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第266話 決戦、再び――

「喰らえ! 水系最強精霊術! 『超高圧聖水散弾ホーリーアクア・バルカン』!」


 まずは小手調べにと、もはやお決まりとなった牽制技を放ってきた《精霊神竜》。

 毎秒150連発を誇る高威力の圧縮聖水連弾だ。


 目標周辺ごと広範囲を弾幕で覆いつくすという、その暴力的なまでの飽和攻撃による面制圧は、回避が極めて困難――、


「いやこりゃもう困難って言うか、不可能って言ったほうがいいか。ワープでもしない限り()けるのは無理ってなもんだ」


 さらには《神焉竜(しんえんりゅう)》の絶対防御の上からすら、ダメージを通す威力までをも兼ね備えた――それはもはや、牽制と侮ってはいられない凶悪な必殺技だった。


「避けるのは難しい――」

 だったら――、


「よーし、ここは俺に任せろ! 避けられないなら受け止めればいいだけの話! 燃えろ、《天照(アマテラス)》! AT(アマ・テラス)フィールド展開! うおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉ――――っっっっ!!」


 俺と《神焉竜(しんえんりゅう)》の周囲を、三角錐――つまりピラミッド型の黄金の粒子バリアが覆い囲った。


 ATフィールド。

 トワ=《スサノオ》との戦いの中で会得した、それは《神滅覇王(しんめつはおう)》がほこる絶対不可侵の防御フィールドだ――!


 ここまで猛威を振るっていた圧縮聖水弾幕も、この強力な防御フィールドに触れると消滅――もしくは威力がガクッと大きく低下する。


「うぇぇえっっ? バリアッ!? うそん!?」

 そして消滅はまぬがれたものの、大きく威力を殺がれ減衰した圧縮聖水弾は――、


「ふん――っ、こんなもの――!」

 世界最硬の黒竜鱗によって守られた《神焉竜(しんえんりゅう)》をぺしぺしと力なく叩くだけだった。


「うぅぅぅっっっ! なんなのそれ! なんなのよそれ!? バリアで威力を殺して、弱まったのを竜燐で防ぐとか、せこくない!? っていうか2対1ってやっぱずるいんだけど!」


「構わないって言ったのはそっちだろ? 今度はこっちから行くぜ――!」


 俺の言葉にノータイムで反応した《神焉竜(しんえんりゅう)》が、一瞬で猛加速。

 一気に《精霊神竜》へと突っこんでいく――!


 まったく、たった一言「行くぜ」と告げただけで阿吽の呼吸で通じ合う――竜と心を通わせる騎乗系S級チート『竜騎士』の効果は絶大だな!


「うう! こなくそー!」

 そして呼応するように《精霊神竜》もトップスピードへと急加速すると、2体のドラゴンは天空にて高機動空中戦を開始した。


 もつれ合うように激しく取っ組み合い、ブレスを撃ち合う、ドラゴンとドラゴンの空中戦は、


「ふっふーん、なんだかんだでやっぱアタシは強いわね!」

 アストラル界補正で5倍ブーストされた《精霊神竜》が、やはり圧倒的に優位に戦闘を進めていた。


 言動がちょっとアレなだけで、ほんと強いじゃないか《精霊神竜》……!


「だけどな! 今度は《神焉竜(しんえんりゅう)》だけじゃない。俺が――《神滅覇王(しんめつはおう)》が一緒にいるんだぜ!」


 俺は高速機動戦闘の中にあって、しかしお互いに出かたを窺うように速度を落としたわずかな間隙をついて――、


「偉大なる神剣よ! SS級神剣|《草薙の剣》よ――!」

 右手に握った最強の神剣へと呼びかけ語りかけた――!


「神竜の滅びとともに生まれ落ちし神なる剣よ! 汝が受け継ぎしその神話の力を、今ここに解放せよ! 『固有神聖』《ヤマタノオロチ》発動――!」


 神竜の滅びとともに生まれた神剣が、使い手である俺の意思を受け、その秘めたる力を解放しはじめた――!


 《天照(アマテラス)》の生み出す膨大な黄金の力を片っ端から呑みこんだ《草薙の剣》が、真なる姿へと生まれ変わってゆく――!

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