そして…
私は
自分が思っているより、婚約解消することは負担で不満だったのだろう。
前世の記憶を思い出すほどには。
ミカエラ様との話し合いは終わった。先ほど婚約解消の書類にもお互いサインをした。
皇家は我が家には処罰を下さなかった。だが、後継変更や兄の領地行きである程度今回の事情は伝わっている。
だから、ミカエラ様のブラッド公爵家も慰謝料等もなく婚約解消に応じてくださった。
ミカエラ様はブラッド公爵家の嫡男であり、私が嫁ぐことができなくなったので、この解消は必然なのだ。
私の心がついていけないだけで…
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すぐに新しい家庭教師が選ばれた。さすがに父も母も反省したようで、最近私へ声をかけるようになってきた。
ただ、それは前世のようなものではい。確認と保身のための声かけだ。
実際、この前世の記憶がなければこの冷たい生活を続けられたのだろうか。心が折れそうだ。
でも、私にはこれまでの知識の積み重ねと愛された記憶がある。後継教育は大変ではあるがやりがいもある。この知識が領民たちの暮らしに繋がっていると思えば頑張れた。
反省したらしい父は、私の勉強内容や進捗状況を聞いてくる。ちょっとウザい。
適当にあしらってはいるが、何だかなぁ。
お貴族様って、不器用なのかな?
とりあえず、仕事はちゃんとしてねってイイ笑顔で言っといた。
その、私の笑顔を見て
ビックリした父の顔にさらに笑ってしまった。
私たちの関係はこれからはじまって、これからずっと続いていく。
これまでのことは、いったん飲み込んで。
これからについても、考えていこう。
私たちの道は、まだ先へと続いていくから
前に進むことにする




