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神凪の鳥  作者: 紫焔
神聖国に蠢くモノ
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第九十五話

 エステルにとって、ミシェイレイラ神聖国とは女神エルシルに愛された国であった。

 かつてミシェイレイラにあるエルシル総教会の司教位についていたエステルは、そこでさらに幸運に恵まれた。

 神聖大公家に嫁ぐミリエリアとアリセリアの母となる司教と知り合い、懇意になったのだ。

 優しく、心根の美しい女性であり、神聖大公の眼は確かだとエステルは思ったほどだ。

 その後にミリエリアが生まれながらの聖女として認定され、ミシェイレイラはますます繁栄していくだろうと誰もが思っていた。

 だがしかし、それが陰ったのは神聖大公家の大公夫妻が殺され、国宝が盗み出されてからだ。

 神聖大公家に押入ったところで、高位の司教である大公夫妻がそこいらの賊にやすやすと殺されるわけはない。

 しかし、ミリエリアが意識を取り戻し語った事件のあらましを聞き、エステルは戦慄した。

 やすやすと大公夫妻を殺害し、国宝を盗み出したのがヴァンパイアだと語られた。

 幼く未熟であるとはいっても聖女であるミリエリアに花嫁の証を刻むなど、ヴァンパイアの貴族の中でも侯爵位にある者だろうとエステルは戦慄し、怯えてしまった。

 しかし、どんなに穢されていてもミリエリアは聖女であった。

 その身に纏う穢れからミリエリアを守ろうとするように、弱々しくありながらもエルシルの加護の気配が確かにあった。

 だが、ミシェイレイラのエルシル教会はミリエリアから聖女の位を剥奪し国宝を奪還するまでと条件を付けて追放したのだ。

 エステルは心ある司教達と共に何度も何度もミリエリアは聖女である事を説いたが、無駄であった。

 ミリエリアが国宝奪還を胸にミシェイレイラを出る際、聖遺物には劣るものの力ある聖印を渡し、穢れを封じるくらいの手助けしかできなかった。

 この後、エステルは必死にミリエリアの為に何かできないかを探っていたのだが、気が付けば王都ですっかり孤立していた。

 そのうえ、エステルと同じ志を持っていた司教達は軒並み追い落とされ、司祭へと降格され王都を追放されていたのである。

 気が付いたのが遅すぎたエステルは、何の手だても取る事が出来ないまま身に覚えのない罪状を付けられ降格され、辺境へと追いやられてしまったのだ。

 その際に、本当の神の信徒としての力がある者達が殆ど王都から追い出されてしまっていたのだと知った。

 何か、恐ろしい事が起きる前触れではないかとエステルは思っていた。

 その恐ろしい事に対処するために、エステルは常日頃から村長や村の実力者たちに警戒を呼びかけ、エステル自身も神殿に居た神官や神官見習い達にも心構えを説き備えをしてきた。

 税を納めてからは備蓄を作り、村人たちを守りながら移動できるようにと一心に動いていた。

 そんなエステルの姿は異様ともいえるものであったはずなのだが、村人達のみならず神官たちすら彼女の行動に賛同した。

 今にして思えば、エステルの気のすむ様にしておけば良いと言った適当な感情からではなく、彼らも何かしらを感じていたのだろう。

 そして、エステルの恐れていた事態がひたひたと忍び寄ってきた。

 ミシェイレイラ王都から吹く風は冷たく、生臭い霊気を帯び始めたのだ。

 豊穣の風が吹くべき国で、生臭く冷たい霊気を帯びた風が吹くなど王都で何か変事があったに違いない。

 エステルはそう思ったが、王都に伝手も無く何が起きているか知る事も出来ない。。

 村々を見回る兵士たちは特に変わった様子など無いと笑いながら言うが、辺境に飛ばされた司祭の友人たちはこぞってミシェイレイラがおかしくなっていると手紙に綴ってきていた。

 そして、事は起きた。

 最初は国境を示す砦の方から強烈な悪意ある霊気を感じ、次いでその近くの村から数人の村人が逃げてきたのだ。

 いきなり人が消えたと、着の身着のままで逃げてきた村人はエステルに訴えた。

 しかも、数人の村人はリビングデッドを見たというのだ。

 それを聞いた瞬間、エステルは全員で村を捨てミシェイレイラから逃げ出すべきだと判断した。

 エステルの言葉に従い、村長や村人、神官たちはすぐさま準備をしてマリール村へと逃げ出したのだ。


 経緯を説明したエステルは、小さく震えながら呟く。

「恐ろしいのは、ミシェイレイラとフェイルシアの国境付近を抜けると、悪意ある霊気が途絶えた事です。砦から感じていた強烈な悪意の霊気も、王都から吹く生臭い霊気も何もかもがかき消されたように感じないのです……」

