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神凪の鳥  作者: 紫焔
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第八十三話

 エルロイと紹介された神官と、ダレンと言う神官見習いの二人が大きめの木箱を持って皆が居る司祭の書斎に入って来る。

 イザークの要請に、ナディアとフェルナンが直ぐに応えたのだ。

 運ばれてきた木箱は濃厚な霊気を纏い、中の物に込められた無念が透けて見える程だ。

 志希とミリアは若干青ざめ、木箱を凝視する。

 その木箱の封印をエルロイが解き、中の物を用意されたテーブルの上に並べて行く。

 赤黒く変色した布切れと、刃が欠け落ちている剣と折れた剣。

 そして、色がすっかり変色した耳に付ける木で出来た装飾品。

 イザークは音を立てて歯を食いしばり、それらの品を見ている。

 志希もまた、その装飾品を見た事があった。

「何で……」

 震える声で呟き、テーブルの上の装飾品にそっと手を伸ばす。

「……知り合いか?」

 訝しげな表情で、カズヤが問いかける。

 志希は小さく頷き、装飾品を手に取る。

「ナディア司祭。他に、アールヴの女性の死体は無かったか?」

 イザークは隣で装飾品を手に取る志希の頭を撫でながら、低い声音で問いかける。

 怒りとも悲しみとも付かない感情を込めた声音に、ナディアは戸惑いの表情を浮かべながら口を開く。

「アールヴの女性の死体は、ありませんでした。発見した時には既に獣が荒らした痕跡もありましたので、もしかしたら巣穴に持ち帰られたのかもしれません」

 ナディアの返事に、イザークはそうかと頷く。

「この死体の墓は?」

「外に弔わせていただきましたが……お知り合いですか?」

「……俺の里の者だ。一月前、里長の娘が無断で出て来たのを連れ帰る任務で訪ねて来た」

 イザークの言葉に、アリアとミリアは志希を見る。

 先日、志希が悩みを相談した際に聞いた話しと合致したからだ。

「ほんの少しだけ、お話ししたんだけど。凄く気持ちのいい人達で……里に遊びにおいでって、誘ってくれたりして……」

 志希は声を震わせ、装飾品を胸に抱きしめる。

 パタパタと涙を溢れさせ、志希は嗚咽をかみ殺す。

「今回の敵は、かなり強いと思って置け。この二人、エリクとガリレオは俺より三十は下だが腕は立った。今のカズヤと、ミリアの強さを合わせた位だ」

 イザークはそう、遺品を見ながら淡々と告げる。

 この言葉にカズヤは顔を跳ね上げ、怒鳴ろうとする。

 知り合いが死んだ事に対して特に何も言う様子の無いイザークに、かっと頭に血が上りかけたのだ。

 だが、その横顔を見た瞬間にカズヤは息を呑む。

 いつもの様な無表情に見えるが、その目が凍てつくような怒りを湛えていたからだ。

 静かに、そして激しくイザークは憤っている。

 彼はそっと刃が欠けた剣と、剣身が折れた剣を手に取りナディアを見る。

「この二本は、俺が引き取る。里の方に、二人の死を伝えねばならない」

「は、はい。どうぞ、ご家族の方にこちらで弔った事をお伝えください」

 ナディアはそう言って、頭を下げる。

 あまりにも強い怒りに、ナディアが若干委縮しているのだ。

 それを見ていたエドワードが口を開こうとするが、それより早くカズヤが口を開く。

「イザーク落ち着けって。それじゃなくてもお前、怒ったら変な迫力あるんだからよ……ナディアおばちゃん怯えるだろ?」

 カズヤはわざと軽く言って、イザークの背中を叩く。

 言われたイザークはむっと小さく唸り、大きく息を吐く。

 それだけで、イザークの先ほどまで湛えていた怒りが薄くなる。

「申し訳ない」

「いえ……お知り合いの方だったのですから、憤るのは当然の事です。そして、悼む気持ちも……」

 ナディアはそう言い、そっと目を閉じ小さく祈りの言葉を呟く。

「今だ霊気を纏っておりますので、これらの品々には浄化を施した方が良いと思います。ですが、今の状況で浄化の儀式をするのは難しいのです。現在、教会にいるエルシル、ヴァルディルの両神官は結界を維持する為に法力を少しずつ使っている状況です」

