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神人類  作者: maow
第二章
34/45

第三十四話 この国で最も天国に近い場所

マカミ:「すごい数だな」


 ヒカルの後を追って、極島タワーの近くまでやってきたマカミたち。極島タワーの周囲では百人近い人狼にされた極島の人たちが辺り一帯を当てもなく徘徊していた。


マカミ:「全員目が逝ってるな」

スノウ:「うじゃうじゃいて気持ち悪いわね」

ヒカル:「…………」


 ゾンビ映画のような光景が目の前に広がる中、ヒカルは一人、極島タワーの最上部の展望デッキをジッと睨みつけていた。


ヒカル:((かたき)は必ず討ってやるからな)


 ヒカルの視線からマカミとスノウも(ウェルフ)が極島タワーの最上部にいることを悟った。


 問題は、どうやって自分たちがいる地上部からウェルフのいる高度七百メートルの極島タワー展望デッキまでたどり着くか。


 マカミとヒカルは思考を巡らせた。


マカミ:(この数だ。こそこそ隠れるより強行突破する方が無難そうだが…………)


 周囲を徘徊するゾンビ軍団――もとい人狼たちの群れの中にいる、一際存在感を放つ屈強な(たぶん)にマカミとヒカルは視線を動かした。


ヒカル:(この中で一番俺たちの障壁となるのはやはり――)

マカミ:(あの(オカマ)か)


 マカミたちと同じ神人類であり、ヒカルの仲間である正騎士――ポセイドン・アビス。


マカミ:(できるだけ戦闘は避けたいところだが…………)


 次にマカミとヒカルの視線が、ポセイドンからポセイドンの肩に座るアッシュへ移動した。


ヒカル:(不意を突こうにも、向こうにはアッシュがいる)

マカミ:(あいつらに見つからず、隙を突いて(極島タワー)内部にある展望デッキ直通のエレベーターに乗り込むのは至難の業だな)


 アッシュの神の御業――共鳴同調(シンクロニシティ)。信頼し合っている仲間同士の感覚を共有する神の御業。今、アッシュはアッシュ自身とポセイドンの感覚を無意識に共有している。


 人狼化――自我を失った影響で、能力が暴走しているのだ。


 共有される感覚には当然、視界も含まれる。


 アッシュの神託がある以上、ポセイドンは今、実質目玉を四つ持っている状態と言える。


マカミ:(子供の方は非戦闘員だからそこまで(強行突破に)問題なさそうだが、あのオカマは見るからに手練れの動きをしていたな)


 ポセイドンとは実際にやり合ったわけではないが、一度本気のマジパンチを受けたただけでマカミはポセイドンの実力をある程度、看破していた。


マカミ:(間違いなくあの女たちよりも数段、格上の相手だ――殴り合いだけなら下手するとアイツよりも)


 ふと、マカミの脳裏にかつて死闘を繰り広げた神に最も近い男――(記憶にある中で)今までマカミが戦った中で一番強かった男の姿が浮かび上がった。


ヒカル:(被害の拡大を防ぐためにもできるだけ早くこの状況を解決したい。建物内部からの侵入が難しいとなると、残るは――)


 ヒカルとマカミの視線が同時にこの事件の元凶――ウェルフがいる極島タワー展望デッキへと向けられた。


マカミ:(足を化神化させたとしても、あの高さまで跳ぶことはできないな)

ヒカル:(俺の翼ならぎりぎり展望デッキまで飛ぶことができるな)


