ゲームマスターメガーネ
無茶苦茶書いておりますが正気です。
いちよプロット通りに進んでおります
ただし色々深夜のテンションです
サカナールの伝説から一月、三日間の熱き教師生活から2日!メガーネは商業の街ミートボルへ来ていた。
多忙極まるメガーネの今日の目的は国一番のIQ保持者=次代の皇帝を決める大会「ミリオントランプ戦記 サエワタール帝王杯」だ!
52枚のトランプを20組重ね繰り広げられる
もうなんかすごいIQの高いカードゲーム、それがミリオントランプ戦記!とりあえず混ぜるのがすごい大変!
普段は決闘に遣われる、血なまぐさい広間で今日は国中のIQ自慢が集まり、それぞれに戦いを繰り広げていた。
このIQ勝負で時代の皇帝、人類の導き手を決めるのだ…カードを引く手は皆一様に震え、新たに加わった手札にある者は絶叫し、あるものは悪辣な笑顔で高らかに笑う!
ほら見ろ…正気を失った集団がトランプを食べ始め衛兵にしょっぴかれていく!
そんな異常なゲーム大会、今世紀代々の舞台の観客は10万をこえた!ドーナッツ型の観客席その上の屋根の上まで人がつめかけ…コロシアム上空に熱気の雲を形成していた。
「お…おい!あれ…メガーネ様じゃねぇか!?」
メガーネが会場に入ると10万を超える観客は息を呑み…そして沸き上がった!もはや大会に意味は無い!彼が優勝!時代の皇帝のおなありだ!
興奮し過ぎて観客席から飛び降りてくる観客達を受け止め、また投げ返すのに衛兵は必死!
恐ろしい想像だが…もし…押し寄せる群衆を受け止める事かなわず、もしも次期皇帝陛下に傷の一つも負わせたならば職務を任された自分の…いや、一族郎党の首はなくなる!
ナイアガラの滝のごとくうねり落ちてくる観客を前に
衛兵は脳のリミッターを外した!
ナイアガラを受け止め、噴水のように空へと投げ飛ばす衛兵の働きとその剛腕にメガーネは優しく声をかける。
「ご苦労様です」
おやおや、衛兵も喜び力み過ぎたのだろう…観客の何人かが天井に刺さった。
一方、広場の中心…円卓を囲み戦っていた選手達は氷ついていた
「ひ…卑怯だ!反則だ!勝てるわけがないじゃないか!」
「だだだ…大丈夫だ、俺はすでに12人のキングを揃えている…いかなメガーネ殿と言えど俺の軍は…」
「馬鹿!手の内を曝すな!てんぱり過ぎだ!」
戦々恐々
観客達のように、または衛兵の立場でこの場に入れたらどれほど幸福だった事か…
帝国1の英雄、人類最後の希望、メガネをかけた救世主<メシア>翼を無くしたラファウェイル<天使長>!
現人神と謳われる存在はただ遠くで輝きみればどれほど力強く、心を満たしてくれることだろう。
だがしかし!その力が、自分の前に立ちはだかったら?
神に立ち向かう英雄の物語はある、物語ならば幾らでも雄々しく、胸燃える展開であることか。
…しかし現実では…人は…我らは…虫けらに過ぎない!
「おじゃましますね、安心してください私はただの見学者です」
神が喋ったホォオオッ!
危なかった、しばらく呼吸を忘れていた危ない、心臓も鼓動を忘れていたようだ…ぐぬ!ドンドドン!おk行ける。
神が相手じゃなければ俺のキング軍団は完全無敵だ!
メガーネ殿は皇帝などという些末な身分に執着しない大きなお方!天から使われし神の使徒!
…そう謳われるメガーネ殿の立ち位置は、王よりも神が相応しい!
「そ…それではあっしの番ですね。はい革命」
「やめろぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
俺の心臓は再び動きを止めた。
その後一命を取り留めたのは、神が即座に的確な対応をしてくれたからだという。
ありがとうございます…神!
