表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

210/438

第204話 子供をしかるのに、大人が本気を出す必要はないからな――!

「おらおら、どうしたどうした!?」

「く――っ!」


 俺の攻撃がトワ=《スサノオ》をこれでもかと圧倒していく――!


 本来の《神滅覇王(しんめつはおう)》のスペックからすれば、今の戦闘力は借りてきた猫みたいなもんだ。

 速さも出力もなにもかもが全然ちっとも足りていない。


 《天岩戸(アマノイワト)》を強引にこじ開け、さらにATフィールドを維持するためにほとんどの力を使っていたからだ。

 おそらくそう長くはもたないだろう。


「――でもな、これだけで充分だ! 子供をしかるのに、大人が本気を出す必要はないからな――!」


 もはやトワ=《スサノオ》の攻撃は俺にかすりもせず。

 逆に俺の攻撃は、その全てがその防御のことごとくを苦もなく撃ち抜いていった。


「《天岩戸(アマノイワト)》は効果を発動しているはず……! なのになんで! 誰かを想う人の心とは、ここまで強いものなのですか……!」


 荷電粒子砲を無効化されたトワ=《スサノオ》は、大剣モードの二刀流となって必死に俺の攻撃を凌ごうとするものの――、


「いい加減諦めろ、お前じゃ俺には絶対に勝てない。量子AIはとっくにそれくらい演算済みだろ?」

 ――もはやそんなものは焼け石に水だった。


 《神滅覇王(しんめつはおう)》は量子AIの処理限界のさらに上をいっている。

 よってトワ=《スサノオ》は絶対に対処不可能なのだから。


「そら、足下がお留守だぜ――!」

「あぅ――っ!」


 斬撃、とみせかけての意表を突く足払いで、トワ=《スサノオ》は簡単にすってんころりん。


 すぐに立ち上がりはするものの、既に視線の先に俺はいない。

「消えた――!? どこに――」


「どこ見てんだ?」

 飛び上がっていた俺は、前方一回転からのかかと落としをトワ=《スサノオ》の脳天へと勢いそのままに叩き込む。


 ドゴォーーーーン!

 盛大に顏から地面にたたきつけられたトワ=《スサノオ》は、


「くっ、まだです――!」

 それでもまだ立ち上がってみせた。


 しかしその姿は満身創痍で、もう立つのがやっとのありさまだった。

 装甲はひび割れ、ところどころ小さな火花が散っている。


 もう少しで完全に勝敗が決する――というところで、


「……なぜ止めを刺さないのですか?」

 俺は――《神滅覇王(しんめつはおう)》はピタリと動きを止めていた。


「それだけ無理やりに力を使っていては、あなただってそう長くはもたないはず。こうしている間にも、使用限界は着々と近づいているはずです――」


 既に力を使い切っていた――わけではもちろんない。


「《天岩戸(アマノイワト)》が再び力を発揮するようになれば、荷電粒子砲を防ぐATフィールドも維持できなくなります。なのになぜ、ここで手を止めるのですか!」


 叫びながら飛びかかってきたトワ=《スサノオ》を、俺は軽くいなしてあしらってみせる。

 もはやいつだって勝負は決められた。


 そんな俺が手を止めた理由――それはもちろん一つしかなかった。


「必殺技があるんだろ? 中途半端は好きじゃないんだ。ほら、使ってみろよ」

 今回もまた《神滅覇王(しんめつはおう)》のどうしようもないやんちゃのせい、なのだった――。

温かい応援ありがとうございます(*'ω'*)

がんばります(*'ω'*)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