マカミ、ヒカル:「………………………………」


 マカミたちの作戦が決まった。




★★★




包帯を巻いた男:「考えはお変わりになられましたか、井坂総理」


 極島の街のどこかにある、政府要人ご用達の秘密の部屋。


外の世界から完全にシャットアウトされたこの部屋で共和国の使者、四面楚歌の一人――包帯を巻いた男と井坂総理は密会していた。


井坂総理:「変わるわけないだろ」


 ソファに向かい合って座る二人。二人の間に置かれた机の上には、包帯を巻いた男の通信機器が無造作に置かれていた。


 通信機器の液晶画面には、極島タワー周囲を多くの人狼になった極島の人々が徘徊する映像がリアルタイム映像として映し出されていた。


井坂総理:「君たちが何をしようが、我が国は決してテロには屈しない。それはこの国が極島になる以前から受け継がれてきた、決して破ってはならない鉄の意志(掟)だ」


 井坂の確固たる視線を前に、包帯を巻いた男は軽く肩を竦めてみせた。


包帯を巻いた男:「そんな古臭い信念なんかを大事にするより、今目の前にある状況を受け止めて利口に立ち回る方が賢明だと思いませんか…………人間は適応して生き残って来た生き物でしょ」


 そう言うと、包帯を巻いた男はソファから腰を上げた。


包帯を巻いた男:「第二次人類大戦、この国がもっと早く信正騎士団と手を組んでいればこの国の被害はもっと少なく抑えられたはずですよ」

井坂総理:「…………」


 第二次人類大戦。極島――旧日本がこの大戦の被害を受けるのは大戦がはじまってからしばらく後の事だった。


 故に第二次人類大戦開戦当初、この国の多くの人々は毎日のように世界中で起きていた惨劇をどこか遠い異世界の出来事であるかのように傍観していた。


 いわゆる、対岸の火事である。


 包帯男の言う通り、あの時もっと早く当時の政府が信正騎士団と協力関係を結んでいれば、大戦の被害をもっと最小限に抑えられ、極島は今の形になってはいなかっただろう。


 そして、あの時信正騎士団と協力関係を結べていなければ、この国は大戦の余波ですでに壊滅して瓦礫の島に変わり果てていただろう。


井坂総理:「自分たちの保身のために、今度は命がけで国を守ってくれた信正騎士団を裏切れというのか」

包帯を巻いた男:「所詮、信正騎士団は民間の一企業。用が済んだのならとっとと捨ててしまうのが利口な選択でしょう。その方が身軽で済みます」


 男の発言を聞き、井坂はしばらく沈黙した。そして――


井坂総理:「君の発言はまるで人の皮を被った機械がしゃべっているみたいだ」

包帯を巻いた男:「…………」

井坂総理:「君は何も分かっていない」


 井坂もまたゆっくりとソファから腰を上げた。


井坂総理:「私がこの国の総理としてするべきことは私腹を肥やすことでも、つまらんコネクションを増やすことでもない。私がこの国の代表として身命を賭して果たさなければならないのは、この国の未来を守ることだ。将来――この国の未来を生きる国民たちが少しでも安心して幸せに暮らせるように」


 井坂はこれまで幾度も非道かつ冷酷な判断を下してきた。時には自らが下した判断で自分の命を危険に晒すこともあった。


 それでも井坂が、自分が今まで下してきた選択(決断)を後悔したことは一度もなかった。国の将来(政治)に関しては…………


井坂総理:「すねに傷があるとはいえ、極島で暮らす人々を使って街を破壊する君たちと日々命懸けで悪意ある神人類から民を守っている正騎士たち。どちらが我が国の未来に必要な存在であるか、議論する余地はあるかね」


