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第97話 決闘、決闘ですわ!

「……で? 決闘って、一体なにをするんだよ?」


「決まっておりますわ。分かりやすく『武』を競い合いますの」

「『武』を競う……、ね」


 これまたストレートだな。

 ま、分かりやすいっちゃ分かりやすいけど。


「ふふん、なにせマナシロ・セーヤは最強たる《神滅覇王(しんめつはおう)》の再臨なのですわ。当然、あなたが本物であれば、誰よりも武勇に優れていて当然ですわよね?」

「まぁ、そうなるのかな?」


「話が早くて助かりますわ。わたくしのほうは、種目は何でも構いませんわよ? あなたの一番得意なものを、どうぞお選びになってくださいな。わたくしこう見えて幅広く武道を嗜んでおりますの。最近では辺境一の弓取り、などとも呼ばれておりますから」


「正直、気乗りはしないんだけどな……」


 何度でも言うけどさ。

 俺はバトルはあくまでカッコいいところを見せるためのスパイス程度で、メインは平和裏にモテモテハーレム異世界転生をエンジョイしたいだけなんだよ。


 でもこれはチャンスと言えばチャンスだった。

 俺が本物である証明というだけでなく、うまく事を運べばウヅキへの嫌がらせも止めることができるかもしれないからだ。

 あと個人的にこいつちょっとムカつくので、憂さ晴らしもしたいしな。


「……種目はなんでもいいんだな?」

「ええ、構いませんわ。剣でも槍でも、なんなら鎖鎌でも。なんでもよろしくてよ? あなたが好きに決めてくださって結構ですわ、《神滅覇王(しんめつはおう)》マナシロ・セーヤ様?」


「大した自信だな」

 だったら――、


「なら弓で勝負したい」


「……今、なんとおっしゃいましたの?」

「弓で勝負しようと、言ったんだ」


「……わたくしを馬鹿にしているんですの?」

「なんでだよ?」


「先ほどわたしくは確かに言いましたわよね? トラヴィス家は商家でありながら、先祖代々、弓の才能を受け継いできた武の家系でもあると」

「ああ、言ってたな。ちゃんと覚えてるぞ?」


「そのトラヴィスの嫡子たるこのわたくしに! あなたはあろうことか弓で勝負を挑もうとおっしゃいますの!?」

 心外だと言わんばかりに、声を張り上げる金髪ちびっ子お嬢さま。


「お、なんだ? さては得意分野で負けるのは恥ずかしいのか? 別に種目を変えてやったって俺は一向に構わないぜ?」

「この――っ! A級弓術士たるわたくしとの決闘によりにもよって弓を選んだこと、後悔させて差し上げますわ!」


 お互い売り言葉に買い言葉で、激怒する金髪ちびっ子お嬢さまだけど――、


「残念ながらきっと後悔するのはお前の方だ。その高慢ちきな鼻っ柱をへし折って、きっちりお(きゅう)を据えてやるから、今から負けた言い訳でも考えてな」


「言ってくれましたわね……!」

「おっけー、じゃ、決まりだな」


 悪いがS級チート以下、全チートフル装備の俺を舐めんなよ?

 俺は聖人君子でも聖徳太子でもなんでもないからな。


 自分が守りたいもののためだったら――、ウヅキのためだったらチート無双してお前を捻りつぶすことに、何ら痛痒(つうよう)も良心の呵責(かしゃく)も感じないからな?


「忠告は致しましたわ。ならもう容赦は致しませんの」

「必要ねぇよ。それと決闘で俺が勝ったら一つだけ約束してくれ。もうこれ以上ウヅキに絡むのはやめてくれないか。だいたいしょーもない嫌がらせなんかしてたら、お前だけでなくお前の大事なお(うち)の品位まで落ちるんじゃないか?」


「わたくしだけでなく、我が名門たるトラヴィス家までをも侮辱するとは……! その罪、万死に――、いいえ! 億死(おくし)に値しますわ! いいでしょう! さぁ、わたくしについてきなさいな。わたくし専用の個人弓道場がすぐそこにありますの。その減らず口を二度と叩けないように、完膚なきまでに打ちのめして差し上げますわ――!」


「こっちこそ望むところだ――!」

「無敵転生」をお読みいただきありがとうございます!

よろしければブックマークと評価をいただければ嬉しい限りです(ぺこり

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