 この言葉に、ミリアは目を瞠る。

「聖法具を使っての結界だと思っておりましたが、儀式結界なのですか!?」

 ミリアは思わずと言った様に、ナディアに問いかける。

「はい。以前はあったのですが……管理していた宝物室から、消えていたのです」

 ナディアは肩を落とし、そう告げる。

 この言葉にミリアは険しい表情を浮かべ、口を開こうとして頭を振る。

「取り敢えず、こちらの品物を元の場所に戻しておいてもらいましょう? いつまでも出しっぱなしにしていたら、霊気で司祭様達の負担を大きくしてしまうから」

 そう言って、笑顔を浮かべてミリアは言う。

 唐突なその変化にカズヤは訝しげな表情を浮かべるが、それに関しては言及せず頷く。

「そうだな。浄化してから、改めてイザークの里ってところに送るもんを選別すりゃいい。ほら、シキ。それ、元の場所に戻せ」

 カズヤに促され、志希は涙を拭いながら頷き、元の場所にそっと装飾品を置く。

「では、失礼します」

 エルロイはそう言って、大事に遺品を箱にしまい封印を施す。

 そして、神官見習いのダリルに合図をして木箱を持って共に退出する。

「では、改めて休憩をとるとしよう」

 フェルナンはそう言って、部屋の外に出ようとする。

 しかし、カズヤがそれを止める。

「ちょっと待ってくれ。儀式魔法と聖法具ってのの違い、説明してくれないか?」

「? 唐突に、どうした?」

 ブラドが不思議そうな表情を浮かべて問いかけると、カズヤが苦笑する。

「皆には悪いが、内通者の炙り出しに使えるんじゃねぇかって思ってさ」

「……しかし、下手を打てば全員の命を危険にさらす事になるぞ?」

 エドワードが渋い表情で言う。

「このままここにいて、徐々にリビングデッドの数を増やすよりはるかにましだろ? それか、何回かに分けて村人を外へと逃がすかのどちらかしか方法はねぇ」

「どちらにしろ、危険な橋を渡るのは変わらないと言う事か」

 フェルナンが難しい表情を浮かべ、呟く。

「どちらを取っても、村人を危険にさらす事は変わらない。ならば、少しでも生存確率が高い方を採るべきだろう」

 イザークはそう、諭す様に告げる。

 その言葉を聞きながら、志希はふっと気がついた事を口にする。

「死霊術師って、この結界に入ってこれるの?」

 今までの会話から、協力者がいるであろうと言う事は分かった。

 だがしかし、何故死霊術師本人ではなく、協力者だと分かったのかが不思議に感じたのだ。

「生者であれば、入ってこれる事は間違いありません。ですが、小さな村ですから……見知らぬ人間が居れば直ぐに分かってしまいます」

 ナディアの説明に、アリアが小さく唸る。

「結界を張る魔道具が使えるのであれば、幻術で村人の一人になり済まして入って来るものではありませんか? 強い、と言うのであれば中に入り込み、内側から村人達を崩壊させる方が早いと思います」

「だが、それが無い……?」

 アリアの言葉に、志希が応えるように呟くとエドワードが頷く。

「わしらも、最初は訝しく思っていた。そこで出た結論が、この死霊術師は幻術が使えないのだろうと言う事じゃ。死霊術師の力量が高くとも、魔術師としての力量が低ければ幻術は扱えんからな。それに、堂々と顔を晒し嘘をついて入ってきたとしても、不審な人物としてわしが魔術を使って詮議をするからの」