「……あぁ!メガーネ先生!ようこそ起こし頂きました!」
「これはこれは皇太子殿下、この度はお招き頂き光栄の極みで御座います。」
「ハハハ、辞めてください。僕はまだまだ若輩者。あなたに学ぶ一生徒ですよ」
(メガーネ様はどうやら皇太子殿下の客人…いや、サポート役か?)
円卓のをぐるりと回り込み、皇太子の隣についたメガーネを策略家サクリャーク公爵は忌々し気に見詰めた。
(勝手に一喜一憂し、自爆した馬鹿な将軍とわしは違う。奴は四天王でも最弱!わしはたとえ相手が神だろうと、ただ全力で挑むのみよ!)
「では山札からハートの1、手札から二枚ハートの1、そしてリバースカードからハートの1」
わしの出した手札に、皇太子はピクリと反応した。
…クククッ!…平静を装っているがもう遅い!まだ私のバトルフェイズは終了していないのだ!
「ここで“配置換え”re-organization→コンボ 幸せのクローバー!」
円卓の中央、黒子たちがわしの指示通りにコマを動かす。4枚のハートで作られた4つ葉のクローバーはそれまで蓄積したあらゆる不幸を。逆転、幸福に変える!
(もちろん、召喚者である私のフィールドのみだがな!)
サクリャークの受けたあらゆるダメージ・ペナルティは裏返り…彼に力を与える!死んでいった兵隊たちは墓地からフィールドに舞い戻り不死の軍団として会場に恐怖と絶望を巻き起こす!
「ハハハ…カードの引きに恵まれました!皇太子殿下?いかがなされますか?」
「ぐっ!」
ククク
打つ手など無い!圧倒的な不利からの、圧倒的大逆転!
確かに皇太子殿下は帝国10指に入る高IQの持ち主だが、この局面を覆す事は出来まいて!
そう考えて、サクリャークは恐る恐る皇太子の横の、唯一恐るべき神を見る。
人類ではいかな武力、叡智を集約しても打ち破れぬであろう“禁忌”のコンボ=不死者の兵団!
いまだ持って破られたという話は聞かぬが、人ならざる神の目線ならばどう映るのか?
「っあ!」
神は天井に刺さった人々を軽やかに助け出し会場を埋め尽くすファン達に手を振っていた。……どうやら皇太子殿下に手を貸すつもりは無いようだ。
(勝った!これでわしが次の皇帝だ!)
「ぐ…ぅぅ!め…メガーネ…先生!」
「っな!殿下!それは卑怯ですぞ!?」
なんという事だ!神は慈悲深い!その懐は海より深くその愛は空を埋め尽くす!
しかしそれにすがるなど、なんと無様で恥知らずな事か!
「殿下!恥を知りなさい!神はすべてに平等!あなただけが特別などと思われるな!」
「煩い!私は…帝国の未来のために、なんとしても皇帝にならねばならぬのだ!恥の一つや二つ!無様の10や20曝しても何でもないわ!頭を下げろというならば幾らでもさげよう!しかしサクリャーク殿!大会ルールに記述はあるのか?アドバイスが駄目と記述があるのか!?」
「ありませんな!誇り高き、この戦いに!神聖なこの席に!こんな穢らわしい、性根の腐った者がくるなど!誰が予想できますか!」
次期皇帝と目される皇太子の無様と、確かな知略と道理を見せつけるサクリャーク公爵!二人の言い合いは決闘に発展しそうな熱を帯…10万の観客は息を呑んだ…否、観客は気づいたのだ。
人類の誇る生きる伝説、現人神が軽やかに円卓に上り中央に広がるフィールドと無数に積み上げられ配置され、もしくは活躍することもなく、伏せられていったカードを見渡している。
ミリオントランプ戦記、52枚のトランプが20組!
その名の通り1000を超えるカードの織り成す無限の戦術。
最初から追っていた当事者ならともかくだ、この場にきて5分とたっていないメガーネに一体何が見えるというのか!?
(メガーネ殿は…確か…殿下の元教師…つまり、クゥ…やはり!殿下の味方か!?)