 エステルの言葉と様子から、志希は自身の予感が間違っていなかった事を確信する。

 そして、事態が深刻化している事に目を閉じる。

 ミシェイレイラ王都から吹く生臭い霊気は、十中八九ヴァンパイアたちが国の中枢に食い込んでいるからだろう。

 力ある司教や司祭が王都から居なくなっているという事は、妖異に対し無防備な状態になっているという事だ。

 妖異から王族を守るべき聖職者は神聖大公家であったが、既に御取り潰しになっており存在しない。

 中枢を守護する聖職者がいない以上、下手をすれば国自体を乗っ取られている状態である事は間違いないだろう。

 志希がそう思いながらも口に出す事が出来ないでいると、小刻みに体を震わせるミリアが口を開く。

「なんて事……国の中枢が、邪なる者たちに蹂躙されているなんて」

 ヴァンパイアが国の中枢に食い込んでいるなどと考えられないミリアは、邪教の神官達による犯行と考えたようだ。

 実際、それは無いとは言い切れない。

 だがしかし、志希には邪教の神官がわざわざミシェイレイラを乗っ取る理由が全く見えてこないのだ。

 彼らの多くは、己の欲望や信仰の為に行動する。

 国が欲しいとなれば、その様に動くだろう。

 だがしかし、わざわざミシェイレイラと言うエルシルを信仰する国を乗っ取るなど面倒な事をするとは思えない。

 それに何より、闇の神官達は己が神の威信を見せつける為に真正面から挑むのを好む。

 死者が多く出る戦を仕掛け、邪神の加護で屍を手駒とする。それこそが闇の神官達の手口なのだから。

 志希は目を閉じ、口を開こうとしてやめる。

 現在、場の決定権を持っているのは志希ではない。

「とりあえず、ミシェイレイラに変事が起きているのは理解したが……どうするかじゃな」

 エドワードの言葉に、誰も彼もが沈黙する。

 どうするなどと言っても、一国の中枢を探るなど安易にできない。

 そう思い、沈黙する全員の前でミリアがすっくと立ち上がる。

「わたしは行きます」

 静かに、しかし深い決意を秘めた声音で宣言するミリア。

 威厳すら感じるその立ち姿に、エステルがひくりと喉を鳴らし涙を溢れさせる。

 止めたいと思いながらも、止めても無駄であるという事を理解したのだろう。

 言葉を出せず、ただただ泣いている。

「姉さんが行くなら、わたしも行きます」

 アリアもまたそう言って、ゆっくりと立ち上がる。

 何時もはどこかおどおどしている彼女が背筋を伸ばし、凛と立つ姿は美しく気高い。

 家族を守るという気迫を持つアリアは、マリール村に来て更に才能を磨いた。

 その自信故に、彼女は気負いもなくついて行くと口にしたのだろう。

「まぁ、オレも行くしかねぇと思う。なんつーか……清算の時、何だろうしな」

 おっとりとカズヤは言いながら立ち上がり、ミリアを見る。

「ミリア、オレとイザーク、そしてシキの意見を聞いてもらえるか?」

「ええ」

 唐突なカズヤの問いに、ミリアは頷く。

 同意を得たカズヤは涙を溢れさせるエステルをはじめ、この部屋にいる全員を見回しゆっくりと口を開く。

「オレ達は、ミシェイレイラを占拠しているのは闇の神官ではなくヴァンパイアだと思っている」

 この言葉に、思わず息を飲むのはエステルだけではない。

 フェルナン、そしてナディアでさえ絶句してしまう。

「理由は何かな?」

 静かな声で問うのは、クルトだ。

 冷静で、冷徹と言っても良い程翠の瞳には感情の色がない。

「話は半年以上前にさかのぼる訳なんだが、良いか?」

「無論。根拠があるなら、そこからお願いしたいですね」

 カズヤの問いに、ライルが頷く。

 先輩冒険者である彼らの言葉にカズヤはちらりとイザークと志希を見て、話していいのかとアイコンタクトしてくる。

 イザークは瞬きをするだけで意思を伝え、志希もまた頷く。

「ミリア、お前の秘密も話すぞ。いいか?」

 カズヤの静かな問いにミリアは目を瞠り、悔しげに唇を噛んで頷く。

 この二人のやり取りに、同じパーティ以外の人間は訝しげな表情を浮かべる。

 その視線を受けながらカズヤは全員を見回し、ゆっくりと口を開く。

「事の発端は、オレ達とミリア達が正式にパーティを組んで初めての依頼だと思う」

 カズヤの言葉に、志希は目を閉じる。

 あの時にミリアが聖女である事、ヴァンパイアロードの花嫁であるという事が分かったのだから。

「レッドウルフの群れを指揮していた変異種と戦った時に、そいつがミリアの背中部分の服と防具を爪で切り裂いたんだ。そこで、ミリアの背中にある印ってやつが見えた。その時に、変異種が主の花嫁だとミリアを指して言っていた」

