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第187話 ちびっこお風呂屋さん

「この温泉はとても気持ちがよいのです」

「うにゅ、じまんの、いっぴん」

「いいよなー、温泉。ほんと生き返る……」


 ハヅキを洗い終えた後。

 俺とハヅキ、トワは3人で温泉にまったりと浸かっていた。


 例によってハヅキは俺に抱っこされていて、さらに今はトワがハヅキに抱っこされている。

 三位一体、ジェットストリームなトリプルスクラムモードだった。


 ……すっごく今更なんだけど、一応念のため言っておくと、俺は別に幼女2人と温泉合体するために一緒に入ったんじゃないからね?


 素性不明の幼女を完全に信用したわけではないというか、あくまでリスクヘッジ、危機管理の観点からもし万が一何かあってもいいようにと、そういう理由から一緒に入らざるを得なかったんだからね?

 だから俺は無実です。


「それにしても二人ともすべすべで綺麗な肌だなぁ。思わずいろんなとこをぷにぷにしたくなる……はっ!?」


 とまぁ、そんな感じでハヅキ、トワとのちびっこお風呂屋さんを堪能した後――。



「今日も色んなことがあったなぁ……」

 俺は自室で一人、今日という日を振り返っていた。


「最初はおままごとしたり、お絵かきしたりと平和だったのにな……」

 産婦人科ごっこや全裸写生大会は特殊すぎる事案ではあったものの、少なくともSS(ダブルエス)級と殺し合うような不穏な展開ではまったくなかった。


 この時点ではあくまでウヅキとハヅキのサクライ姉妹とのきゃっきゃうふふな理想的な異世界転生ライフだったはずだ。


「その後にサーシャが来て、全裸の俺から着想を得たとかいう幕の内弁当がどうたらこうたら言ってたけど、正直不安だ……」

 それでもまだここも常識の範囲内だった。


 それが一気に非常識に振りきれたのが、

「《神焉竜(しんえんりゅう)》のやつと来たら……。ほんと俺のためだって気持ちだけで、かけらも悪気がないってのは分かるんだけどさ……」


 まず南方大森林の東側1/3は既に俺の領土らしい。

 正直、なに言ってんの?レベルな上に、あまりにいきなりすぎて何をどうすればいいのやら……。


「管理自体は領地経営系のチートを使えばできるんだろうけど、そこに時間を使うのはあまりにナンセンスなんだよな」

 そんな暇があるのなら、俺は一秒でも長くモテモテハーレムで女の子と楽しく過ごしたいのだった。


「あ、でもエルフって言ってたっけ。エルフには会ってみたいな」

 スレンダー系の美人なお姉さんが多そうだから……それに最近の異世界は俺の好きな巨乳のエルフも結構いるみたいだし、期待は高まるばかりである。


「今度、暇な時にでも《神焉竜(しんえんりゅう)》にエルフの街? 村? 集落? に連れてってもらおう。きっと素敵なイベントが起こるはず、むふふ……夢が広がりんぐ……」


 そしてエルフと言えば、大長老が先史の時代から継承してきたという秘宝の宝石がついたネックレス。

 その価値ときたら、もはや庶民の俺には推し量ることは不可能だ。


 そしてそんなものをこともあろうか献上品として持ち帰ってきた《神焉竜(しんえんりゅう)》。


「ま、ハヅキにすごく似あってたからいいか……」

 考えても仕方ないことは考えないに限る。

 というわけでこの件に関しては速攻、俺は考えるのを放棄した。


「そして記憶喪失の名無しの少女トワか……」

 マノワトちゃん(仮)もそこまで悪くはなかったと思うんだけどな……まぁ決まったもんは仕方ない。


「現状で不安要素があるとすれば唯一、詳細が全く不明なトワだけど、まぁたいていのことはチートで対処できるから問題ないだろ。全チートフル装備、アーンド最強の《神滅覇王(しんめつはおう)》の力を手に入れた俺には、もはや向かうところ敵なしだからな!」


 フハハハハハ!

 圧倒的じゃないか、我が軍は!


「というわけで異世界転生10日目の振り返り終了だ! うん、今日は総じて楽しい1日だった。ありがとう異世界転生! 明日もこんな感じで女の子たちに囲まれて明るく楽しく平和に過ごそう! じゃ、おやすみなさい、むにゃ……」


 満足感と充足感に包まれながら、俺はぐっすりと眠りについたのだった。

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