第312話 否! 断じて、否!
少女の肢体を包んでいるのはシスターの修道服。
しかしである。
むやみやたらに身体にフィットしてボディラインを強調するタートルネックドレスは、それだけでもエロエロなのに、なぜか胸元がこれでもかと大きく開いていていて。
(ウヅキや巫女エルフちゃんと比べると)普通に巨乳な谷間を、どうぞご覧あれとばかりに見せつけてくるのだ!
さらにタイトミニスカートはぎゅっと角度のついた大きなチューリップカットで、
股間こそ大きな三角形部分で隠されているものの、太ももは付け根の際どい所までむき出しってくらいに露出している。
っていうかここまで際どいのに見えないとか、これパンツはいてなくない?
もしかしたらパンツはき忘れてるかもしれないし、俺が確認してあげようか?
そして清純無垢なはずの白いニーソックスは、もはやえちえちゾーンと化した絶対領域(スカートとニーソに挟まれた太ももエリア)をさらに引き立てるだけのアイテムでしかなく。
十字の意匠があしらわれているから修道服――で間違いないんだろうけど、ぶっちゃけもうなにか別の道(主に性的な道)を修めているとしか思えないよ!?
くっ!
俺は、俺はこのエロコスなシスターさんに、着エロ的な迸りを感じざるを得ないんだ……っ!!
むくむくっ。
「いかん。だめだ……鎮まれ鎮まるんだ、俺のイケない《神滅覇王》……っ!」
いくら俺の好みドストライクな、ぴちぴちエッチなシスターコスプレとはいえ、まだ日も昇りきっていないうちから厳粛な教会で猛らせるとか、さすがにちょっとアウトだから――!
いや、そうか――。
違う、逆なんだ――。
「この厳粛な空気こそが、さらにさらにと背徳感を高めていっているんだ……!」
教会の静謐な空気の中心に、えっちなシスターさんがいるというギャップが、果てしなくエロいんだよ……!
こんな厳かな場所なのに、聖職者というより性職者な格好をされて、それで俺がヒャッハー!って激しくリビドーを感じてえっちな気分になったとして。
果たして悪いのは俺なのだろうか!?
否!
断じて、否!
「あの――」
ふと目の前で声がして、性少女――あ、いや、こほん。
聖少女が俺の目の前までやってきていることに気が付いた。
どうやらあまりに性癖を拗らせすぎてしまい、聖少女の接近に気づかなかったようだ。
そんな聖少女はというと開口一番、
「勝手に入ってしまい申し訳ありませんでした」
そう言って深々と頭を下げたのだった。
申し訳なさが顔だけでなくしぐさ全体に表れていて、とても素直な子なようだ。
頭の動きに合わせて、綺麗な茶色い髪(ブリュネットとか栗毛とかいうんだっけ?)の前髪が、さらりと柔らかく流れる。
肩に届くくらいのミディアムヘアは、両耳の下でちょこんとかわいらしく結ばれて小さな尻尾を作っていて。
年齢的には16、7くらいだし、身体つきはちゃんと出るところが出ててしかもえっちなシスター服なんだけれど、可愛らしい顔とあどけない髪型が相まって、なんとなく幼い印象を受ける女の子だった。
つまりまとめると、控えめな性格の童顔ロリ巨乳えちえちシスターさんなわけですよ!
すごくいいと思います!
ありがとう異世界!
ありがとう転生!
ローリング・リヴィング!
「えっとその、俺も勝手に覗き込んじゃったんだよな。せっかくお祈りしてたのに邪魔しちゃったみたいだし、むしろごめんていうのは俺の方というか。えっと、シスターさん――」
あ、そういやこの女の子の名前を、まだ聞いていなかったっけか――。