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第283話 わたし、マリア=セレシア、17歳!

 わたし、マリア=セレシア、17歳!


 名門貴族、あーんど超スーパーウルトラお金持ちなセレシア家の一人娘――言ってみればお姫さまとして生まれたの。


 その後も蝶よ花よと愛情とお金をかけて育てられた、誰もがうらやむ超グレィトで上級で勝ち組な女の子よ!


 いわゆるスーパーセレブっていうのかな?



 そんなわたしが好きなのは、他人の不幸や苦労を見ることなの。


 特に貧乏人が苦労して苦労してもがき苦しむのを、真っ赤な薔薇の花を浮かべたミルクのお風呂で、国一番のネイルアーティストに爪のお手入れをしてもらいながら、見下ろすって感じのが大好物なの。



 でもでもぉ。

 そういうピンポイントでズドンな不幸って、なかなかどうして落ちてないのよね……。



 あ、そうだ!


 だったらわたしが貧乏人たちを、さらなる不幸に陥れればいいんじゃない!?


 さすがわたしってばスーパーセレブだわ、なんて頭がいいのかしら!?



 ちなみにだけど、わたしが嫌いなものは美少女全般。


 特に天然素材のナチュラルボーン美少女は、ほんとうに大っ嫌い!



 だってわたしが必死にエステしてお化粧してネイルして着飾って――手間と暇とお金をふんだんにかけにかけて、ようやっと「上の下」に滑り込めるかどうかだって言うのに!


 天然美少女ときたら生まれた時から美少女カーストの最上位にいるんだもん!


 なんなのこいつら!?

 そんなの許せる!?


 わたしはそんなの絶対に許せない!


 むかつくむかつくむかつくーー!!



 あ、あとね、イケメンがカレシの女の子も許せない!


 これはみんなも分かるでしょ?

 あんたそれ、あたしに見せびらかしてんの? って思うわけ。


 ほんとカレシがイケメンだとすごくむかつくよねー(笑)


 というわけで。


 最近、美少女や貧乏人を不幸に陥れるべく、セレシア家の権力やお金を使って一生懸命頑張ってるんだけど、なんだかぜんぜん上手くいかないの……。


 ねぇねぇそこのあなた。

 ちょうどいいわ。


 参考程度にちょっとあなたの意見を聞かせてくれないかしら?

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