


「なんで、なんで、そうやって、村の掟なんかに賛成するのよ。私がなんでナマズの生贄にならなきゃいけないのよ。あなたは母親なんでしょう。嫌だ。私は死にたくない。お願い。私を助けて!ばあや!どうして私はステファニーと友達にだってなった。まだ友達にさよならだって言えていないのに!」


「ごめんなさい。本当は私が死ねば良かった。ありがとう。

ジェニー、あなたを産めて嬉しかったわ。だからさようなら。愛してるわ。」


「嫌よ、やめて、、う!!」


ジェニーの母親はジェニーの口にクロロフォルムを当てました。そしてジェニーを抱き抱えると、ジェニーを丸太に縛り付けました。丸太に縛り付けられたジェニーは屋敷のテラスに連れて行かれました。テラスから湖に向けて吊るされました。そしてジェニーは目を覚ましました。ネルディアラ湖の水面は静かに息を潜めていました。だが突然、物凄い音と共に、水中から6m近くある巨大なオオナマズが現れたのです。オオナマズは大きな口を開けると、ジェニーの身体に噛みつきました。そして、ジェニーの全身は噛みちぎられ頭部のみが残りました。そしてその様子を見て、村人達は拍手をしたのです。この村の因習でした。

ジェニーの生首をオオナマズは食いちぎってしまったのです。


「そんな、そんな酷い話があるか?君の母親はどこまで愚かなんだ。私は許せない。ジェニー、よく話してくれたね。

君の無念を僕は晴らす。君の命を奪ったそのオオナマズは僕が殺す。」


「待ってルドルフ!」


次の瞬間、ルドルフは目を覚ましました。朝になりました。ルドルフはベッドから外を見つめました。奥には誰もいないガーラ屋敷が映っています。ルドルフは階段を降りると屋敷を飛び出しました。ルドルフは氷の魔法でボートを作るとガーラ屋敷まで船を出しました。氷の風の力でボートは湖のスピードを一気に加速していきます。そしてルドルフはガーラ屋敷まで辿り着きました。ガーラ屋敷には誰も人が住んでいません。そして、屋敷の前には墓碑が置かれていました。

その墓碑にはジェニーの名前が書かれていました。


「待っていろ!ジェニー、君の仇を。ここに住んでいると言うオオナマズを必ず私が。」





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