「それに、私達ヴァルディル信徒は相手の善悪を問う奇跡が使えます。現状、死霊術師がこの教会に入りこむのは難しいでしょう」

 フェルナンとエドワードの言葉に、イザークは成程と頷く。

「だからこそ、協力者をあぶり出す必要があると言う事か」

 イザークの言葉に、志希は頷く。

 魔術と奇跡は、魔力と法力を消費して使用するものだ。

 教会にいる全ての人間に駆けて回るのは効率が悪い上に、術者の疲労が半端無くなる。

 なのであれば、罠を仕掛けてあぶり出すのが最も手っ取り早いのだ。

 だがやはり、無辜の村人達の命を賭けなくてはならなくなると言うのは受け入れがたいのだろう。ナディアとフェルナンは無言で顔を顰めている。

 その二人を置いておいて、エドワードが口を開く。

「カズヤの質問には、わしが答えておこうかの」

「あ、ああ。頼む、爺さん」

 カズヤの言葉にうむと頷き、エドワードは儀式魔法と聖法具の違いの説明を始める。

「聖法具とは決められた奇跡が込められた物じゃ。法力を通す事でその奇跡が発動する。まぁ、魔道具と一緒じゃな。法力の消費は使用時の分だけで良く、後は決められたコマンドワードで効果を切る事が出来るんじゃな。聖法具と魔道具の違いは、一度使ったら壊れる物が大半である事じゃ。この教会にある物は複数回使用できる珍しい聖法具でな、フェルナンが個人的に所有しているのじゃよ」

 エドワードの言葉になるほどと頷くカズヤと志希。

 志希は、知識の広がりにもなるこの説明に有り難がっていると、ミリアが口を開く。

「儀式結界は一人の術者が発動する物なのだけれど、大きな結界を作る際には補佐が必要になるわ。結界が発動すれば、後は維持をする為に結界の起点の陣に法力を注ぐ神官が居れば良いと言う形。今張っている法力結界の規模的には、維持に二人から三人の神官が起点の陣で法力を注がなくてはいけないわ。それも、大体二刻から三刻程だけ。それでも、かなり疲れる筈よ」

 ミリアの説明に、感心した表情を浮かべてエドワードは頷く。

「随分と良く知っておられる神官殿じゃ」

「両親ともにエルシル様にお仕えしておりましたので、わたしも自然と覚えただけの事です」

 そう言って、ミリアは頭を下げて口を挟んだ事を謝罪する。

 エドワードは気にするなと手を振り、ゆっくりとナディアとフェルナンを見る。

「して、どうする気じゃ? お二方」

「おれとエドワードの意見は、小僧っ子たちと同じだ。ここで救助を待つにしても、村人達が協力者によって犠牲になるのを止めなくちゃならねぇ。それを考えたら、多少危険でもやる事やっておくべきだと思うぜ」

 ブラドはそう口添えをして、ナディアとフェルナンの判断を待つ。

 苦悩する様に眉間に皺を刻むナディアの肩を叩き、フェルナンがゆるく頭を振る。

「申し訳ないが、もう少し考える時間が欲しい。他に良い手があれば、そちらを実行したい」

「分かった」

 この返事は予測していたのか、ブラドは頷く。

 だが。

「あの……エルシル、ヴァルディルの神官含めて皆が怪しいって事を理解してますよね?」

 おずおずとした志希の問いかけに、四人の表情が凍る。

「な、何を言っているのかね?」

 フェルナンが思わず、きつい声音で詰問する。

 神官が、わざわざ死霊術師の肩を持つ事などまずあり得ない。

 何よりもエルシルもヴァルディルも不死者に対して厳しい神々だ、その神官も不死者を作る事が出来る死霊術師には良い感情はない。

 志希の言葉は、この教会の神官達を馬鹿にする物であると捕らえたフェルナンは志希を睨みつける。

 志希は睨まれた事に思わず肩を竦めるが、それでもと自身の考えを告げる。

「だって、外が危ないのを周知しているのに村人達が外に出るのはどうしても変です。強引に連れ出せば、絶対争いにだってなる筈です。外に出たいと言う人達でも、外にあれだけの数の不死者達が居る。そこに、力自慢の人間が一緒に行くと言って出て行くと思いますか? そう考えれば、教会の関係者が一番怪しいです」

