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カロル・ディア

エミエ・アークレインの子供

作者: リィズ・ブランディシュカ



 エミエ・アークレインは浮気をしていた。


 彼女は裕福な家に嫁いだ娘だったが、夫に満足してはいなかった。


 夫は、家の名前を強くする事にしか興味がなく、それをエミエにも供与していたからだ。


 常に名家にふさわしい女であれ、エミエが耳にタコができるほどその言葉を言われていた。


 だから、彼女はそんな生活に嫌気がさしたのだろう。


 エミエは、社交界に出ては様々な男性に声をかけ、甘い言葉をささやく事になった。


 エミエ・アークレインには確かな美貌がある。


 だから、男を探すのに不便することはなかった。


 彼女の毒がにかかる男は後を絶たなかった。


 そのためエミエは、夫の不満を他の男で解消するのが日常となっていた。


 しかし、その行為が彼女を窮地に追い落とす。


 奔放な生活を送るようになってから、一年くらい経った頃。


 彼女は、体調に異変を感じるようになった。


 まさかと思い医者に診てもらった彼女には、できるはずのない子供ができていた。


 彼女は驚愕した。


 よくよく考えれば当然だったのだろう。


 多くの男性とひと時を共にした彼女は、子供ができにくいからこそ、そうした大胆な行動をとる事ができていたのだから。


 夫に浮気がばれてはまずい。


 そう思った彼女は、医者に大金を渡し、診断書を偽装。病気と偽って隔離生活に入った。


 そして誰の目もない場所で子供を産み、適当な場所へ捨てたのだ。


 彼女は子供を捨てた場所は、治安の悪い貧民街ザイン地区。


 子供はおそらく、数日どころか一日すら生きられずに命を落とすだろう。


 その後、医者は口封じに地方へ追いやられたため、彼女の周りにその一件を知る者はいなくなった。


 エミエは知らない。


 その子供が再び、アークレインの屋敷に戻ってくる事を。


 そして、その子供を再び見捨てた自分達が、窮地に陥る事を。



ここまで読んでくださってありがとうございます。

楽しんでいただけたら幸いです。

諸々の事情で感想には返信できません。すみません。

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