 男は机の上の画面を拡大させ、より極島タワーの周りで徘徊する意思失き人狼たちの姿を井坂へと見せつけた。


包帯を巻いた男:「未来とは今がある程度盤石な人間が視るものですよ。今のあなたたちにそのような夢を見る余裕がおありで」

井坂総理:「希望はまだある」


 男を見る井坂の眼は力強い。


 心の底から井坂はそう信じていた――


包帯を巻いた男:「希望というのは息子さんのことですか」

井坂総理:「っ――」


 男は井坂の強い意思の宿った瞳を、たったの一言で揺るがした。


包帯を巻いた男:「あなたの息子さんはすでにお亡くなりになったはずですよ。まさか、あの出来損ないの出がらしを希望なんて言っているんじゃないですよね」


 井坂には血のつながった息子が二人いた。一人は今サイカと共にフランケンと対峙している井坂冬紀(いさかふゆき)、そしてもう一人…………


包帯を巻いた男:「井坂家の面汚し――そう言っていたのは他の誰でもない、あなたご自身でしたよね」

井坂:「……………………」




★★★




 信正騎士団極島支部


フランケン:「グルォオオオオオオオオオオオオ」

サイカ;「くっ――」

フユキ:「サイカさんっ」


 フランケンの重たい一撃を鬼神棍棒(神器)で受け止めたサイカだが、威力を殺しきれずサイカは壁まで吹き飛ばされた。


サイカ:(攻撃自体はすごく単調だけど、一発一発の威力がけた違いに上がってる。これがあいつの神の御業――)