 志希の言葉に、思わず息をのむフェルナン。

「それに、あり得ないはあり得ません。可能性と言うのは常に頭に置いておかないと、何かがあった時には足を掬われかねません」

「だ……だが……」

 フェルナンがそれでもと反論しようとするが、それをカズヤが遮る。

「あー……シキの言う事は頭に留めて置いてくれるとありがたい、です。それにまぁ、オレも同意見なんで」

「か、カズヤ、何て事を言うのですか!」

 ナディアが思わず叱る様な声を上げ、椅子から立ち上がる。

 しかし、それを抑える様にブラドが腕を引く。

「まぁ、少し落ち着けや。それに何より、言われてみりゃその通りだ。村人の動向に目を光らせていても、一向に状況が改善されねぇ。どう考えても、おかしいだろ。そうなりゃ、見落としているのは教会内部の人間だ。毎日お勤めしている奴らも、教会内部に元々居た人間も協力者だと疑った方が腑に落ちる」

「ブラドまで!」

「いや、わしも同意見じゃ。まったく……言われるまで思いつかんとは、わしも耄碌した物よ」

 エドワードはかんらかんらと笑い、髭を撫でている。

「お前達まで……私達の信仰を、馬鹿にしているのか!?」

 フェルナンは椅子から立ち上がり怒鳴り、拳を震わせている。

 ナディアもまた怒りに青ざめ、睨みつけている。

「落ち着いてくださいナディア司祭、フェルナン司祭。貴方達の信仰を馬鹿にしているわけではありません。けれど、貴方達の厚い信頼を盾に村人を殺している人間が居る可能性がある事は理解してください」

 ミリアはそう、強い眼差しで二人に告げる。

 フェルナンとナディアはミリアの気迫に目を瞠り、言葉を詰まらせる。

 皆が言っているのは教会関係者に協力者が居るのではないかと言う推測であって、決して二人の司祭の信仰を馬鹿にしているものではない。

 だがしかし、教会を預かる身である司祭の二人には、教会内部に協力者がいるかもしれないと言うのは自分達が弟子に教えた事は間違っていたかのように思えてしまうのだ。

 頑なに、それを信じたくない二人に志希は思わず嘆息する。

「頑迷だな」

 イザークが思わずと言うように呟くと、ナディアが抗議する。

「当たり前です。わたし達が弟子に教えた事が間違っていたかのように言われるのは、我慢なりません!」

「間違えているのは、今のあなた達が感じている事です」

 ミリアはきっぱりと、ナディアの言葉を否定する。

 この言葉にナディアは青ざめ、次いで頬を紅潮させる。

 神官として下位であるミリアに自身の信仰を否定された、そう感じたのだ。

 それを見ていたミリアは真っ直ぐにナディアを見て、告げる。

「貴方達が今感じている感情は、司祭位としての自身の矜持からの物です。信仰は、自身が信じ行う物。それを否定されても貫くのが、神に仕える者達ではありませんか。今のナディア司祭の言葉は、信仰では無く地位に対しての物にしか聞こえませんでした」

「なっ……!」

 ナディアはミリアの断言に絶句し、怒りに腕を震わせる。

 まずい雰囲気になってきた事に気が付いているが、この話し合いを終わらせなくてはどうしたって事は進まない。

 それを理解している皆は、さてどうするかと息を吐く。

「取り敢えず、教会の責任者としての言葉なんだからミリアもあんまり追い詰めないの。教団に属していれば、どうしたって身分が出来ちゃうのは仕方ないでしょ? ミリアだって、それは理解してるんじゃないの?」