「花嫁……レッドウルフの変異種を、使い魔にしていたヴァンパイアがいたという事かの?」

 エドワードの問いに、カズヤは頷く。

 そして、ちらりとカズヤはイザークを見てから言葉を続ける。

「ああ。そいつは相当力が強く、ミリアの成長を待っていたっていう話だ。間違いねぇな?」

「ええ。あの時、わたしはそう言われたわ」

 ミリアはカズヤの確認に頷き、法衣の上から自身の肩を抱く。

 屈辱と怯え、そして怒りが綯い交ぜになったその表情にエステルは唇を震わせる。

「ですが、ヴァンパイアの貴族と言えどわざわざ国を乗っ取るなどと言う事をするなど信じられません。大体にして、そのような事をしてどうなるのですか?」

「普通ならない、と断言できるだろうけどよ……普通じゃなかったら?」

 カズヤの静かな問いに、エステルはぽかんとした表情を浮かべる。

 しかし、カズヤは構わずに言葉を続ける。

「ミリアを狙っているのは、貴族のヴァンパイアじゃねぇ。レッドウルフの変異種を使い魔にし、裏で様々な策謀を巡らせる貴族以上の化け物」

「ば、馬鹿な!? そのような存在、伝承でしかないぞカズヤ!」

 カズヤの言葉に、フェルナンは怒鳴る。

 しかしカズヤはその声に応えず、ミリアを見る。

「ミリアの背中に花嫁の証を刻んだのはヴァンパイアロードと呼ばれる魔神級の魔物だそうだ」

 この言葉に、部屋の中がしんっと静かになる。

 目を丸くして、誰もがミリアを見る。

「……何故、そんな事が分かったのか聞いてもいいかの?」

 沈黙を破るように問いかけるのはエドワードだ。

 カズヤはその問いに答えるより早く、イザークが口を開く。

「俺が隠れ里から出てすぐ、見かけた文献に記されていた。禁書の類だったらしく、持っていた奴は殺され文献は失われたようだがな」

 イザークの静かな声音が奇妙な説得力を持って、部屋に響く。

 志希はイザークに嘘をつかせてしまった事に自己嫌悪するが、直ぐにそれを振り払う。

 そんな事をしてもどうにもならないし、建設的ではない。

 ゆっくりと部屋を見回し、驚愕に震えるミリアとアリアを見つめる。

 彼女達がミシェイレイラに向かわず逃げるのなら、パーティが一丸となって逃がすしかないだろう。

 だがしかし、ヴァンパイアロードが容易くそれをさせるような性格をしているとは思えない。

 仮に逃がしたとしても、心を折らせる為にじわじわと追い詰めてくるだろう。

 そんな想像をした志希が小さく顔を顰めると同時に、ミリアが青ざめたままではあるが凜と顔を上げる。

「わたしは行きます。故国が邪悪な存在、しかもわたしの両親の仇に乗っ取られていると聞いて逃げる事などできません」

 どれほど恐ろしい敵であるかは、ミリア自身が知っている。

 それでもなお彼女は逃げないと、立ち向かうと宣言したのだ。

 ミリアのその姿に、エステル司祭は再び涙を流し始めるが何も言わない。彼女の決意の強さを、意志の固さに気が付いたからだ。

「と言うわけで、うちのパーティは乗り込むことが決定してるんだ。クルト達はどうする?」

 重苦しい空気になると同時に、カズヤがおどけた様な声音で話をクルト達に振る。

 振られたクルトはフム、と一つ頷く。

「どうする、と問われても困るんだけどなぁ。僕たちは冒険者だ。君達は仲間の事情があるからこそミシェイレイラに行くんだろうけれど、僕らにはその義務も依頼もない。分かっているだろう?」

 クルトの言葉に、にやりとカズヤは笑う。

「ああ、分かっているさ。でも、この事はきちんと冒険者ギルドに報告するんだろ? ミシェイレイラに何が起きているのかを含めて」

「勿論だよ、カズヤ。何せ、あちらにある支部とも連携を取らないといけないからね」

 クルトも人の悪い笑みを浮かべ、頷く。

 遠まわしだがギルドに報告し次第、ミシェイレイラにある冒険者ギルドを訪ねると言っているのだ。

 ミシェイレイラの王都だけではなく、それなりに大きな街にも冒険者ギルドがある。そちらまで回るのは一パーティだけでは無理がある。だがしかし、ギルドからの依頼として他のパーティにもミシェイレイラを探る様にと言う依頼が出れば話は別だ。

 クルトはまずフェイルシアにある冒険者ギルドにミシェイレイラの冒険者ギルドへの連絡を取れるかの確認をし、もし取れなければそのままミシェイレイラ各都市への伝令として冒険者を派遣するように助言するつもりなのだ。

