世界と天使と悪魔と心のお話
このまま放置もあれなので、関係ある小話、設定等をぶん投げます。不器用なので一気に駆け抜けないと、途中で中断するともう連続性を保てなくなる性分のようです。(ほぼライブ感で書いてる)そして生活環境は延々安定する兆しが無い…すなわち、この思い付き単発投稿が私の限界
神は舞台として世界を作り、役者として人間を作った。
天使というのは裏方だ。
彼らは神の台本にそって舞台上の役者を動かす「運命」を回転させる装置である。
遥か天から地上を監視し、台本通りに世界が回っているかを確認し…道がそれれば修正する。
ある時は地に降りて道を示し、ある時は天罰を持ってそれを行う…それだけの存在、そうであったはずだ。
神は万物を作り、運命を定め、それを動かす装置として天使を置いた。
滞りなく動き出す世界を見て、神は達成感に酔いしれ…満足し、飽いた。
「神はサイコロを振るわない」
全知全能の神にとって、全ては予定調和である。サイコロを振ったっ結果なぞ振る前から当然知っていて…気に入らなければ後から結果を変えるも容易い。そして…それはつまらない。
故に神は悪魔を作った。
悪魔サイコロプスは神の代わりにサイコロを振るう、そしてその結果で国を滅ぼし、国を興し、豊穣を呼び、天災を起こした。
定められた運命は不確かな幸運と不幸に別れ、瞬く間に書き換わるそれに振り回されて人は地を這い、天使は空で大わらわだ。
…さて、その様子を見て神は頷き…満足し、そして飽いた。
「心の通わぬ芸術なぞ、果たして芸術と言えるだろうか?」
神は考え、この世界に…人形たちに心を与える事を決意した。
そして地上の王国に、王の娘にリトルディア<小さな愛>という名を与えて
血の悪魔ブラッディマリーを生み出し使命を与えた。
人形に心を与える魔法の詩と、魂を震わせる角笛が世界を優しく包んで燃やした。
その瞬間、世界は産声を上げたのだ。
人も天使も悪魔もなく、森羅万象に心が芽生えて…歓びと哀しみの泣き声が響いた。
王は自身の両手の血に気が付いて、娘の病と意味を知った。
天使は両目を閉ざして地上に落ちて、悪魔は獣の歓びに駆け出し騒いだ。
壮大な世界を創るために、その時世界は一度壊れた。
産声と共に死んだ安寧と壊れた運命、あぁ神すらも今回は不安な顔で…しかし、わくわくと笑みを浮かべる。
王は娘の命を救うため
両の手を更に地に染めて行く
天使と悪魔を鎖で繋げて
狂人となって月へと飛び立つ
覚えてないかい?覚えているだろ?
忘れちまっても忘れられない、魂に刻まれた過去のお話。
不信だろうと退屈だろうと、心があるから思い出せるさ…そうだ、これはお前の血が覚えている話。
血の悪魔ブラッディマリーは心を生み出し、血に注いだのさ。
遠い遠い昔のあの日から、受け継がれている心と記憶だ。忘れたくても忘れられない。




