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第376話 天地開闢セシ神竜ヨリ産マレシ黄金神剣 ― クサナギノツルギ

 《魔神》にダメージが通ることはわかった。


 となると次は、


「ダメージを通すための手段の効率化が必要だな」


 《天地開闢セシ(アマノ)創世ノ黄金剣(ヌホコ)》は間違いなく最強の必殺技だ。

 伝説の王竜、《神焉竜(しんえんりゅう)》だって力づくでねじ伏せてみせた。


「ただ対人戦だとちょっと取り回しが悪いんだよな」


 デカ物をブッ叩くには長大な大剣が必要だ。

 けど対人戦ではそんなでかいサイズは必要がない。


 接点が小さすぎて当たってない部分が多く、大きさがむしろデメリットになってしまっているからだ。


 これは多分、《神滅覇王(しんめつはおう)》が自分より巨大な強敵とばかり戦ってきたからなんじゃないかと思う。

 そもそも同サイズの相手なら《神滅覇王(しんめつはおう)》がパワー負けするなんてことは、まずありえなかっただろうし。


 必然として威力に比例して大きくなっていったんじゃないだろうか。


「けど今に限っては大きいのはいらない、人が使うサイズでいいんだ――」


 ただし、単に小さくしただけじゃあ意味がない。

 それだけだと、また同じように粉々にされるだけだ。


 密度を極限まで高める必要がある――!


「巨大な黄金剣を形作るエネルギー総量はそのままに……しかし極限まで密度を高めた、SSS級を相手にも絶対に折れない一振りの剣を――!」


 俺は右手に握った、今は柄だけとなった「そいつ」に意識を向けた。


 そうだ。

 俺には「こいつ」がある。


 かつての《神滅覇王(しんめつはおう)》は持ちえなかったであろう、そして俺の理想をそっくりそのまま形に変えてくれる、最強無比の神なる剣が――!


 普段は我関せずで、俺がピンチでも全くの知らんぷりをしているが、自分と同格と認めた時には惜しげもなく力を貸してくれるSS級神剣――《草薙の剣(くさなぎのつるぎ)》が!


「ってことで《草薙の剣(くさなぎのつるぎ)》! 細かいところはお前に任せる! いい感じに俺のイメージを再現してくれ! 行くぞ――! 『固有神聖』《天照(アマテラス)》、オーバーリミット!」


 《天照(アマテラス)》が再び暴走寸前まで超稼働をはじめ、気が遠くなるほどの莫大な黄金の力を生み出してゆく。


「さらに『固有神聖』《ヤマタノオロチ》発動! 龍より生まれし神なる剣よ――! (おの)が神話になぞらえて、今ここによみがえれ――!」


 《天照(アマテラス)》が出力する天文学的な黄金の熱量を、刀身が粉々になり柄だけになっていた《草薙の剣(くさなぎのつるぎ)》が、猛然と吸収しはじめる――!


「く――っ、さすがにフルパワー3連発はきついな……!」


 身体の奥がしびれるように熱い。

 内臓や神経に焼きゴテでも押されてんじゃないかってくらいに、熱くて痛くてたまらない。


 連続オーバーリミット稼働による強大な負荷。


 暴走寸前の《天照(アマテラス)》が生み出す暴力的な出力と熱量に、俺の身体が悲鳴を上げているのだ。

 

「けどな――。こんなくらいで、へばってられるかってんだよ!」


 SSS級を相手にするんだ。

 元より無茶は承知、泣き言は全部後回しだ!


 それに、


「必死に《魔神》を押しとどめていたティモテの辛さは、苦しみは、こんなもんじゃなかったはずだもんな――!」


 ここが頑張りどころだ麻奈志漏(まなしろ)誠也!


「おおおおおっっっっっ! 出でよ! 究極神剣――!」


 そうして生まれ出でたのは、まるで太陽そのものであるかのように燦然(さんぜん)と輝く一振りの日本刀。


 《天地開闢セシ(アマノ)創世ノ黄金剣(ヌホコ)》の全エネルギーを集約させた、それは無限の黄金をその刃に超圧縮させた究極の一刀だ――!


「《天地開闢セシ神竜(クサナギ)ヨリ産マレシ黄金神剣(ノツルギ)》!!」

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