表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

8/438

第8話 どうって、そりゃメロンぱいが――

「あ、あの、ありがとうございました。10体以上いたD級妖魔『ゴブリン』を、あんなにあっさり倒してしまうなんて、本当にお強いんですね。すごいです!」


 戦闘を終えた――というか一方的に妖魔を(ボコ)った俺の元へ、少女が感嘆の声をあげながら駆け寄ってきた……のだが。


「な、なん……だと……?」

 俺の口からはこれ以上ない驚きの言葉が漏れ出でていた。


 だって走り寄ってくる――たったそれだけのことで、ブラウスの下で豊満なおっぱいが激しく揺れていたのだから。

 それはもう、見事なまでに揺れている――暴れているのだ。


 ばいんばいんが、ぽよんぽよんして、たぷんたぷんしながら、ぷるんぷるんしているのだ。

 思わずガン見して、凝視して、目が釘付けになってしまうのも無理からぬことではないだろうか?


「な、なんという圧倒的な存在感……まるで、まるで大玉のメロンが波打っているみたいだ……っ!」

 ごくり……


「……? どうされました?」

「どうって、そりゃメロンぱいが――」

「メロンパイ……? アップルパイのお友達でしょうか?」

「アップルパイ? ……ん? ……へ? ……はえ?」


 ふと、我に返った。

 目の前には美少女がいて、身長差があるから向こうが少し見上げるような上目づかいになっていて、それがまた可愛くて。


 ……

 …………


「……違うんだこれは、ほんと違うんだよ。なんていうかその、なんでもないんだよ。なんでもないんだ。なんでもないったら、なんでもないから! 信じてくださいボクは無実です!」


「え、えっと……そ、そうです……ね?」

 小首を傾げて、はてなマークを浮かべる少女。

 と、とりあえず誤魔化せた、のかな……?


 ――にしてもヤバかった。

 今のはマジでヤバかった。


 ばいんぽよんたぷんぷるんする視覚的破壊力のあまりの鮮烈さに、完全に理性が崩壊してた。

 インマイハート限定の持ち出し厳禁危険ワードを、思わず口走ってしまっていた!


 さすがに今のはラブコメ系S級チート『ただしイケメンに限る』をもってしても、笑って済まされない可能性がある。

 異世界に来ていきなり「おまわりさんこちらです」だけは勘弁願いたいからな。


 でもさ、俺は悪くないと思うんだよ。

 だってぷるんぷるん半端ないんだもん。

 駆け寄ってくるだけで、おっぱいめっちゃ揺れんねんで?


 そんなん、揺れへんやん普通。

 そんなん揺れる?

 言っといてや、揺れるんやったら!


 よし、状況を整理したことで、少し冷静になれたぞ――なれた気がするぞ!


「はは、これくらいの戦闘、大したことないさ、はは、はははははは……」


 でもほら、実際、あんな本当に大したことなかったからな。

 一方的すぎて、準備運動にすらならなかったしね、うん。


 オッケー、今の一連の流れはなかったことで。

 はい、仕切り直し!


「それにチートの強さを改めて確認できたし、うん、良かったよかった」

「? 何か言いましたか?」

 再びこてんと小首をかしげる美少女。

「ううん、独り言だから気にしないで」


 それにしても、だ。

 気持ちが落ち着いたところで改めて見てみると、ほんと可愛いなこの子。


「あの、このたびは助けていただいて、改めて、本当にありがとうございました」

 言って、美少女は折り目正しく腰を折った。

 黒曜石のような美しく長い黒髪がさらりと揺れる。


 俺は黒髪ロングのストレートの清楚系の女の子が大好きだ。

 左側にちょこんと結わえられたサイドテールも、ワンポイントで可愛らしさに華を添えている。

 奥ゆかしそうな性格も実に好みのタイプである。


 服装は白のノースリーブのブラウスで、胸にピンクチェックのネクタイ。

 同じくピンクチェックのプリーツスカートで、足下は黒のショートブーツ。


 アイドルって感じの服装はとっても似合っているけれど、森の中を歩くにはいささか不向きなように思えた。

 何か理由があるのかもな。

 そのへんはおいおい聞くとしてだ。


「容姿だけでなく性格もよくて。いきなりこんな美少女と出会えるとか、異世界転生ってばマジで最高すぎるじゃないか……!」


 俺の、俺による、俺のための異世界転生……!

 異世界に来てから既に何度目か分からない喜びを、俺はまたもや噛みしめたのだった。

本作をご覧になって頂きありがとうございます!

お手数でなければブックマークと評価をいただければとても嬉しく思います!


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