公爵は息を呑み、神を見据える。神々しい姿は…また、雄々しく潔癖であり、世界にも自分にも…些細な不正を許さぬだろう。
(…大丈夫だ!)
そう自分に言い聞かせる、さっきまで疑いもしなかった
自分の最強の布陣、それが何故かひどく在り来たりな手に思えてくる。
(大丈夫だ!!)
心の中で叫ぶ!…しかし、どこか遠く。微かな声に感じる…円卓の上をゆっくりと歩くメガーネ、広場の中央、天窓から差し込む光に照らされた姿はまるで…ああ!
(まるで…地上を見守る…神のような…)
ピタリとメガーネは歩みを止め。細く美しい顎に指を添えた。
「…108通り」
瞬間、公爵は真っ暗な闇の中にいた…いや、そんな錯覚にとらわれた。
完璧な鎧に身を包み、最強の軍団に守られて鉄壁の城で勝利を待つ…それは淡い夢であったのだ。
「…先生!さすがです!先生!」
一方、水を得た魚のように、声を弾ませる皇太子。彼にとって神は絶対なる庇護者だ、自身が神に救われるのを一片の疑いなく信じている。
万が一だ…あぁ、万が一神が…しかし!あぁ…しかしだ!
サクリャークは今までその知略で、多くの物を裏切りだまし、出し抜いてきた。人を疑いはすれ信じる事さえ出来はしない…もはや、彼は自身の全てを信じられなくなっていた。
(あぁ…もう駄目だ。降参してしまおうか…)
公爵はここに至るまでの、多くの努力を、研究を、応援してくれた家臣と領民、愛する妻と息子たちを思う。まるで走馬灯のように…、負けるわけにはいかなかった。
…けれども、みんな許しておくれ…人はやはり…神には…勝てないんだ。
気が付けば涙が滝のように流れ公爵は赤子のように泣いていた。
しかし…
背負う物の重み、それはみんな同じ事、先ほど一命を取り留めた将軍もまた、負けたショックで心臓を止めたほどだったのだ。
対戦相手の皇太子もまた、振り下ろす刃を、緩める事はしないだろう。…ここは、そういう戦いの場所なのだ
「先生!お願いします!」
パァアアアン!
皇太子が宙に飛んだ、衛兵を飛び越え観客席の天井に突き刺さる。
「…っえ?」
静寂に包まれる観客に、神は重々しく口を開いた。
「人に頼るな!」
…その時の事件を後の四代目皇帝、大会チャンピオンの皇太子はこう語る。
「あの時先生が、あぁ、いえ、メガーネ様が叩いて下さって目が覚めたんです、僕は勝ちにこだわりすぎて。視野がとても狭くなっていました。次期皇帝という目標。宿命。重責、色々な物に縛られて僕は自分を見失っていたんです。ハハハ、恥の一つや二つ構わないとか言いましたが。時が戻れるならやり直したいですね…やっぱり恥ずかしい!」
どうやら天井からフィールドを見た時に勝利の道筋に気が付いたようだ。
メガーネが彼を殴り飛ばしたのは、彼を助けるためだったのかその真意は…
「神様の考えなんて、矮小な我々にはわかりませんよ」
サクリャーク侯爵は領地を手放しメガーネを祭る協会の司祭になったという。
地を這う人の目には決して見えなかった天上からの神の、大きな大きな視点…その偉大さ。
それが神の教えであったのだとサクリャーク神父は教会で語る…権力争いに捕らわれていた時には想像も出来なかった軽やかで、暖かな胸の内だった。
そい!
なんだかどうせ雰囲気ギャグなんだから、雰囲気だけ守って好き勝手の限界を目指そうと
思ったら衛兵が観客を天井にさしていました。
本当に怖いですね
深夜のテンションって
本当にプロット通りすすんでるのですが
プロット自体がザルすぎて、細かいところが混沌の坩堝です。
どのくらいザルかというと
今回はゲーム回って事と、決め台詞だけは決まってて
まさか次期皇帝決定戦のゲームだったとかは後付けってくらいのザルです。
ハハハ
計画通り(真顔