番外編 その後の話 2
孤児院の教育は順調に進んでいます。
字を覚えると自分で本も読めるってことでみんな張り切ってるみたい。
やって良かった。
でも、あのヒロインっぽい子はすでに読み書きの基本ができてるらしい。
これは、いよいよ貴族の血筋かもしれない。
要注意ですね。
少しだけ時間が経って
年上の子どもたちがある程度読み書きできるようになったら、次は少しずつ算術もお願いした。
足し算や引き算ができれば、商家でも働くことができるかもしれない。
これも、子どもたちの励みになったみたい。
やっぱり、自分の先が見えないのって不安だよね。
先生がいない時も自分たちで教え合ってるみたい。
この姿にお願いしてるトーマス先生は感激してちょっと泣いてた。
先生、何だか大変だったのかもね。
でも、喜んで働いてくれて助かってます。
そして、ここでも彼女ヒロインっぽいルナリアはある程度計算もできたようです。
うーん。なんでできるんだろう。
まさか、前世の記憶とかってあるのかな。
それなら、ちょっと不安。
小説にあった記憶ありのあざとい系のヒドインなんてこと、ないよね。
どうやって確かめたら良いの?
わざわざ貴族の私が近づいたらオカシイよね。
思い切って、日本語で話しかけてみる?
え、いけるかな。
え、いけたらどうしよう。
ちょっと考えがまとまらないよぉ。
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なんて、よく考えたらそんな訳ないのよね。
この時の彼女は母親に続き父親まで亡くして、孤児院に入ったばかりの10歳くらい。
たくさんのことが不安でしかたなかった頃。
顔色が悪く、とにかくできることを頑張っている懸命な姿。それはとても、転生ヒロインなんて思えない。
哀しみを乗り越えようとする者の姿そのものだった。
この頃、私は18歳。領地経営の勉強に学園卒業に向けてのテスト勉強。
領地を少しでも良くするために、ふわふわパン作りの試行錯誤。
頭がパンクしそうになって、考えが凝り固まってしまっていたみたい。
兄の件からいろいろ疑心暗鬼になっているのね、きっと。情けない。
その後孤児院の院長先生に確認したところ、彼女は父親から文字の読み書きや簡単な計算を教わっていたそうです。
下手に前世の記憶があるもんで、疑り深くなってるのね、私。
でも、そうなると父親が貴族の可能性が高いわね。
私一人では、ちょっと手に負えないかも。
結局、孤児院の院長先生に相談することにした。
ルナリアが10歳にして読み書きや計算ができること。それを働きながら教えることのできた父親。そして、平民とは思えない彼女の愛らしい容姿。
もしかしたら、貴族の血筋なのかもしれないこと。
やはり孤児院でも、彼女のことは話題にあがっていたみたい。子どもたちは気にしてないけど、大人は思うところがあったよう。
このまま平民だと何か良くないことが起こりそうなくらい可愛いからねえ。
そこで、考えついたのは彼女を領館の侍女見習いにすること。
これ、良いんじゃないかな。領館内ならさり気なく足りない教育したり、親の詳しいお話聞いたりできそう。
院長先生も彼女を後押ししてくださったの。
本当に助かります。
それにしてもパン作りにルナリアのことまで、お世話になりっぱなしです。
パン作りもおかげで順調に進んでいます。
でも、その順調なオランジェット領にも少しだけ不穏な影が近づいていたのです。
同じ、アスターテ皇国物語の
「私の初恋の貴方様へ、届きますように」
の、裏話になります。
しばらくお付き合いください。
多分、毎週金曜日の19時に更新予定です。
頑張って書きます。
よろしくお願いします。




