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第422話 ぽんこつケンセー

 やれやれ、俺をめぐって争うのはいけないよ、プリティな子猫ちゃんたち。


 争いは不幸しか生まないんだから。

 ラブ&ピースが麻奈志漏(まなしろ)ハーレムの一丁目一番地さ。


 いやー、それにしてもモテる男はつらいね、はははは。


「セーヤくんがまたアホなこと考えてる顔をしてる……」

「し、してないよ……」


 ケンセーに虫けらでも見るような冷たい目で見られた俺だった。


「まぁいいけど……なんにせよ、これで二人とも本物で決まりだね」


「ああ、上方に高く跳びあがるスポコン系S級チート『鳥人ブブカ』と、前方に長く跳ぶスポコン系S級チート『エアウォーク』で間違いない」


「だねっ」


「ってことで結論を得たところで、俺はちょっと行って二人を仲裁してくるよ。おーい、二人とも、ケンカはだめだぞー! 仲良く、仲良くなー」


「「はーい、セーヤくん!」」

 俺の呼びかけに声をハモらせて答える二人。


「おまえら驚くほどに息ぴったりだな……」

 さっきまで口げんかしてたとは思えない息の合いかただ。

 

「じゃ、そういうことで、セーヤくんは私と一緒のチームね」

「ちょ、ブブカ。アンタなに勝手に決めてんのよ! むしろアタシと一緒にやろうよ。ね、セーヤくん」


「エアウォーク、ここは私に譲りなよ」

「なんでアンタはそんな上から目線なのよ!?」


 仲直りしたと思ったら一転、再びぎゃーすかやり合い始めたエアウォークちゃんとブブカちゃん。


「おまえら驚くほどに息が合ってないな……」


「「だってこの子が!」」


 再びハモるブブカちゃんとエアウォークちゃん。

 気が合うのやら合わないのやら……。


「わかったわかった。だからケンカすんなって。そうだな、俺は二人のチームに交互に入ることにするよ。それならノープロブレムだろ、な?」


「まぁそれなら……」

「いいかも……?」


 ブブカちゃんとエアウォークちゃんが顔を見合わせながらうなずいた。


「はいじゃあ決定な! ここからはみんなでわいわい仲良く楽しくやろうぜ」



「「はーい!」」


 その後は、みんなで楽しくバスケをした。


 ()んだり()ねたりするバスケットボールという競技は、おっぱいも()んだり()ねたりして、とてもとても素敵でした。


 …………

 ……


 とまぁ順調に進んでいく偽チート・モニタリング・プロジェクト第2ラウンド。

 それはつまり裏を返せば、


「もうあと一人になっちゃったな」

「だね……」


 またもや犯人が分からないまま、最後の一人まできてしまったのだった。


「でも今度はいろんな角度から厳重にチェックしたからな。残る一人が犯人なのは確定的に、そして間違いなく明らかだ」

「だねっ!」


 残る一人、それは――、


「ラッキースケベちゃんだ!」


「……」

「……」


「名前になるとその、色々とひどいね……」

「うん……俺も正直、この名前で呼ぶことに申し訳なさすら感じる……」


「ラッキースケベちゃんだもんね……」

「ラッキースケベちゃんだもんな……」


 ま、まぁそれはそれとして、だ。

 俺にはどうしても、ケンセーに言っておかなければならないことがあった。


「ケンセー、お前ってばバスケもダメなんだな……」

「うっ……」


 なんとケンセーはバスケットボールもへたっぴだった。

 へたっぴすぎのへっぽこぴーだった。


「フットサルの時は足が剣が持てるかー! って言ってたけど、今度は手を使った競技だぞ?」


「ううっ……きゅ、球技はその、おおむね苦手で……」

「球技ねぇ……」


 これ以上言うとイジメてるみたいなんで言わないけどさ?

 球技以前に、ケンセーは走ったり跳んだりっていう基本的な動作からして苦手な文化部女子って感じだった。


 バスケもシュートがゴールに届かなかったり、ドリブル失敗してボールを蹴っ飛ばしたりと運動音痴っぷりをこれでもかと発揮していた。


 剣を持たないとへっぽこだとは言っていたけれど、ケンセーはマジでガチのへっぽこさんだった。


「俺のケンセーが運動全般ぽんこつ過ぎる件に関して……」

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