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【コミカライズ4巻発売中】うちの王太子殿下は今日も愚かわいい~婚約破棄ですの? もちろん却下しますけれど、理由は聞いて差し上げますわ~  作者: メアリー=ドゥ
第二章

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さ、本番ですわ。


【民衆】側の役職

 『民衆』:特に何も能力のない人

 『神官』:『王のしもべ』から、『民衆』を一人守ることが出来る人。

 『預言者』。神のお告げにより、怪しいと思った一人が『王のしもべ』かどうかを知れる人。『狂信者』は人間なので『民衆』だとゲームマスターから伝えられる。


【王のしもべ】側の役職

 『王のしもべ』:夜になるたびに『民衆』側を生贄に捧げる人外の存在。

 『狂信者』:不死なる王を崇めており、『王のしもべ』ではないが『王のしもべ』に協力する人間。


【第三勢力】の役職。

 『魔術師』:妖魔ジンとの取引で、追放された者が『王のしもべ』であったかどうかを知れる人。『狂信者』に関しては、『預言者』と同様。


 

「今日も王国の夜が明け、朝がやって参りました。『王のしもべ』は、昨晩生贄を拐わなかったようです」


 ヘジュケに代わりゲームマスターとなったメルフィレスが、微笑みと共に告げる。


「議論時間に移りましょう。今回、多くの『民衆』に怪しいと目された人物は……ウォルフ殿下です」

「オレか!」


 流石に少しルールを理解したらしいウォルフは、むん! と肩に力を入れる。


「よし来い!」

「手合わせではなくてよ、ウォルフ殿下」


 オーリオのツッコミを聞きながら、ディオーラは周りに目を走らせる。


 ーーー今回、おそらくワイルズ殿下は『民衆』ですわね。


 表情を努めて隠してはいるけれど、どことなくリラックスしているのがディオーラには分かる。

 何らかの役職があれば、殿下は気負う筈。


 ちなみに今回、『神官』だけ追加した場合『民衆』側が有利になりすぎるということで、『王のしもべ』側である『狂信者』と、投票で追放された者が白か黒かが分かる『魔術師』も追加されていた。


 しかしこの『魔術師』は、少々特殊な立ち位置である。

 

 第三勢力、と呼ばれる『民衆』側でも『王のしもべ』側でもない人物で、『王のしもべ』が追放された時に生き残っていると一人勝ちになる、というルールに則った存在だった。


 この人物は一人なので立場が弱いが、追放した者の役職が知れるということは、『王のしもべ』が何人残っているかが分かるので、情報的に有利になれるのである。

 追放された『王のしもべ』を事前に庇っていた人が、『王のしもべ』側である可能性も高くなるので、その人物を集中的に詰めることも出来る。


 しかし第三勢力である『魔術師』は、それを『民衆』には伝えない。

 伝えた段階で、生き残らせたら『魔術師』の勝ちになってしまうので、『王のしもべ』と『民衆』の両方の票が集まってしまうからである。


「ウォルフ殿下を怪しいと目した方、どなたか出られまして?」


 オーリオが問いかけると、ヘジュケが手を挙げる。


「私です」

「なるほど。何か理由がございまして?」

「特に深い意味はありませんが、あえて言うなら、他に怪しい人物がいなかった……という点でしょうか。私は最後にゲームマスターと話しましたので、皆様が帰って来られる際の様子を観察しておりましたが、皆様、変わった様子が見受けられなかったので」


 ヘジュケは笑みを浮かべて、首を傾げる。


「良くも悪くも、様子の変わらないウォルフ殿下を指名した次第です」

「オレは『王のしもべ』ではないぞ! 怪しんだ方が怪しい気がするぞ!」

「ウォルフ、それ、一つ前にオーリオが言ってたことそのままだな」


 何度負けても自信満々なウォルフが口にした言葉に、ワイルズがツッコミを入れる。

 つまり、それだけ余裕があるということなので、やはり『民衆』で間違いなさそうである。


 ディオーラはそこまで確認すると、口を開く。


「他に、ウォルフ殿下が疑わしいとゲームマスターに伝えた方は?」

「私もですわね」


 答えたのはオーリオだった。

 他の人々にも問いかけたが、どうやらウォルフを怪しんだのはこの二人だけだったようだ。


 ーーーヘジュケとオーリオに繋がりラインがあり、ウォルフ殿下と対立している、と。


「他に、誰か疑わしいと感じられた方は?」

「わたくしは〜、ディオーラ様のお名前を挙げさせていただきましたわ〜」


 ゆっくりゆっくり手を上げたのは、リオノーラだった。

 

「あら、わたくしに何か、変わった様子がありまして?」

「はい〜。何だか、周りを探るような様子が見受けられましたので〜」

「こうした遊戯で、それは当たり前ではありませんこと?」


 何か様子が違ったり、緊張していたり。

 そうした要素を拾って話を進めていくのが、こうした遊戯の常套手段である。


「そうですわね〜。これまでの試合でもディオーラ様は〜、皆を均等に眺めておられましたわ〜。けれど今回は〜、より注意深く・・・・〜、読みやすい方に視線を留めておられたように、見受けられましたの〜」


 ニコニコと口にしたリオノーラに、ディオーラは目を細めて、パラリと扇を広げた。


 ーーーこの方は、本当に油断なりませんこと。


 思わぬ強敵の出現に、ディオーラは思わず口元が緩む。


「なるほど、わたくしの様子がおかしかった、というお話でよろしくて?」

「そうですわ〜」

 



【ここまでの関係性】


対立

 ヘジュケ・オーリオvsウォルフ

 リオノーラvsディオーラ


中立


 ワイルズ(民衆?)

 メキメル

 レイデン

 

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