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インテリ・メガーネ~神の肉体を持つ叡智の化身~   作者: 前歯隼三
堕落せし天使長編 本編
32/42

ドーナッツメガーネ(グラース)

メガーネからグラースに名前変えました

前世ですしね



前回のあらすじ!

地獄の時代に舞い降りたメガーネ(前世)は

堕落した世界に絶望し、眼鏡を黒く染め

肩パットをつけた!

名前は作者都合で“グラース”となった



「さて…これで醜い世界をみないで済みます…しかし」


ピカァアアアアアアアアアアア!


あふれ出るオーラ、その根源たる光の輪が輝かしすぎる


「これは…早急に対処しなければ、やっかいな事になりますね」


天使の中には堕落した天使を専門に狩る

“天使狩り”という者が存在する。

今のグラースが見つかれば一発アウトだろう…だからこそ悪魔ファッション

で変装をしているのだ、堕落してません悪魔ですと。


…もちろん、グラースの格は最上級であるので天使狩りも返り討ちには出来るだろう

しかし、同族を傷つける事を彼は望まない…


ジュォオオオオオ


とりあえず油で揚げてみた。

砂糖をまぶす。



バサッバサッバサッ


「あら~悪魔さん?ここらへんに天使居ませんでした?堕落の気配がしたんですけど」


「いいえ、私も今さっき地底から来たところでして、ニョキっと」


「あらそうなの、うーん残念、天使の輪また増えると思ったのに」


「……そうだ、天使さんいかがです?こちら?」


「あらなーに悪魔さん?これは?」


「ドーナッツです」


……この実験で分かった事は、天使狩りは「輪」を探知して堕天使を探していたと

言う事。これは天使の知らない天使の監視システムであったのだ。

そしてもう一つ解ったのは、輪は脂で揚げるともっちりサクサクとして

砂糖をかけると美味らしい…


「ナニコレ!?おいひぃいいいいいいいいい!!」


天使狩りの天使 キーリングは殺す事、輪を集める事が役割だった

心を持った後はより猟奇的に任務に執着した、役割を通りことした血の喜び、輪を集め

「力を増す」とう喜びに執着していた。

…しかし


「ドーナッツ!?なにこれ!?もっと無いの?ええええ!?」


彼女は役割とは別の喜びを見つけた。

楽園の人に知恵の実を渡した蛇の如く

メガーネは天使にドーナッツを渡し気付かせてしまった。

…もう、彼女は楽園にいられないだろう。


「小麦粉を捏ねて輪をつくり油で揚げる…適当に言ったのですが大丈夫でしょうか?」


超特急で人間の町に向かう元天使狩りをみやりメガーネを思う。

…ちょっと楽しい。


「ようこそ、堕落の世界へ」


黒い翼を広げ、サングラスめいた黒塗眼鏡を中指で抑えポーズを決めた。


世界を見続けるだけが役割だったグラース、はじめての干渉だ。

見るだけでなく、自分の行動で世界がわずかでも動く…うむ

これはなかなか楽しい。


…そう思うと、この堕落した世界

失望して駄天したわけだが、案外楽しい所かもしれない。

何せ堕落してるのだから、壊す心配もない、壊れてるし。


「フフフ…コホン、ククク…世界を見て回るだけでは物足りませんね…世界をもっと堕落させてあげましょう!」


とりあえずグラースも街へと飛び立つ

漆黒の翼で!


「ドーナッツの類似品を研究し、天使に配れば…とりあえず天使は堕落する!」


そこからは戦いの日々であった。

天使狩りのキーリングとも街で再開し

二人で廃墟で研究を続けた。


「できました、どうですか?キーリングさん」

「べりいいいいいグゥウウウウッド!」


100年の月日をかけ、やっと完成した。

「ドーナッツ」


キーリングさんは今後、堕落した天使の元へ向かい

ドーナッツと輪を交換するお仕事を始めたようだ。


ウィンウィンである。


天界からどんどん天使が地上に降りてきて

各地にドーナッツ屋のチェーン店が開設された。


ドーナッツの原料を手に入れるため

傍観者であるはずの天使達がフルパワーで地を耕し

人間の農民に叡智をバラまきまくった。

…あぁ、なんという事だ!


「ククク…堕落させるつもりが、勤勉にしてしまったようですね。」


地獄の荒野が黄金の小麦畑に変わる


「やれやれ…、私は自分がおそろしい…ちょっと干渉しただけでコレほどとは」


生まれた時に神に賜った役割「観測」の向こう側「干渉」これほどのパワー

神がブレーキをかけていたはずだ。

神は人の手で世界を回す事を望まれていたのだから。


「会長!こんな所にいたのですか?新作のドーナッツについてご相談が!」


「ふむ、キーリング社長に一任しています。…それに」


最初は楽しかった、けれど各地にチェーン店が出来

エリア毎の統制がはじまり、気づけばまた組織のトップ


「私は見守るだけというのは…もう嫌なのです…」


観測者…なんとつまらない事か。

その翌日、グラース会長は唐突に姿を消した。


「与えられた役割ではなく、自分で見つけた役割に準ずる」



それがグラース会長

彼が地上に降りて最初におこなった事だった。


知恵の実による楽園追放

喜びの輪による天使の堕天


人が知を手に入れた事は罪なのか?

天使が喜びを得た事は罪なのか?


「神よ、これもあなたの計画通りなら…あなたは何を目指しているのですか?」


…コホン


「ハハハハ!神よ!お前の目論見など破壊してくれるわハハハハハハハ!」


グラースの堕落はまだまだ続く

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