 志希はわざと明るく問いかけ、ミリアを見る。

 ミリアは一瞬志希を睨むが、仕方がないと息を吐く。

「ええ、分かっているわ。身分に対して責任と言うのが生まれるのは、嫌という程。でも、村人達の命を無為に散らせるのか、責任を持って守り続けるのかと言う選択を、間違えて欲しくなかったの。それに、責任を感じているのであれば内部の間違いを正す事を優先すべきだと思うし。ミシェイレイラのエルシル教団上層部の様に、人命では無く名誉の為に人を切り捨てられるのを見るのは御免だわ」

 ミリアは吐き捨てる様に言い、ナディアを見る。

 見られたナディアは、そこで初めて自分がミリアにどう見られていたのかを悟る。

 己の名誉の為にやらなくてはいけない事をせず、村人達を見殺しにしようとしているように映っていた。

 人として以上に、エルシルに仕える者として最低の行為をしている者として見られていたのだと。

 ナディアは悟った瞬間に己を恥じ、俯く。

「そうですわね……確かに、そう見られても仕方がないですわ」

「私達はそのような事を……」

「無意識にしようとしていたと言う事ですわ、フェルナン。それは、わたしの神にもあなたの神にも反する行いです」

 ナディアはフェルナンの言葉を遮り、小さくエルシルに許しを乞う言葉を呟いてから椅子に座りなおす。

「言われてみれば、その通りです。貴方達が指摘した事に、わたし達は無意識に目を背けていたのでしょう。己の司祭としての矜持に関わる事ですから」

 ゆっくりと、噛み砕く様に呟く。

「……認めたくはない。だが、そう言う事なのであろうな」

 フェルナンは苦い声音で、ナディアの言葉に同意する。

 客観的に己の行いや言動を見られる人間は、殆どいない。

 だがそれでも、言われた事をよく吟味し理性的に受け入れる事をしたフェルナンは、人間として出来ているのであろう。

 頑固ではあるが、愚かでは無いと言う証明だ。

 二人の司祭が溜息をつき己の言動を恥じている最中、イザークは口を開く。

「では、これからどうするかを早く決めるべきだな。教会内部の人間だと言う事も視野に入れれば、今こうしている時間も惜しい。生存者の中でも力を持っている者達が一つの部屋に集まり、会議をしている。協力者にとっては好機以外の何物でもない」

 この言葉に、全員ははっとした表情を浮かべる。

「……多少危険だが、結界の起点場所に村人全てを集めよう。陣の一部を消されようと、直ぐに書き足せば即興で小さな結界を作る事も出来る」

 フェルナンはそう決断し、ナディアも頷く。

 かなり強引な方法ではあるが、ゆっくりと会議をする事も出来ない。

 この様な状態が長く続けば、その分だけ村人たちへの負担も増す。

 その負担を少しでも軽くするためにと、二人の司祭は決断を下した。

「んじゃま、もてなしはまた後でかな。疲れてるだろうが、もう一踏ん張り頼むぞ」

 エドワードはそう言いながら、杖を手に椅子から立ち上がる。

 ブラドもまた、腰に下げている短刀を確認してから立ち上がり、頷く。

「では、私達は神官達に起点の部屋に集まる様に指示を出して来ましょう」

 ナディアとフェルナンが同意し、これで事態が動き出すと志希はほっと安堵の息を零す。

 少しでも良い方向へと、事態が動き出した事が嬉しい。

 エドワード達が部屋を出て行くのを見送りながら、志希はカズヤに問いかける。

「それじゃ、何をすれば良いかな?」

「儀式の起点部分の護衛だ。少し休んだら、オレ達も移動しようぜ」

「はい、わかりました」

 アリアは頷き、荷物から水袋を取り出す。

 それを見て、志希もまた荷物から水袋を取り出し喉を潤す。

 室内に残った志希達は、それぞれに休憩を取り始めた。


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