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第205話 収束荷電粒子砲ーハイパーメガ・パーティカル・カノンー

「なんと愚かな……! このままやれば楽に勝てるというのに……! その傲慢さ、やはり《神滅覇王(しんめつはおう)》は万死に値します……!」


「まぁそう言うなって」

 これは言ってみれば《神滅覇王(しんめつはおう)》という超絶チートの避けては通れない使用代償であって、3回目ということでいいかげん俺も慣れたものだった。


「もはやこうなる予感すらあったからな……」

 苦笑する俺に対して、


「いいでしょう、ならば後悔させてさしあげます――!」

 トワ=《スサノオ》の声は悲壮感と決意に満ち満ちていた。


「悪いけど《神滅覇王(しんめつはおう)》は前だけしか見ないチートなんだ。常に未来を見続けるがゆえに、後から悔いるなんてことはありえないのさ。それにほら、全力を尽くして負けたらお前だって納得いくだろ? 俺とお前、どっちが上かしっかりとその身体に教え込んでやるからよ?」


「そんな軽口を叩けるのも今のうちと心得なさい――!」


「ああ、目いっぱい楽しませてくれよ、期待してるぜ?」

 極上の獲物を前にして、俺の中の《神滅覇王(しんめつはおう)》が獰猛な笑みを浮かべた――。


「……あなたはさっき、力こそパワーと言いましたね? あなたのいうことはいちいちもっともです。圧倒的パワーというものは、時に有象無象の技術や理論を理不尽に捻じ伏せるものですから」


「自分とは対極の脳筋に対しても寛容とは、さすが量子AIは物わかりがいいんだな」

 俺はその言葉にちょっと意外な気分になったんだけど、


「――ならば! こちらもその力こそパワー理論で対抗するだけのこと! 《スサノオ》の最大火力、荷電粒子を限界まで収束させて撃ち放つ収束荷電粒子砲――ハイパーメガ・パーティカル・カノンでもって、ATフィールドごとあなたを撃ち滅ぼしてみせます! 荷電粒子砲バスターキャノンモード!」


 トワ=《スサノオ》が左右2門の荷電粒子砲を身体の前でガチャンと合体させた。


「なんだよ実は同類だったんかい……それでいいのか量子AI……」


「――安全装置を全停止。A B Sアンチ・バースト・システム停止。バグチェック及びバックアップを含む補助システムを全て停止。量子AI(オモイカネ)の全演算を、荷電粒子砲システムに投入。致命的エラーを複数確認。回避不能な循環エラーが発生。了解、それらを含む全警告を無視オール・アラート・イグノア。戦術システムを停止するとともに、特殊決戦戦術システム『収束荷電粒子砲ハイパーメガ・パーティカル・カノン』を起動します。荷電粒子充填率5%、10%、25%――」


 ――リーン――――リーン――――リーン――――リーン――リンリンリンリンリンリンリンリン――――!


 遠い鈴の音が何度も何度も、なんどもなんども鳴り響いてはこだまする。


「荷電粒子砲の超すごいバージョンか……いいね、(たぎ)ってくるぜ――!!」


 トワ=《スサノオ》の持つバスターキャノン荷電粒子砲に収束していく膨大な力を感じて、俺の中の《神滅覇王(しんめつはおう)》が歓喜の声を上げた――!


「荷電粒子充填率210%、350%、500%、800%、1024%――! 環水平アーク理論による理論値限界を突破――! 事ここに至っては、もはや止めることは私にすらできません! 最強不敗の伝説とともに、塵と消え去りなさい愚かな《神滅覇王(しんめつはおう)》よ!」

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