番外編 その後の話 5
21歳になる頃に、私はジェイド様と婚約した。
本当に真面目で、努力家な人。でも、それだけではなく地味だって言われるから身体鍛えてみたりするちょっと不思議なところもある。
何だか、斜め上な努力って好きなのよ。
私のことも大切にしてくれる優しさもある。
幸せに、なれるかな。
そして、ルナリア。彼女とは定期的にお茶会をしている。
あの、初めてのお茶会の日。ルナリアのことを知っている侍女たちは張り切って準備してくれた。幼くて頑張り屋で可愛らしいルナリアのことをみんな妹のように思っていたみたい。ヒロイン補正ってわけではなくただ単に頑張りをみんなに認めてもらえていたのね。本当に愛される子ね。
私も可愛らしい妹のように思っている。
そして時々行っているこのお茶会。
彼女が皇都の゙学園に入ることを見越して、最近のお茶会にはオランジェット家の縁戚であり同じく子爵家嫡女のソーニャも時々招いている。
始めは固くなっていた彼女たちもお茶会を楽しめるようになってきている。
実はこれには訳があるのね。私のお母様が時々お茶会に参加してくださるの。お茶会に不慣れな私が心配だったみたいで、あの初めてのルナリアとのお茶会の時からアドバイスしてくれるの。
初めはね、お互いぎこちなかったのよ。でも、思い切って甘えてみたの。そしたら、距離が縮まってきたの。お母様も不器用な人だったのかもね。
分からないことや不安なことをどんどん相談してね、たくさん教えてもらったの。
御婦人方との付き合い方もめっちゃ参考になったの。
それでね、良かったら私と同じように分からないことの多い彼女たちにも話してくれないかなぁなんてお願いしたの。
お母様、驚いていた。でもね、頼られるの嫌いじゃないわよね。
あの、お兄様の件があってから社交界から遠のいてはいるけど…。お母様の知識や御婦人方との繋がりは侮れないもの。
あの時から、社交界から距離をおき他家との付き合い方を考えさせられた私の両親。それでもその手腕は誇るべきではある。その一端でも、掴めれば。
若い二人のぎこちなくも懸命な姿を見て、お母様は優しく微笑んでいた。そして心地よい良く通る声で私たちを包んでくれた。
私も、ルナリアもソーニャも学ぶべきものを身に付けているお母様に目を輝かせた。
❁❁❁❁❁❁❁❁❁❁❁❁❁❁❁❁❁❁❁❁
そして、お父様。
私たちの貴族らしい両親。その言葉につきる。そう、思っていた。
社交に仕事に忙しく、子どもには興味がない。泣いても話しかけても大した反応もない。
それが戸惑っていただけなんてわかるはずもなく、ずっと嫌われていると思っていた。
そのお父様が、お祖父様にお兄様のことをお願いするなんて。嫡女になってしまう私に罪悪感を抱くなんて。思ってもいなかった。
そうして、やっと決まった私の婚約者。
お父様も若い頃は鍛えてらしたのね。鍛えはじめてるお兄様とジェイド様。その2人と仲良くお話している。
何なの。男三人の筋肉談義。お祖父様も一緒にお話すれば良いんじゃないのかな。
もう、筋肉に嫉妬しそうよ。
何だか私の知らない両親の姿に、力が抜けてしまった。
色んな事があったけど、オランジェット家の未来は明るい方向に向かっている。そう、信じられたよ。
そんなふうに、結婚するまでの1年は穏やかに過ぎていった。このまま何事もなければ良いのに。
同じ、アスターテ皇国物語の
「私の初恋の貴方様へ、届きますように」
の、裏話になります。
しばらくお付き合いください。
多分、毎週金曜日の19時に更新予定です。
頑張って書きます。
よろしくお願いします




