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第147.5話 天地開闢セシ創世ノ黄金剣 vs 天狼咆哮・群体分身・真

「ふぅ、ま、こんなもんか。なかなか悪くなかったぜ? ああ、安心しろ。別にお前が弱いんじゃない、《神滅覇王(おれ)》が強すぎるだけだ」


 《神滅覇王(しんめつはおう)》の高揚感に身体中が満たされているとはいえ、これだけ傲岸不遜(ごうがんふそん)で謙虚さの欠片もないと、なんかもうどっちが悪役か分からないな……。


「ぐ、がぅ、グル、るルル……ッ」


「おっと、もうこれ以上はお前の身体が持たないだろ? 別に命まで取ろうってわけじゃねぇんだ。大人しくおねんねしてな」


 《シュプリームウルフ》はうずくまったまま、しかし震えながらも顔をあげると、親のカタキとばかりにこちらを睨みつけてくる。


「ぎ……ぐ、グルルルルルルルルルルルゥゥゥゥゥゥゥワオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォーーーーーーーーンンッッッッ!!!!」


 そして《シュプリームウルフ》は最後の力を振り絞り、無理やりその身体を起こすと、今までとはまったく違った、地の底から響くような低くて重い唸り声のような咆哮をあげた。


「なに……っ!」


 その直後、


 ブォン――!

 ブン、ブォン――!


 《シュプリームウルフ》の身体の輪郭が、何度もぶれはじめたのだ――!

 何度も、何度も、何度も、何度も、繰り返し、繰り返し、繰り返してゆく――!


「これは……っ! そうか、際限なく《天狼咆哮ライラプス・オーバーロード群体分身・真ミラージュ・ファング・アルティメット》を繰り返すことで、連鎖的に自己強化を繰り返しているんだ……!」


 それは過剰にすぎる力の暴走。

 あまりに過大な負荷のせいで、身体中のいたるところが自壊をはじめるほどだった。


 月夜を照らし返していた美しい銀色の毛並みが、自らの血で赤く赤く染まってゆく――。


「お前もうそれ、完全にタガが外れてるじゃねぇかよ」

 それでも《シュプリームウルフ》は、強化と自滅の二重らせんの無限連鎖をひたすらに続けてゆく――!


「そうか……そこまでして勝ちたいんだな……お前には、そこまでして勝ちたい理由があるんだな……」

 これが《シュプリームウルフ》の意地と誇りか――。


「《シュプリームウルフ》――神の御使い。どうやら、俺は見誤っていたようだ。命を賭したその覚悟、しっかりと見せてもらったよ。その誇り高き生きざまに敬意を表して、《神滅覇王(おれ)》も最大最強の奥義でもって応えよう――!」


 いいだろう、死ぬ気でぶつかってこい――!


「そして白黒きっかりつけてから、腹を割って話そうぜ! 《天照(アマテラス)》、完全開放! 限界を突破して世界をあまねく照らし出せ――!!」 


「『古き世界は鼓動(とき)を止め――』」


 黄金の火柱が立ち昇った。

 真昼のごとく明々と辺りを照らす神剣《草薙(くさなぎ)(つるぎ)》。


 その姿は、長さ40メートルを超える金色(こんじき)に輝く長大な光の柱だ。


「『(しん)なる世界の幕が上がる――』」


 《天照(アマテラス)》が臨界を超え、制御しきれないほどの黄金の力が俺の身体から猛烈に溢れだす――!


「我が一刀を受けてみよ、《シュプリームウルフ》――!」


 極限にまで密度を高めた光り輝く黄金の剣を――、


「『光、あれ――《天地開闢セシ(アマノ)創世ノ黄金剣(ヌホコ)》――!!』」


 俺は力強く振り下ろした――!


 創世の黄金光と、強化の無限連鎖によって暴れ狂う力そのものとなった《シュプリームウルフ》の突撃。

 強大な2つの力が激突して、()ぜた――――!!


 それは力と力の正面衝突。

 小細工一切なしの、文字どおり死力を尽くした必殺技同士のガチンコ勝負だ。


 そしてその極限の決戦はぶつかった瞬間こそ互角だったものの、《神滅覇王(しんめつはおう)》の黄金の力が少しづつ上回り押しこんでゆく。


「おおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉっっっっっ!」


 そして――。


 《天地開闢セシ(アマノ)創世ノ黄金剣(ヌホコ)》は巨大な銀狼の身体を、無限連鎖の増幅パワーをものともせずに――。


「堕ちろ――!」


 最後は巨大化すら維持できなくなり小さな狼へと姿を戻した《シュプリームウルフ》を、創世の黄金剣が地面へと叩きつけたのだった――。

「無敵転生」をお読みいただきありがとうございました。

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