第210話 幕を閉じた――そう思ってた時期が俺にもありました。
幕を閉じた――そう思ってた時期が俺にもありました。
ぱらっ、ぱらっ――。
「――ん? なんだ? なにか上から落ちてきた――ってうぉっ!?」
俺はハヅキとトワを抱き寄せると、すぐさまその場を跳びのいた!
直後、俺たちのいた場所にバスケットボール大の岩が落ちてくる――!
事なきを得た俺はすぐさま知覚系S級チート『龍眼』で周囲をチェックした。
すると――、
「この屋内空間を支える上で一番重要な柱――つまり大黒柱が折れている、だと……!?」
《スサノオ》との戦いで俺が荷電粒子砲を何度も回避した時、その外れた荷電粒子砲がこの室内エリアを支えるための重要な支柱を数本破壊していたのだ……!
「いやここって《スサノオ》と荷電粒子砲の実験場、っていうか演習場でしょ!? なのにそれで壊れるとか、完全な設計ミスじゃない!?」
とかなんとか文句を言ってる暇はない。
「やばい、これもうすぐにでも崩れるぞ――!」
俺は幼女2人を抱えなおすと、外に向かって一目散に走りだした。
が、しかし――、
「あれ……なんか身体が重い……? しかもチートの効きが悪いような……?」
今もスポコン系S級チート『音速の貴公子』の効果で、瞬時にトップスピードに移行するはずが、上手く加速できずにひぃひぃ言いながら普通の速さでダブル幼女を運んでいたのだった。
さっきの『龍眼』だってそうだ。
いつもなら危険察知をしてくれるから、あんなの余裕で避けられるはずなのに――。
これってもしかしなくても――、
「さっき《世界劫末セシ封印ノ黄金剣》に力を使いすぎたせいか……!」
後さき考えずに全力ブッコミ過ぎた結果、完全にガス欠になった的な!?
だがしかし全ては過ぎたこと。
《神滅覇王》は未来しか見ないチートなのだから――。
「だから弱音をはいては、いられないよな……!」
ハヅキとトワ、ダブル幼女を守るのは俺に課せられた使命だ……!
「ここが根性の見せどころだぞ、麻奈志漏誠也! いつやるか? 今でしょ!」
俺の言葉に反応して、背中を後押ししてくれるやる気スイッチ系D級チート『まずは行動、とりあえず1分やってみよう』が発動する。
ほんのちょっと気分程度、背中を後押ししてくれるチートだ。
本来なら同じやる気スイッチ系のS級チート『いつやるか? 今でしょ!』が発動するはずなんだけれど、もはや俺の中にはS級チートを発動させるだけの余力は残っていないようだった。
でもそれがどうした……!
「見えた、出口だ――うぉぉりゃぁあああああっっっっ!」
ハヅキが開けた入口――今は出口を目指して俺は全力で駆ける、駆け抜ける――!
「ラストスパートぉぉぉぉおおおっっっっ!!」
そして幼女2人を抱えた俺が外に飛び出た瞬間――、
ドンガラガッシャーーーーーーーーーーーン!!!!
俺の背後で、さっきまでいた巨大な屋内空間が盛大に崩落したのだった――。
「はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ……! ギリセーフどやぁ!!」
幼女2人を地面に下ろすと、俺はがっくりと四つん這いになってはぁはぁと息を切らす。
それでもみっともないところは見せられないよな――と、どうにか立ち上がろうとしたところで――、
「あ、れ――?」
急に目の前が真っ白になった――。
「あ、これ、やばいかも……」
そして俺の意識は急激にブラックアウトしていく――。
加速度的に薄れゆく意識の中――。
「まなしー!」
「《神滅覇王》?」
ハヅキとトワが俺を呼ぶ声を意識の片隅で聞きながら――。
「ぁ――――っ」
俺は頭から地面にぶっ倒れたのだった――。
「無敵転生 ――全チート、フル装備。」 この異世界で、ハーレムマスターに俺はなる!
第三部「先史の調べ ―パーティクル・カノン―」 完。
お読みいただきありがとうございました!
第三部は中世ファンタジーテイストからガラッと趣向を変えて、先史文明の残したロボットとの戦いとなりました。
ゾイドとかガンダムが好きなので!
これからもいろんな強敵とあいまみえたいですね!
もし気に入っていただけましたら評価やブックマークなどしてもらえたら、とってもとってもとっても嬉しいです!(>_<)(*'ω'*)\(^o^)/
第三部も最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました!
重ねて感謝の意を申し上げます(ぺこり
次の第四部はエルフの登場を予定しています。
ファンタジーの王道、ど真ん中の直球勝負です。
ロボットも好きだけど、エルフも好きだから!
続きも読み進めていただけると嬉しく思います。
ありがとうございました。