フランケン:「デュフフフフフ」


 フランケンの神託は、能力の神託。


 神の御業――能力操作(パラメーターいじり)は自身の知力・筋力・神意の能力を数値化しそれぞれの能力(パラメーター)に自由に割り振ることが出来る能力。


 能力発動前の、素のフランケンのパラメーターが知力九十・筋力二十・神意七十。


 フランケンは今、自身の神の御業により知力を、最低限自我を保っていられる十にまで下げ、浮いた分の能力(パラメーター)を全て筋力に全振りしている。


サイカ:「フユキ、今すぐにここから離れなさい」

フユキ:「さ、サイカさん」


 壁にめり込まされた体を引き離しながら、サイカはフユキに今すぐここから撤退するよう指示を出した。


サイカ:「被害が拡大する前に支部内部と建物周辺にいる人たちを避難させて。コイツは――私が何とかするわ」

フユキ:「…………」


 サイカの指示が意味することは、つまり――あんたがここにいても足手まといになるだけだから早くこの場から離れて、身の安全を確保しなさい…………ということである。


 サイカの指示を聞き、フユキはしばらくその場で硬直した。


『迷うなっ』


フユキ:「っ――」


 フユキの脳裏に在りし日の、相棒の言葉が思い起こされた。


『迷ったら、自分が正しいと思った方に迷わず足を動かせ』


 前の相棒――先の大戦で名誉の殉職を遂げた高宮秋の言葉がフユキを動かした。


フユキ:「わかりました」


 そう言ってフユキはサイカを残して部屋から駆け出した。


フランケン:「げへへへ、(てい)の良い厄介払いだな」

サイカ:「それは本人が一番分かっているわよ」


 サイカは再び、フランケンの前へと立った。


サイカ:「私の相棒に恥をかかせた罪、あなたの体できっちり払ってもらうわよ」

フランケン:「げへへへ、おもしろい」


 二人は互いに、手に力を込めた。




★★★




 ウェルフにより人狼にされた人々が徘徊する極島タワー、地上部。


マカミ:「おい、でかぶつ」


 マカミはポセイドン目掛けて、小石を投擲した。


ポセイドン:「っ――」


 たまたまマカミの近くに落ちていた神意を纏っていないただの路傍の小石なのだが、ポセイドンは石が当たる直前に自身の逞しい腕で小石を払いのけた。


 周囲を徘徊していた人狼、そして同じく人狼と化したアッシュとアッシュの御業の影響で疑似人狼と化したポセイドンの視線が突如現れた異物――マカミへと集まった。


 その瞬間、建物の影に隠れていたヒカルはマカミがいる方向とは逆、なるべくマカミに視線を向けている人狼たちの視界に入らないよう身を屈めながら、一気に駆け出した。


ポセイドン、アッシュ:「っ――」


 マカミに気を取られていたせいで、ポセイドンたちの反応が一拍、遅れた。


 ヒカルはすぐさま化神化して天使の翼を顕現――飛翔した。


ヒカルの近くにいた人狼:「アアッ」


 近くにいた人狼が飛び立つヒカルに向け手を伸ばすが、もう遅い。それよりも早くヒカルは七百メートル頭上にある極島タワー展望デッキに向かって飛び立った。


マカミ:「…………」


 マカミの役目はこの場にいる人狼とポセイドン、アッシュたちの注意を引き、ヒカルを無事、極島タワー展望デッキにいるウェルフの元へ飛ばすこと。


 不本意ではあるが、マカミはウェルフの対処をヒカルに任せることにした。


 自身では展望デッキにいるウェルフの元まで行くのに時間がかかりすぎる。その間にどれほどの被害が生じるか分からない。


 彼女ならきっと…………自分の手柄より街の人々の命を優先するはずだ――


 ヒカルを送り出し、囮として地上に残ったマカミにはもう一つ大事な役目がある。


ポセイドン:「…………」


 この中で最もヒカルの後を追わせてはいけない相手、この場で一番の脅威かつこの場で一番の実力者でもある信正騎士団の正騎士、ポセイドン・アビスをこの場に足止めしておくこと。


マカミ:「…………」

ポセイドン:「…………」


 二人の視線が、真正面から激突した。




★★★




 極島タワー、展望デッキ。


ウェルフ:(たく、まだ交渉はまとまらねえのかよ)


 人狼ハザードを起こす極島の街を尻目にウェルフは片手に持っていたグラスの中のワインを一気に飲み干した。


ウェルフ:「ゲッッフ」


 ウェルフの目的は自身の能力で街に残った人間を人狼に変え、パニックを起こすこと。これを交渉材料にウェルフたちは自分たちの無理難題な要求を政府の要人たちに飲ませようとしていた。


ウェルフ:(試しに何人か舌でも噛ませて、自害させるか。そうすれば少しは(交渉が)進展するだろ)


 最大の障壁である、信正騎士団極島支部の新しい支部長――鬼島彩夏はフランケンが足止めをしている。


 今、ウェルフの凶行を止められる者はこの街に誰もいない(ウェルフはそう思い込んでいる)。


 しばし、ウェルフは自分がまるでこの極島(国)の王様になったかのような錯覚に陶酔していた。


ウェルフ:「外が騒がしいな」


 人狼たちには極島タワー周辺を適当に見回りするよう命令を出してある。


 見回りの意図もあるが、それ以上にこの惨状を見せつけることで政府要人たちとの交渉を少しでも自分たちに優位にする狙いがあった。


 アッシュの御業と違い、ウェルフは人狼(自身の手駒たち)と視覚や聴覚といった感覚を共有することはできない。


 間接的に外の様子を知る術をもたないウェルフは直接自身の目で外の様子を確かめるため、一番騒がしい音の聞こえる展望デッキの窓ガラスへと近づいた。


ガシャンッ


 その瞬間――極島タワー展望デッキの分厚い窓ガラスを割り、ヒカルが展望デッキ内部へと突入した。


ウェルフ:「てめぇは」


 化神化により天使の翼と光の輪を顕現したヒカルは展望デッキのある高さまで飛翔、展望デッキの分厚い窓ガラスを光の剣で切断し、そのまま弾丸のようにスクリュー回転しながら近くにいたウェルフに向かって斬りかかった。


ウェルフ:「ぐっ――」


 ヒカルの、敵の不意を突いた一瞬の速攻奇襲斬撃。


 下手に躱すよりも、自身の肉体を強化した方が、傷が浅く済むと本能的に悟ったウェルフはヒカルの剣が自身の体に触れるよりも先に化神化――自身の肉体を二足歩行の巨大な狼に神化させ、ヒカルの攻撃を受け止めた。


ヒカル:(浅いっ)


 ウェルフの肉体を浅く斬り裂いたヒカルは、そのままスクリュー回転して突き進み、入って来た窓とは反対側にある窓を強く蹴って反転、もう一度ウェルフに向かって斬りかかった。


