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第267話 《ゴルディオン・ランス》

 《草薙の剣》が(おの)が姿を新生させる『固有神聖』《ヤマタノオロチ》。


 SS級神剣の新生という神域に達する御業に必要な膨大な力――それを《天照(アマテラス)》の生み出す黄金の粒子でもって充足せんとする中で、


「ぐぅ――っ……」

 俺は一瞬、立ちくらみのような意識の遠のきを感じて、ふらつきかけた。


主様(ぬしさま)?」

 それを見た《神焉竜(しんえんりゅう)》が心配したように声をかけてくる。


「あ、いや……ちょっとふらっとしただけだから。うん、問題ないよ」

主様(ぬしさま)、やはりまだ本調子ではないのじゃな――」


「悪い、ほんと心配するほどのものじゃないんだ。ノープロブレム――ではないかもだけど、大勢に影響はないさ」


 実際、立ちくらみは一瞬のことで、今はもう何ともないしな。

 SS級チートを十分使えるほどに、俺の力は戻っている……!


 ありがとう、巫女エルフちゃん!

 それもこれも君が色々とえっちなご奉仕――あ、いや、覇王流パワー回復プログラムをやってくれたおかげだよ!


 ありがとう!

 そしてありがとう!


「……分かったのじゃ。主様(ぬしさま)がそうまで言うなら、とりあえずは納得しておくのじゃ。じゃが決して無理だけはするでないぞ? 約束なのじゃぞ?」

「ああ、約束だ」


「それに今の主様(ぬしさま)は一人ではなく、(わらわ)がついておるのじゃから。主様(ぬしさま)が困った時、今度は(わらわ)が力を貸す番のなのじゃからの――!」


 とまあ。

 そうこう言葉を()わしている間にも、俺の体調なんかには欠片の遠慮もなく《天照(アマテラス)》の力を喰らい続けた《草薙の剣》は――、


「これが(わらわ)と共に戦うために主様(ぬしさま)が新たに作り上げた、二人だけの秘密の黄金神剣……つまるところ愛の結晶なのじゃな……」


 ――いまや7メートルを超える巨大な黄金の西洋槍――《ゴルディオン・ランス》へとその姿を変えていた。


 巨大なドラゴンに乗って戦うために必要なのは、短い日本刀ではなく長大なランスだからだ――!


 あと戦闘とは直接関係ないんだけど、《神焉竜(しんえんりゅう)》の言い方が、ものごっつい重たいです……。


「っと――くるぞ――!」

 俺が《ゴルディオン・ランス(くさなぎのつるぎ)》を右の腰だめに構えるのと同時に――、


「そんな槍の1本や2本、なんだってーのよ!」

 言葉通りに、《ゴルディオン・ランス(くさなぎのつるぎ)》のことなんか少しも気にせず、正面切って猛スピードで突っ込んできた《精霊神竜》。


「風系最強精霊術! 『断罪の真空壁(ヘヴンズ・ウォール)』!!」


 その正面には『断罪の真空壁(ヘヴンズ・ウォール)』による多層シールドが展開されていて。


 そこから予測される攻撃とはつまり――、

「シールドごと体当たりする気か――!」

 《精霊神竜》自身の巨体を加速してぶつけるという大質量攻撃だ――!


「突撃・突撃・突撃ぃっ! 突撃あるのみ! 喰らえ! カミカゼ・アタッーーク!!」


 恐ろしいまでの脳筋力押しで強引な突撃(タックル)


 しかし《神焉竜(しんえんりゅう)》は少しも臆することなんてなく、真っ向からぶつかるように急発進からの突撃を敢行し返して――、


「おおおおおおぉぉぉぉぉぉっっっっ!!!!」

 俺は《神焉竜(しんえんりゅう)》の突撃の勢いそのままに、《ゴルディオン・ランス(くさなぎのつるぎ)》を前方へと突きだした――!


 ズッ――ギャアアアアァァァァァァァァ―――――――

ンンン!!!!


 鼓膜を激しく震わせる猛烈な衝突音と、縦横無尽に荒れ狂う衝撃波をまき散らしながら――そうしてぶつかり合った、無敵の黄金槍と、神竜の盾。


 《ゴルディオン・ランス(くさなぎのつるぎ)》と『断罪の真空壁(ヘヴンズ・ウォール)』が今、ここに激突したのだ――!

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