番外編 その後の話 4
ルナリアが12歳になる頃に、彼女の持ち物により身元が判明してノーチェ子爵家へ引き取られることになった。
私はその頃20歳になり、皇城に招かれてからたくさんのお茶会や夜会の招待状が届くようになった。
夜会では調子の良いことを言う人が多かったが、中には本当に私やお兄様のことを心配して下さる人もいた。
その一人が、私の元婚約者であるミカエラ=ブラッド様。
始めはあちらから久しぶりの挨拶と我が家の皇都にあるパン屋の話をしてくださったの。公爵家からお声がけしてくださったおかげで、他の方もいろいろ話しやすくなったよう。
どう動けば良いのか悩んでいたので、とても助けになりました。
奥様もうちのふわふわパンが気に入ってくださったみたい。ぜひ、出店してほしいなんて他の方の前で話してくれたの。
最近はあまり交流できずだったから、ここから話が広がると良いな。
ミカエラ様のお陰で、私も兄も動きやすくなった。パン職人をレシピと共に他の領地へ…なんて問い合わせも増えてきた。
なので、レシピを持つ職人に他領の領主から店を開く許可をもらい、オランジェットの名をつけたチェーン店を少しずつ展開させることも可能になりそう。
その際、レシピの使用料とロイヤリティを頂くことになる。この辺りは法律に詳しい方を誰か探す必要がある。
この件についてもブラッド公爵家から優先的に店を開いてくれるなら専門家を紹介すると連絡があった。
このことによりトントンと話が進んでいった。
今日は私が紹介してもらった弁護士の先生やお父様に付けてもらった担当者と共にブラッド公爵家へ行き話を詰めていった。
その後、
少し話があるとして、ミカエラ様から婚約の打診をされた。
伯爵家次男のジェイド様。
私の二つ年上で、文官としてもう働いているみたい。
「とても良い奴だし、優秀なんだ。でも、なんか容姿が地味みたいでいい話がないんだ。無理はしなくて良いよ。でも、良かったら会ってみないか?」
本当に私のことを思って、探してくださったんだ。その事が伝わってきて、帰りの馬車の中で涙が止まらなかった。
帰ってきた私の泣き顔を見てお兄様が慌ててオロオロして…その姿に今度は笑ってしまった。
ああ、私たちはまだ笑える。
私たちは、幸せになれる。
そう、思えた。
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ノーチェ子爵家へ帰ったルナリア。
ルナリアの教育は上手くいっているみたい。喜びにあふれたノーチェ子爵夫妻からのお礼の手紙が届いた。
本当に可愛がってもらえているようで安心したわ。
おさらいも込めて、今度我が家のお茶会へ招待する予定。ルナリアは緊張してるみたい。
でもね、侍女としても頑張っていた彼女ならきっと大丈夫。
笑顔で話してもらえるようなお茶会にしたいな。
そうだ、皇都の館に手伝いに来た時に一緒に働いた侍女たちをお茶会の担当にしよう。彼女たちもルナリアを可愛がっていたから喜んで働いてくれるかな。
そういえば、ルナリアもパン作りできるんだよね。
ノーチェ子爵家でもパン屋さんを展開するのもありかもしれないな。
優しい人たちのお陰で、私たちも前にすすめそう。
幼かったあのルナリアも成長している。
どんどん変化していく毎日。でも、大切なものは忘れないように前に一歩ずつ前に進んでいこう。
そう、思った。
同じ、アスターテ皇国物語の
「私の初恋の貴方様へ、届きますように」
の、裏話になります。
しばらくお付き合いください。
多分、毎週金曜日の19時に更新予定です。
頑張って書きます。
よろしくお願いします




