兄の失態
兄のやらかし
アスターテ皇国
皇帝 ヨハン=シュトラウス=アスターテ
アスターテ皇国は周辺国との関係も良く、落ち着いた治世が続いていた。貴族も平民も良く働き、平和で豊かな暮らしをおくっている。
皇帝ヨハンには
皇妃に男の子が一人
妾妃に女の子が一人
二人の子どもがある。
皇妃の産んだ男の子が皇太子となり、妾妃の産んだ女の子は降嫁することが決まっている。
そんな平和な暮らしが悪かったのだろうか…
我が兄であるオランジェット侯爵家嫡男。
フリード=オランジェットは、皇女マリアーナ様の婚約者となるはずだった。
皇帝陛下は畏れ多くも皇女様の降嫁先に我が侯爵家を選ばれた。オランジェット家は皇女様降嫁の功をもって公爵家へ陞爵されることも決まっていた。
いつもは子どもたちに興味のない父も母もとても喜んでいたのを覚えている。
我が家には何も不利益はない、ありがたい限りの婚約の話。
その、婚約のどこに不満があったのだろう。
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兄が何を考えていたのか、私には分からない。
そして前世を思い出した今、家族との関係の希薄さに愕然とした。貴族では当たり前のことなのかもしれないが、兄の交友関係も全く把握していない。兄は何を考えていたのだろう。
何を考えて、親しくもない女つきで皇女様との婚約を
解消しようとしたのだろう。
恥ずかしいとは思わなかったのだろうか。
私には、まったく理解できなかった。
その、おかげで私の婚約にまで影響を及ぼして…
関係なかったはずの私の人生が変わっていく。
私が、こんなことになるなんて………
思ってもいなかった。