ウェルフ:「そう何度も受けると思うなよ」

ヒカル:「っ――」


 再び、斬りかかって来たヒカルの光の剣をウェルフは化神化した狼の腕で掴むとそのまま、力ずくで粉砕した。


ウェルフ:「がはっ――」


 光の剣を構成していた光の粒子が周囲に拡散――すると同時にヒカルは翼を使い空中で回転。回転の勢いを利用してウェルフの顎を蹴り上げた。


ヒカル:(貴様だけはこの俺の手で、息の根を止めてやる)


 ヒカルは再び光の剣を顕現、ウェルフの体を斜め十字に切り裂いた――




│─/│\─│




 時は遡り、人狼の群れに襲われるエルザたちの元へヒカルが駆けつけた――


ヒカル:「エルザっ」

エルザ:「ひ、か、る」


 それが、エルザの見た、最期のヒカルの姿だった。


ヒカル:「エルザぁあああああああああああああああ」


 人狼の爪がエルザの頬を掠めた。


 直後、エルザは自身の愛剣――ある神人類の神の御業で創られた特別な金属で造られた神人類を殺せる特別な剣――で近くにいた二人の仲間を斬り伏せた。


ロック:「ぐはっ――」

オクティ:「え、エルザ、さ、ん」

ヒカル:「っ――」


 ウェルフの能力、傷をつけた相手を人狼に変える能力は神人類なら神意を自身の身に纏う神依で容易に防ぐことができる――だが、エルザは神人類ではない。


 エルザは旧人類。


 エルザに深い致命傷を負わされた二人は、普段では想像もつかないほど慌てた様子で自身に向かって走るヒカルの姿を目に焼き付けながら、意識を二度と戻ることのない深い闇の中へと沈ませていった。


ヒカル:「ロックっ、オクティっ」


 ヒカルが駆け寄った時にはすでに、二人は物言わぬ肉体に変わり果てていた。


エルザ:「ア、アアア」


 目の前には理性を失った人狼――エルザの姿が――


ヒカル:「…………」


 ヒカルは無言で立ちあがった。


ヒカル:(元凶の神人類の息の根を止めれば、人狼化(能力)も解け、(人狼たちは)元の人間に戻ることができるだろう…………再び、人狼になる前と同じ日常に戻ることが出来る、だが――)

エルザ:「――」


 理性を失いヒカルに襲いかかるエルザ。


ヒカル:(一度失わってしまった(もの)が、戻ってくることは――ない)

ヒカル:「……………………」


 ヒカルは光の剣を顕現し、襲いかかって来たエルザを斬り捨てた。


エルザ:「がっ――」


ヒカル:(お前たちの仇は必ず俺が討ってやる)

人狼となった元旧人類:「ギャアッ」


 すぐさま四方八方から元極島の旧人類たちがヒカルに襲いかかってきた。


ヒカル:「…………うるせえ」


 ヒカルはその場にいた人狼――元極島の旧人類たちを一人で全員、皆殺しにした。




★★★




 極島のとある場所。


太った男:「ふう、ふう」


 窓も何もない部屋で高そうなスーツを着た男が極島のとある場所で椅子に縛り付けられ、監禁されていた。


 太った男の目の前にはフードを被った謎の???。


???:「答える気になった」

太った男:「ふー、ふー」

???:「そう――」


 ???は男が首を横に振ったのを見て、椅子の手すりに縛り付けられた男の指を一本摘(つま)むと、あられもない方向へ躊躇なく折った。


太った男:「?\&%$”%$@?/!!!%&’’$#%%&$#%!!」

???:「安心して、まだ代わりは九本もあるから」


太った男の汚い叫び声が部屋中に響き渡る中、???はまた一本、また一本と椅子に縛り付けられた男の指を摘まんでいった…………



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