 一先ずは、話の真偽を確認する。

 それがクルトが示した、彼らの立ち位置なのだ。

 ミリアはエステル司祭と懇意にしているから、その言葉をあっさりと信じる事が出来る。

 しかし、クルトや他の人達にとっては真偽を見極めて動かなくてはならない。

 もしこの情報が偽物であった場合、下手をすればミシェイレイラと言う国を敵に回しかねないからだ。

 冒険者ギルドが冒険者たちをある程度保護したとしても、犯罪歴を付けられればその限りではない。

 なので、冒険者たちは国相手となりそうな依頼などは慎重に情報収集をするのだ。

 カズヤやイザークがそこまで慎重な動きをしないのは、志希の直感を信じているのと、エステルが話している姿を見ているからだ。

 嘘を吐く人間には、特徴がある。

 カズヤやイザークだけではなく、この場にいる殆どの人間はそれに気が付く事が出来る。

 無論、嘘を看過する魔術や奇跡の業もある。

 それらを使う事が出来る人間が多いこの場所で嘘はつけないし、何よりエステル自身に嘘を吐くメリットが何ひとつない。

 だからこそ、イザークもカズヤもエステルの話が真実であろうと推測できたのだ。

「では、俺達はそろそろミシェイレイラに出発するとしよう」

 イザークが静かな室内で、宣言する様にこの場の全員に告げる。

 エドワードは何かを言おうとして、しかし頭を振って杖を握りしめる。

 その苦悩の表情は、カズヤを危険と分かっているところへと行かせたくないと思っているのだろう。

「なんというか、僕が服を持って来たのはいいタイミングだったみたいだね」

 クルトは肩を竦め、そう言いながら己のパーティの面々を見る。

 彼らは一様に頷くと同時に、素早く立ち上がる。

「さて、イザーク達が往くのだから、わしらも行くとするかの」

 ベレントは首を鳴らしながら、にやりと笑う。

「温泉入ってゆっくりしたかったけれど、仕方ないわよね」

 盗賊の女性はそんなことぼやきながら、伸びをする。

 ライルはエドワードに一つ礼をし、仲間たちを促して部屋から出ていく。

「それじゃ、直ぐに後を追う事になると思うけど一旦別れるよ。変事があるとすれば、君たちがミシェイレイラに足を踏み入れてからになると思う。気を付ける様に」

 クルトはイザークにそう言ってから、今まで黙っていた志希を見る。

 その視線に気が付いた志希がクルトを見上げると、彼はそっと彼女の頭を撫でる。

「シキ。沢山怖い事が起きるかもしれないけれど、後悔の無いようにしてほしい。僕は必ず君の味方になるから、心配は要らないよ」

 優しい笑みを浮かべ、クルトはもう一つ志希の頭を撫でて手を離す。

 イザークに何やら悪戯が成功したかのような笑みを浮かべてから、エドワードたちに軽く会釈をして出ていく。

 クルトの言葉の意味を理解した志希は、胸が一杯になる。

 彼は、志希の特異性が他の人間達に知られたとしても、庇護すると言っているのだ。

 ヴァンパイアロードと戦う以上、志希程度の魔術の腕では助けにならない。

 最終的には、精霊を使役して戦う事になる。

 その時の保険を、クルトが用意してくれたのだ。

 志希はその心遣いに感謝を抱きながら、荷物を持って立ち上がる。

 カズヤ達もまた、荷物を持って部屋を出ていこうとすると慌ててエドワードとブラドが声をかけてくる。

「カズヤ、ちっとばかり待ってくれんかの」

「イザークもだ。ちょっと待ってくれ」

 二人に呼び止められ、思わず怪訝な表情を浮かべるカズヤ。

「爺さんたち、どうしたんだ?」

「どうした、ではないわ。カズヤ本人が言った事が本当であれば、呼び止めるのも当然じゃろう」

 若干どころではなくかなり不機嫌そうな表情を浮かべ、エドワードが言う。

 そんな彼に苦笑を浮かべつつ、ブラドが口を開く。

「そういう訳だ、少しエドワードとおれの為に時間を割いて欲しい」

 二人の言葉に、イザークはちらりとミリアとアリアを見てから頷く。

 今すぐにでも出発したいミリアは抗議しようと口を開きかけるが、志希が先んじて口を開く。

「カズヤの身内のお二人だもん、当然だよね」

 志希の言葉にミリアは目を見開き、次いで俯く。

 その内心は、カズヤやエドワードの気持ちも考えずに急かそうとした事を恥じているのだろう。

 しかし、そのような事で時間を割いている余裕はない。

「少しだけだぜ、爺さん」

 困ったような、しかし嬉し気な声音でカズヤは頷いた。


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